「儀礼的空間」SN-03
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 17:45 UTC 版)
「セネガンビアの環状列石」の記事における「「儀礼的空間」SN-03」の解説
「儀礼的空間」SN-03は、Sine Ngayéne の墓域の中央、環状列石27号とSN-03-T-02号墓の間に位置し、一ヶ所だけ墓標のような石が連続している場所があるほかは、SN-03-T-01号墓やSN-03-T-02号墓とことなり、一見ラテライトの岩のかたまりがただ単に散乱しているように見える場所である。2003年に、Augustin F.C. Hollらによって発掘調査がおこなわれた。発掘調査区は、南北5m、東西3mの15平方メートルに設定された。発掘調査は、1.25mの距離で、南北の軸に沿って並んでいる小さめの立石の周囲をつなげるように行われた。南北の立石は壊されてふたつの石塊になっていることと、北側の立石はおそらく原位置を保っていることが発掘調査でわかってきた。また「儀礼的空間」は二つの立石を伴う基壇であり二期にわたって構築されていることが判明した。 第一期は地表から深さ50~70cmの位置であり主軸方位が南西方向を向いたラテライトの石塊で長径1.2m、短径1m楕円形に築かれた基壇で高さは60cmである。その南側につぶれた大甕が位置する。甕は原位置でつぶされ、破片が南西北東方向に1m、南北方向に1.5mの範囲で散乱している。胎土が赤茶けているので赤い帯のように見える。東側中央に直径20cmの石囲炉がラテライトの石塊を横倒しにしてつくられている。ラテライトの石塊で壁を敷き詰め、確認面にて幅80cm、底部で幅60cm、深さ20cmの砂の充填された穴が東側中央でも北寄りに造られる。このような遺構は他には見当たらない。 第二期は、地表から深さ20~30cmの位置であり、三つの小石で積み重ねられた基壇が検出された。一つ目は、2m20cmが地表に露出し、北側に立石がたてられている。もうひとつは、3m60cmあって南西方向に向いている楕円形で地表には1m60cmまで露出している。三つ目の基壇は、儀礼的空間の北端部に位置し、主軸方位を北東に向け、長さ70cmに対し幅30cmである。そして三つの土器が取り囲むように置かれた。 この空間で行われたのは葬送儀礼なのかそれともほかの性格の儀礼なのか、あるいは何のために解放された空間なのか、この空間で儀礼をおこなった人物がどのような地位にあったのかは今のところ全く不明であって、何らかの儀礼がおこなわれた空間であるとしかいうことができない。
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