ZONE OF THE ENDERS ZONE OF THE ENDERSの概要

ZONE OF THE ENDERS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 06:23 UTC 版)

概要

“オービタルフレーム”と呼ばれる人間搭乗型の巨大な高機動人型ロボットを操って戦うアクションゲームである。「ENDERS」とは「short-ender」「bitter-ender」の略称の複数形である[要出典]

キャラクターのデザインやストーリー展開が日本のSFロボットアニメーション(特に『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』の様な、いわゆる“リアルロボットもの”作品)を強く意識して作られている。ゲーム(1作目)発売前から同一世界観をもつアニメ作品の製作が決定し、ゲームとアニメを同時に見ることでより深くZ.O.Eという作品を体験できるメディアミックス戦略も行われていた(アニメはOVAと連続テレビアニメの2作品が製作された。どちらも製作はサンライズ及びバップ)。

開発は『メタルギアシリーズ』で名を馳せていたKCEJが行い、メタルギアシリーズを多く手がけた小島秀夫がプロデュースを、同じくメタルギアシリーズのアートディレクターを務める新川洋司がメカニックデザインを担当。KCEJがコナミ株式会社に吸収合併され、コナミデジタルエンタテインメント内開発スタジオである小島プロダクションが発足した後も、基本的には同スタジオによってIP運営がなされていた。

『ANUBIS』以降、長らく休止状態となっていたが、2012年にはゲームやアニメ版がHDリマスター化されて随時リリース。さらに同年5月に行われたイベント「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速〜ReBOOT」において、続編を開発していることが発表されたが、HDリマスター版のクオリティ問題によって続編の開発は凍結され、現在に至る。

