那覇市 生活基盤

那覇市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 09:34 UTC 版)

生活基盤

ライフライン

電力

1972年の日本復帰時に琉球電力公社から沖縄電力に移行し、以後は那覇市を含む県内全域で沖縄電力が供給している。発電形態としては沖縄県の地域性として水力や原子力によるものは困難であることから、大半を火力発電に依存している[35]

ガス

1960年以来、沖縄ガスが市内で都市ガスの供給を行っている。2015年3月末での供給世帯数は約63,000世帯[36]。供給区域は那覇市のほぼ全域に及ぶ[37]

上下水道

上水道

上水道は戦前は宜野湾市の湧水を利用した給水を行っていたが、沖縄戦で施設の多くが破壊され、戦後、本格的に水道事業を再開したのは、1954年3月の泊浄水場の返還以降である[38]。主な水源地は沖縄本島北部、やんばると呼ばれる地域のダムとなっている。

2009年現在、沖縄県企業局からの供給に全面的に依存している[39]。米軍統治時代には、米軍から水道水の供給を受けたこともある[40]。なお、渇水による給水制限がたびたび実行されており、最も顕著な例として、1989年度は、3月6日から31までの26日間、更に翌1990年度は4月1日から26日まで26日間、地域別で24時間の隔日給水がなされた事がある。しかしながら1993年度を最後に渇水による断水は実施されていない[41]

2009年度末現在の一日最大配水量は159,810m3となっている[42]。ちなみに最大の大口利用者は、航空自衛隊那覇基地である[43]

下水道

下水道が整備されはじめたのは、1969年からであり[44]、2011年度末時点での下水道普及率は89.1%となっている[45]。各所にポンプ施設があるが、最終的には沖縄県那覇市西にある那覇浄化センター(みずクリン那覇)で処理[注釈 4]、放出される。1日の最大処理量は、約179,000m3であるが[46]、那覇市の事業計画[47] では、2009年度で1日当たり最大で163,500m3となっている[注釈 5]

電信

復帰前は市外局番が08(隣接する当時の豊見城・南風原両村も同じ局番だった)で、2 - 5と8の5つの1桁の市内局番が存在していた(当時の那覇市内の電話番号表記はほとんどが市外局番の08を省略していた)。復帰前年の1971年にこれまでの市内局番の頭に1桁増やし2桁となった(2 - 4は頭に3がついて32 - 34、5は55、8は68にそれぞれ変更)。復帰と同時に市外局番が0988となり、数年間で半分以上の地域の市内局番が変更された(市西部は60番台、小禄は57 - 59、首里など市北東部が84 - 87に変更)。そして1990年12月には市外局番が現在の098に変更され、これまでの市外局番の末尾だった「8」が市内局番の頭となり3桁化された。0988時代は那覇市のほか隣接する浦添市・南風原町・豊見城村のみだったが、098になった後は恩納村・宜野座村以南の沖縄本島中南部全域と周辺離島(久米島・慶良間諸島・粟国諸島)も同じ市外局番となり、沖縄県内の大半がこの市外局番のエリアとなった(単位料金区域が同じ那覇MAであるため)。沖縄県内向けには那覇市も含めこれらの地域の電話番号を紹介するとき、市外局番の098を省略することが多々ある(テレビやラジオでも省略する)。逆にエリア外である名護市以北の本島北部や先島諸島では市外局番が0980であるため「0980-xx-yyyy」と電話番号表記するところを間違って「098-0xx-yyyy」と表記する場合も時々ある。

那覇市内の市内局番は3桁化後、8から始まっていたが、1990年代後半から「941」や「951」といった9から始まる市内局番も出てきている(逆に糸満市や南城市などの本島南部では9から始まっていたが、8から始まる市内局番が出てきた)。

衛生処理

  • 那覇市・南風原町環境施設組合(市に隣接する南風原町新川にごみ処理施設などがある)

注釈

  1. ^ 沖縄県全体でもJR線・大手私鉄・準大手私鉄はない。
  2. ^ 東京都の特別区はそれぞれが市町村と同等の権限を有する基礎自治体であるため、実際に東京都庁がある新宿区のみを都庁所在地とする見方もある。この場合、那覇市より新宿区のほうが面積が小さいため、那覇市は2番目となる。
  3. ^ 普天間基地の辺野古移設に反対して自民党を除名された会派。
  4. ^ これは那覇市固有の処理施設ではない。
  5. ^ 一時間最大では239,586m3

