『容疑者Xの献身』をめぐる「本格」論争とは? わかりやすく解説

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『容疑者Xの献身』をめぐる「本格」論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:37 UTC 版)

容疑者Xの献身」の記事における「『容疑者Xの献身』をめぐる「本格」論争」の解説

2005年末、『容疑者Xの献身』が「本格ミステリ」として評価され同年の『本格ミステリ・ベスト10』にて1位を獲得したことに、推理作家二階堂黎人疑問呈したことに始まる問題二階堂主張は、「『容疑者Xの献身』は、作者推理の手がかりを意図的に伏せて書いており、本格推理小説としての条件を完全には満たしていない(そのため、『本格ミステリ・ベスト10』の1位にふさわしくない)」というものであった。このことに関して二階堂ウェブサイト『ミステリマガジン』誌上などに多く作家評論家意見寄せたため、本格的な論争となった[出典無効]。その過程二階堂の説における矛盾見当違い指摘されたが、二階堂自説曲げなかった。 最終的に笠井潔などの有力者多くが「『容疑者Xの献身』本格である」という立場につき、さらには2006年5月同作品が第6回本格ミステリ大賞受賞したこともあり、現在では二階堂意見否定された形で議論収束している。ただし、笠井本作を「標準的な出来栄え初心者向け本格」とした上で探偵小説精神的核心が無い」と批評しミステリ関係者絶賛したことに手厳しい批判向けている。同時にメイン犯行とは別個の道義的に遥かに悪質な行為トリックの手段として淡々と描かれながら「感動的なラスト」と評されたことについても議論となったが、これについては北村薫が、ミステリあるいは小説道徳論で論ずるべきでないとの立場示している。もっとも、本作感動的とか、涙誘うとかという風に位置づけたのは市場読者の側であって筆致はむしろ客観的である。 なお、作者東野圭吾本人は、一貫して本格であるか否かは、読者一人一人判断することである」というスタンス取っている。

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