シリーズ略史

  • 2001年3月 ゲーム第1作『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』(ゾーン オブ エンダーズ、以下『Z.O.E』)発売
    「ロボットアニメ・シミュレータ」というジャンルを謳い、小島秀夫プロデュースの下キャラクターデザインとカットシーン演出に元アニメーターの西村誠芳を起用するなど、『メタルギアソリッド』に並ぶ“小島組”作品として注目を集める。ゲーム発売直前にはテレビ東京で特別番組も放映されるなど、大々的な宣伝も行われた。
    また初回版には当時発売を控えていた『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』の体験版が同梱された。
  • 2001年3月 アニメOVAZ.O.E 2167 IDOLO』(ゾーン オブ エンダーズ 2167 イドロ、以下『IDOLO』)発売
    史上初のオービタルフレーム開発にまつわる物語。『Z.O.E』と同時に発売された。
  • 2001年4月 連続テレビアニメ『Z.O.E Dolores, i』(ゾーン オブ エンダーズ ドロレス・アイ、以下『Dolores, i』)放送開始
    『IDOLO』の直接的な続編。主役はピンク色の女性型巨大ロボット、人間の主人公が家族持ちの中年男性といった特異な要素が情報誌などで注目される。ゲームの設定も活かしたストーリー展開を取り、全26話を同年9月まで放送。
  • 2001年9月 『Z.O.E 2173 TESTAMENT』(ゾーン オブ エンダーズ 2173 テスタメント)発売
    KCEJとサンライズの双方のスタッフが参加した外伝作品。主開発はウィンキーソフトが担当。現状ではシリーズ唯一の携帯ゲーム機作品。
  • 2003年2月 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』(アヌビス ゾーン オブ エンダーズ、以下 『ANUBIS』)発売
    一連のゲーム・アニメの流れを踏まえた直接の続編。新たに開発された「Z.O.E シェード」とよばれる3DCG描画技術によるグラフィック、ゴンゾ・ディジメーションの制作によるアニメーション、アクションパートとストーリーパートをシームレスに繋いだ演出、より多彩な操作感覚などが盛り込まれた。また、株式会社アトラス所属の金子一馬がゲストデザインとして参加している。
  • 2004年〜2011年 シリーズ休止状態中の動向
    『ANUBIS』以降、小島プロダクションは『メタルギアソリッド』シリーズや携帯機向けの『ボクらの太陽』シリーズ等に注力する状況になったため、Z.O.Eシリーズは長らく新規展開が休止状態となった。小島は小島プロダクション公式ウェブログ「コジブロ」(以下「コジブロ」)にて、ANUBISについて「発売日のタイミングを見誤った為に売上が伸び悩んだ」と言及しており、シリーズ休止の原因として売上不振のため新規企画が立ち上げづらくなったことを示唆している[1]
  • 2006年9月28日イギリスのゲーム雑誌『PSM3 The PlayStation 3 Magazine』(Future Publishing)の「issue 80」に、「Zone of the Enders 3 Close to the Enders」という見出し、「News just in ZOE is back on PS3」(ZOEがPS3に戻ってくる)という書き出しで、2007年小島プロダクション製作で新作が作られる予定であるという記事が掲載された(この際は、あくまでも噂の域を出ずに終わった)。
  • 2009年10月17日、小島が「コジブロ」にて「『ANUBIS』の続編の企画について概要は既に頭の中には存在しており、時期の約束は出来ないが開発をする」と語る[1]。この際には、一時的にブログへのアクセス数が東京ゲームショウ開催時並みに高まった[2]
  • 2011年9月、東京ゲームショウ2011のコナミブースにおいて、シリーズ再起動を正式表明。『Z.O.E』と『ANUBIS』HDリマスター版の製作・2012年内のリリースを発表した。
  • 2012年5月25日、新宿で行われた『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』のプレビューイベント「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速〜ReBOOT」では、鳥山亮介をプロデューサーに据えた続編製作プロジェクト「エンダーズプロジェクト」の発表が行われ、シリーズ休止から初めて具体的な続編の製作が表明された。その際、新川洋司画のキャラクターや、胸部のAIボールの箇所に髑髏があしらわれた、オービタルフレームとは似て非なる有機的で禍々しい機体といった、アニメーション要素に拘っていたこれまでのシリーズとは一線を画するリアル要素を重視したイメージデザインが公開された。これに関して小島は、正統続編とは少々異なる方向性で企画を考えていると語った。
  • 2012年9月、東京ゲームショウ2012のコナミブースにて、エンダーズプロジェクトの進捗について、小島は「海外市場を意識して例の企画イメージを公開したが、その後の評価が芳しいとは言えない為、ボツにして正統続編で作り直す事にした」と、続編の方向性を『Z.O.E』や『ANUBIS』の流れを汲む『正統続編』に転換する事を表明した。
  • 2012年10月25日 『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』発売
    前述の通りPlayStation 2版の2作品をHDリマスタリングしワンパッケージ化、(PlayStation 3Xbox 360版)の2機種で同時発売[3]。PS3版には限定版のみ数量限定特典としてメタルギア ライジング リベンジェンス体験版のプロダクトコードを同梱。
    当初はPlayStation Vita版も予定されていたが、発売中止となった。
  • 2013年5月3日、「コジブロ」にて配信された「Mogren Radio」にて、『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』のリマスタリングプロデューサー・是角有二がPlayStation 3版の処理落ちの多さに関するユーザーの意見が多かった事を述べ、後日問題箇所を修正したパッチを配信する事を発表した。また同時に、今回の問題に対し続編製作プロジェクト「エンダーズプロジェクト」の一時凍結を発表した。凍結の理由について、小島は「修正されたHD EDITIONをプレイして貰ってから、もう一度続編が欲しいか問いかけたい」と述べている。
  • 2015年3月19日、コナミデジタルエンタテインメントの製作本部制への移行に伴い小島プロダクションが解体、コナミデジタルエンタテインメント第3制作本部第8制作部として再編され、エンダーズプロジェクトは発展的解消となった。
  • 2015年9月2日 『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』発売
    Z.O.Eシリーズとは直接関係ない作品ながら、作中武器バイオニックアームのひとつとしてアージェイトとジェフティのサブウェポンである「ウィスプ」を再現した「HAND OF JEHUTY」が登場。
  • 2015年12月16日、小島がコナミデジタルエンタテインメントを退社。新たにゲーム開発スタジオ「コジマプロダクション」を設立し独立したことを発表。
  • 2017年9月19日に開催された「2017 PlayStation Press Conference in Japan」にて、『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の4K/VR対応リマスター版である『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS: M∀RS』の制作が発表された。Cygamesとコナミデジタルエンタテインメントの共同開発タイトルとなる。
  • 2018年9月6日 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS: M∀RS』発売

