「美濃」の名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 17:38 UTC 版)
美濃国を指す木簡は多く見つかっているが、石神遺跡・飛鳥池遺跡・藤原宮跡など7世紀の木簡はみな「三野国」と記す。青野(現・大垣市青野)、大野(現・揖斐郡大野町)、各務野(現・各務原市)という3つの「野」に由来するという説がある。 そして8世紀初頭の大宝2年戸籍(702年)や同3年(703年)の藤原宮跡木簡に「御野国」という表記が出てくる。そして『古事記』には三野と美濃国の両様の表記がある。美濃の表記は8世紀にやや遅れて登場したようである。 別に、平城宮から出土した木簡には「美野国」と表記されたものもある。藤原忠通書状案(天理図書館所蔵文書)には「御庄々、武義(美乃国)、山上(美乃国)、吉田(美乃国)、保元々年七月」と記載されている。『新抄格勅符抄』(神事諸家封戸大同元年牒)にも、「美乃国」とある。 柳田国男は著書『地名考』で、美濃、耳納、三納など、ミノと読む地名を挙げ、これらは一方が山地で、わずかな高低のあることを意味した地名であるとし、島根県美濃郡、岡山県の美濃県(みぬのあがた)などを例示した。当国本巣郡に美濃郷があり、この本巣郡は根尾川両岸を占める山地丘陵地帯で、美濃国造の本拠とされている。
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