「弱」(戦力不均衡)の四つの形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/27 23:41 UTC 版)
「軍事謀略学」の記事における「「弱」(戦力不均衡)の四つの形式」の解説
弱の形式は空間差、時間差、能力差、任務差である。 空間差 空間差とは、作戦部隊が実際に制御する空間と作戦任務を遂行するのに制御しなければならない空間との間に現れた差異である。空間差には主に、戦いは此にあるも力は彼にある(戦此力彼)、戦場は大きくして力場は小さし(戦場大而力場小)、力場は大きくして戦場は小さし(力場大而戦場小)の三つの情況がある。 戦此力彼 戦此力彼とは、戦いはこの場所にあるが、力はあの場所にあることである。これは、ある部隊が作戦任務を遂行するのに制御しなければならない空間はこの場所にあるが、部隊の戦闘力が実際に制御している空間は別の場所にあることをいう。 戦場大而力場小 戦場大而力場小とは、作戦任務は必ずある一定範囲の空間を制御しなければならないと要求するが、部隊の戦闘力はその中の一部分しか制御できていないことをいう。 力場大而戦場小 力場大而戦場小とは、作戦任務は必ずある一定範囲の空間を制御しなければならないと要求するが、作戦部隊は更に広い空間内に分散し、したがって戦闘力の不足を招いていることをいう。 時間差 時間差は、作戦部隊が制御している空間と作戦任務を遂行するのに制御を要する空間とが一致している情況の下で、作戦部隊の戦闘力が実際に制御している時間と作戦任務を遂行するのに要求される制御時間との間の差異を指す。時間差には、戦いは先んじ力は後れる(戦先力後)、力は先んじ戦いは後れる(力先戦後)、戦いは長く力は短い(戦長力短)の三つの情況がある。 戦先力後 戦先力後は、作戦任務はある期間に行なわれるが、部隊の戦闘力はその後の期間にあって初めて必要とされる水準に達し、作戦任務と戦闘力との間に時間差が現れることをいう。 力先戦後 力先戦後は、戦闘力がある期間でしか比較的高い水準を持てないが、作戦任務はその後の期間に行なわれ、作戦任務と戦闘力との間に時間差が現れることをいう。 戦長力短 戦長力短は、遂行を要する作戦任務はかなり長い期間の中で部隊が戦闘力を比較的高い水準に保つことを要求するが、実際にはその期間の一部分の期間でしかその要求を満足できないことをいう。 能力差 能力差とは、作戦任務の時間、空間、難度等の要素が一定の条件の下で、作戦部隊戦闘力の実際の水準が不足していることにより生まれた当該作戦任務が要する戦闘力の理想的な水準との間の差異である。 任務差 任務差とは、作戦部隊の戦闘力が制御している時間、空間、水準等の要素が一定の条件の下で、部隊が実際に負っている作戦任務が遂行できる任務の水準を越えて生まれた差異を指す。
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