作品世界

物語の舞台は22世紀太陽系であり、地球人類は人口問題環境問題の深刻化から宇宙に生活圏を拡げた。

地球周辺のラグランジュポイントスペースコロニーが建設され、火星テラフォーミングし、16のカウンティ()を設けて植民地とした。さらに、資源確保のため木星圏にまで進出し、衛星エウロパのラグランジュポイント・L5 にコロニー「アンティリア」を建設した。だが、地球に住む人間の中には火星以遠に住む者を、また火星住民はアンティリア(木星圏)に住む者を「エンダー(田舎者の意)」と呼んで差別する者が少なくなかった。

また、地球の半分以下の重力しかない火星で生まれ育った者は地球出身者に比べて筋力的に劣る(地球出身者に殴られただけで全治数ヶ月の重傷を負うという事例がある)ことから、地球出身者は火星出身者を見下し、逆に火星出身者の中には半ばコンプレックスに基づく反地球的な気運が高まっていった。そうした背景の中、未だ植民地に過ぎない火星では国連宇宙軍 (UNSF) が武力を背景とした監視活動や弾圧を行い、それに対抗して火星側のレジスタンス活動などが活発化。その中でも反地球思想の強いカウンティ「バシリア」は軍事組織「バフラム」を結成、新兵器オービタルフレームを開発して地球の物量に対抗しようとしていた。


  1. ^ a b コジブロ ANUBISでの苦い思い出
  2. ^ コジブロ アヌビスのその後
  3. ^ ZONE OF THE ENDERS HD EDITION”. KONAMI (2011年6月3日). 2011年6月3日閲覧。
  4. ^ vgchartz. “Zone of the Enders (JPN)”. 2015年7月7日閲覧。
  5. ^ vgchartz. “Zone of the Enders(PlayStation 2)”. 2015年7月7日閲覧。
  6. ^ ジーパラドットコム. “「はいだらー!」声優陣トークも盛り上った『Z.O.E HD EDITION』イベント”. 2012年5月25日閲覧。
  7. ^ a b 『電撃PlayStation Vol.162』メディアワークス、2000年12月8日、28,29,頁。 
  8. ^ 電撃PlayStation Vol.159』メディアワークス、2000年11月10日、8,9,10,11,頁。 
  9. ^ vgchartz. “Zone of the Enders: The 2nd Runner(JPN)”. 2015年7月7日閲覧。
  10. ^ vgchartz. “Zone of the Enders: The 2nd Runner(PlayStation 2)”. 2015年7月7日閲覧。
  11. ^ PS2版 pop'n music 8 楽曲紹介 - KONAMI
  12. ^ 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS : M∀RS』声優・鈴村健一さんによるVRモード体験動画 ファミ通TUBE
  13. ^ vgchartz. “Zone of the Enders HD Collection(PlayStation 3)”. 2015年7月7日閲覧。
  14. ^ vgchartz. “Zone of the Enders HD Collection(Xbox 360)”. 2015年7月7日閲覧。
  15. ^ ZONE OF THE ENDERS HD EDITION -はいだらクオリティへの道- For quality and performance improvement.” (2013年7月25日). 2012年7月27日閲覧。
  16. ^ ネイトやオルタネイトを遥かに超えるスピードを持つセルキスすら追いつけない程。またアヌビス、ジェフティ以下の機体で、月-地球間を数十秒~数分で移動し地表から瞬時に大気圏離脱をするドロレス以上(AX2001/7,10/特集、特別号)
  17. ^ AX/2001/10/特別号
  18. ^ AX/2001/10/特別号
  19. ^ AX/2001/10/特別号
  20. ^ AX/2001/10/特別号
  21. ^ a b AX/2001/7,10/特集、特別号
  22. ^ AX/2001/10/特集 特別号






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