『湘南文學』
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1994年3月にかまくら春秋社は文芸と福祉をテーマとする季刊誌として『湘南文學』を発刊した。同名の雑誌『湘南文學』がかまくら春秋社の制作・発売のもと湘南短期大学(神奈川歯科大学)から1991年より発行されていたが、1993年に制作予算や写真の権利をめぐって両者が対立した結果、分裂し、同大学とかまくら春秋社がそれぞれ独自に発行をはじめたものである。この対立は裁判に発展し、文芸誌の出版差し止めが求められた点で社会的関心を集めた。神奈川歯科大学による出版で雑誌名の商標権が侵害されたとして出版差し止めの仮処分を求めてかまくら春秋社は1994年に横浜地裁横須賀支部に提訴していたが、棄却された。商標はかまくら春秋社名義で登録されていたものの、登録は『湘南文學』編集代表の指示のもとで同大学刊行物としての同誌での使用を前提として行われ、かまくら春秋社は制作代行を行なっていたにすぎなかったことから、実質的な権利者は同大学だったと1994年8月12日の判決(加藤一隆裁判長)で認められた。かまくら春秋社社長の伊藤玄二郎は同月判決への不満を表明し、自社の『湘南文學』の発行を継続するとした。著作権帰属について1998年に争われた『湘南文學』掲載の写真については、カメラマンが著作権譲渡をした証拠がなく権利の帰属先がどちらとも判定できないとして双方の主張が退けられた。
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