出典

  1. ^ a b 那覇市旗
  2. ^ 市のシンボル・憲章”. 那覇市. 2011年9月28日閲覧。
  3. ^ 首里・那覇方言音声データベース”. 琉球大学 沖縄言語研究センター. 2012年4月1日閲覧。 - 本来は首里市、真和志市、小禄村との合併前の旧那覇市を指す。
  4. ^ 那覇空港の制限表面区域図(国土交通省大阪航空局)
  5. ^ 中核市への移行に係る沖縄県への協力要請”. 那覇市 市長室Web出張所 (2010年4月23日). 2012年4月1日閲覧。
  6. ^ 中核市移行準備室”. 那覇市. 2012年4月1日閲覧。
  7. ^ 中核市の紹介”. 中核市市長会. 2012年4月1日閲覧。
  8. ^ 樽床総務大臣閣議後記者会見の概要』(プレスリリース)総務省、2012年10月19日https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000100.html2012年10月22日閲覧 
  9. ^ 那覇市、来年4月1日から中核市 政府が閣議決定”. 琉球新報 (2012年10月19日). 2012年10月22日閲覧。
  10. ^ 那覇を中核市に = 政府”. 時事ドットコム (2012年10月19日). 2012年10月22日閲覧。
  11. ^ 平成25年4月1日に那覇市が中核市へ移行しました。”. 中核市市長会 (2013年4月1日). 2013年4月1日閲覧。
  12. ^ 1998年7月4日放送の出没!アド街ック天国より
  13. ^ 昭和61年7月8日発行角川書店『沖縄地名大辞典』739頁より
  14. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  15. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  16. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年9月17日閲覧。
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  18. ^ 住所対照簿(新旧)”. www.city.naha.okinawa.jp. 2019年9月23日閲覧。
  19. ^ 日本電信電話公社海底線敷設事務所編 『海底線百年の歩み』 電気通信協会 1971年 p.200.
  20. ^ 図典 日本の市町村章 p239
  21. ^ 那覇市会に内務大臣から解散命令『大阪朝日新聞』(九州朝日新聞)大正14年4月12日(『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編p49 大正ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  22. ^ 『続・GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン カラーで蘇るあの時代の日々』(2007年7月20日、アーカイブス出版発行)147ページより。
  23. ^ 那覇市役所本庁舎は平成21年9月24日(木)仮庁舎へ一時移転しました”. 那覇市 (2009年9月24日). 2012年4月1日閲覧。
  24. ^ 那覇市新庁舎建設について”. 那覇市 (2010年7月9日). 2012年4月1日閲覧。
  25. ^ 野球少年の夢乗せ 沖縄セルラースタジアム落成”. 琉球新報 (2010年4月3日). 2012年4月1日閲覧。
  26. ^ 中核市・那覇が誕生 翁長市長「県全体の飛躍確信」 全国42市目”. 琉球新報 (2013年4月1日). 2013年4月1日閲覧。
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  32. ^ 平成27年10月1日現在の国の行政機関の組織-内閣人事局
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  35. ^ 電気をつくる - 沖縄電力
  36. ^ 沖縄ガス株式会社 ごあいさつ
  37. ^ 都市ガス・LPガス供給エリア
  38. ^ 那覇市上下水道局企画経営課『上下水道局事業概要』p.29 ちなみにこの時点では給水普及率は13%に過ぎなかった(p.21)。
  39. ^ 『上下水道局事業概要』p.15、p.22等 各種給水施設で市内にあるものの多くは、市固有の設備である(p.50 - p.55)。
  40. ^ 『上下水道局事業概要』p.21
  41. ^ 『上下水道局事業概要』p.21 - p.24
  42. ^ 『上下水道局事業概要』p.29
  43. ^ 『上下水道局事業概要』p.45
  44. ^ 『上下水道局事業概要』p.156
  45. ^ 『上下水道局事業概要』p.112
  46. ^ 沖縄県土木建築部 下水道管理事務所
  47. ^ 『上下水道局事業概要』p.138
  48. ^ 給食費、年最大5万円差 本紙県内市町村調査”. 琉球新報 (2016年3月7日). 2016年4月12日閲覧。
  49. ^ a b c “この人も?沖縄出身の女優たち ガッキー、比嘉愛未、仲間由紀恵…まだまだたくさん!”. 琉球新報. (2019年4月27日). オリジナルの2019年11月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191130030352/https://ryukyushimpo.jp/news/entry-909622.html 2021年3月3日閲覧。 
  50. ^ “【胸キュンドラマの注目の悪役は沖縄出身ー嘉島陸、ゆいレール好きの少年が芸能界に戻った理由―】”. 琉球新報. (2018年6月14日). オリジナルの2021年3月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210311110650/https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-738435.html 2021年3月11日閲覧。 
  51. ^ 秘書広報課 - 那覇市(2013年5月21日閲覧)
  52. ^ なは市政NAVI - 那覇市(2013年5月21日閲覧)
  53. ^ 市歌 - 那覇市(2013年5月21日閲覧)






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