「美しくて利益になるようなものだけを作ること」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 19:38 UTC 版)
「カルミデス」の記事における「「美しくて利益になるようなものだけを作ること」」の解説
10. その話をした当人であるクリティアスが激昂して、二人の問答に割り込む。先の話を引き継ぎつつ、ソクラテスとクリティアスの問答が始まる。クリティアスは、ヘシオドス『仕事と日々』の一節を引用しつつ、「する」とは「美しくて利益になるようなものを作ること」であり、「自分自身のこと」とは「美しくて利益になること」(「利益にならない有害なこと」は「よそごと」)であるという規定を導入し、「節制(思慮の健全さ)」としての「自分のことだけをすること」とは、「美しくて利益になるようなものだけを作ること」であると再定義する。 11. ソクラテスは、その「美しくて利益になるようなもの(こと)だけを作る(する)こと」という意味での「節制(思慮の健全さ)」を持ち合わせながら、そのことに無自覚である者がいるか問う。クリティアスは否定する。ソクラテス、医者やその他の専門家は、自分の行為の結果を知り尽くしているのか問うと、クリティアスは必ずしもそうではないと言う。ソクラテスは、それでは場合によっては、「利益になることをした」(「節制(思慮の健全さ)」を持ち合わせていた)のにも関わらず、それに無自覚なこともあると指摘する。クリティアスも認める。
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