『愛の治療』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 08:06 UTC 版)
『愛の治療』(Remedia Amoris、レメディア・アモーリス) の形式は恋愛エレギーア詩の形式で、内容は詩人が『恋の技法』で指南した恋愛の治療法を、主に男性に向けて処方するものとなっている。本作は自殺を恋愛から逃亡する手段にすぎないとして批判する。そしてアポローに誓って、恋愛を先延ばしにしたり疎かにしてはならぬと言う。そして、自分のパートナーを避けること、魔術は使用せぬこと、一度は化粧をしていない恋人の顔を見てみること、他の恋人に乗り換えること、決して嫉妬してはならぬこと、といった処方箋が示される。古い手紙は焼き捨てること、恋人の家族は避けることといったアドバイスもある。本詩作は一貫してオウィディウスを医者として登場させ、医術的レトリックを用いている。本作が恋愛教訓詩シリーズの最終巻であり、エレギーア韻律でエロスを歌うオウィディウスの企みが本作で完遂したと解釈されている。
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