「美人犬」チロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 11:01 UTC 版)
白い毛並みにつぶらな瞳のチロは、「器量よしの美人犬」と近所で評判だった。近隣に住むオス犬たちもチロを気にかけていて、しばしば家のガラス越しにチロの姿を覗きに来ることがあった。 チロ自身が気に入っていた「ボーイフレンド」は、散歩道の途中で出会う通称を「井戸の上」というオス犬であった。「井戸の上」は傍目には器量が良いといいかねる犬であったが、チロは散歩の途中で必ずその家に少しの間立ち寄るのを習慣としてて、良好な関係を築いていた。藤井たちもチロのお気に入りの「ボーイフレンド」ということで、「井戸の上」には好意を抱いていた。 チロは「井戸の上」との間に「モク」、「ムク」、「コロ」、「ヒメ」という名の4匹の仔犬をもうけた。仔犬たちはみな星仲間たちのもとに引き取られて、大切に育てられた。 「井戸の上」の消息は、チロと藤井が街はずれの新居に引っ越したころに途絶えた。子供たちの噂話として「古井戸に落ちて死んだ」、「長患いの後に赤い椿の花に覆われて冷たくなっているのが見つかった」などと伝わってきたものの、本当のところは定かではなかった。
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