暫定2車線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 07:47 UTC 版)
日本国外での類似の形態
韓国
韓国では4車線化を前提とした「2車線高速道路」と呼ばれていた[注釈 10][注釈 11][注釈 12]。かつてはセンターポールも設置されていなかったが[38]、事故防止のため、後にセンターポールが一部区間に追加設置された。
1978年末時点では総延長1,224.6 km中752.8 kmであったが、1992年から高速道路の全区間において4車線化の事業が始まり、すでに開通した区間だけでなく暫定2車線の新規路線(事業中も含め)においても4車線化の事業が実施された。事業は2015年12月22日に88オリンピック高速道路の4車線拡張・移設が完成したことにより完了し、これによって韓国から2車線の高速道路は消滅した。
88オリンピック高速道路(現:光州-大邱高速道路)の潭陽IC - 高霊JCT間は、同国内では最後の暫定2車線区間であった。事故率が高かったことから「死の高速道路」と呼ばれ、「国道以下の高速道路なのに利用客から通行料金を払わす」と不満の声も上がった[39]。韓国での4車線化の事業は2004年東海高速道路を最後に経済危機などによる事業資金問題で一時凍結となり、88オリンピック高速道路の上記区間のみが暫定2車線で残された。しかし当区間の4車線化の事業は政権交代が起きた2008年に再開され、2015年12月22日に4車線化が完了した。
2004年以前で暫定2車線の区間があった路線は、邱馬高速道路(1995年解消)、湖南高速道路(1996年解消)、南海高速道路(1996年解消)、中央高速道路(2000年解消)、嶺東高速道路(2001年解消)、東海高速道路(2004年解消)など。
台湾
- 西浜快速公路
- 台61甲線は暫定2車線(台北港の出入口のランプが暫定的な供用)
スウェーデン
2+1車線。これは双方向の車線を交互に増減させ、建設費や道幅の圧縮を狙ったもの。
注釈
- ^ 例として下館バイパス、犬飼バイパス
- ^ 特にインターチェンジやパーキングエリア・サービスエリアの前後区間では、将来的な4車線への拡幅時に加速車線やランプウエイの作り直しの手間を避けるため、一時的に4車線としている区間も多く見られる。
- ^ 同様の方式としてはスウェーデンで採用されている2+1車線や、大韓民国での4車線を前提とした2車線高速道路が挙げられる。
- ^ 例えば、トンネルは暫定2車線用トンネルの隣にもう2車線分掘るだけでよく、暫定2車線用トンネルも下り線(または上り線)のトンネルとして利用できるため、線形改良等の事情がなければトンネルを掘りなおす必要はない。
- ^ 山形自動車道の笹谷IC-関沢IC間や長崎自動車道の嬉野IC-東そのぎIC間など。
- ^ ただし、太子IC -竹内トンネル間は完成4車線で、葛城IC→竹内トンネル間に登坂車線が有る。
- ^ 御殿場JCT - 浜松いなさJCTは6車線。海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 岡崎SAは正式には「暫定4車線」であるが、実質的には完成4車線と同じ構造である。
- ^ 亀山西JCT - 大津JCT - 城陽JCT・IC、八幡京田辺JCT・IC - 高槻JCT・ICは6車線化事業中。
- ^ この問題に関しては、片側3車線の道路を新たに建設し、既存の4車線道路をもう片側に転用して7車線とすることで対処している箇所も存在する(東名高速道路の日本坂トンネルなど)。
- ^ この方式をめぐって、湖南高速道路で「特定地域に対する冷遇ではないか」と槍玉にあがったケースがある。湖南高速道路#車線数をめぐる論争参照
- ^ しかし、湖南高速道路(当時)で1983年から1989年にわたって行われた懐徳JCT-古西JCTの拡幅工事では、開通の時点で4車線分の用地が確保してあったが、線形不良のために用地を利用せず、新たに4車線道路を建設した区間がある(韓国道路公社20年史、1989、韓国道路公社)。これは南海高速道路河東IC -昆陽ICなどでも見られる。
- ^ 開通当初に対面通行で供用された側は「一期線(I期線)」、拡幅に伴い新たに建設された側は「二期線(II期線)」と呼ばれる。下り線と上り線のどちらが一期線であるは道路による。
出典
- ^ 道路構造令第5条第2項、第28条など
- ^ 浅井建爾 2015, p. 160.
- ^ 浅井建爾 2015, pp. 160–161.
- ^ a b c d 浅井建爾 2015, p. 161.
- ^ 警察庁交通局, 交通規制基準
- ^ 清水草一 (2016年6月12日). “高速の暫定2車線問題、改善への課題 低い安全、利用価値”. 乗り物ニュース 2017年4月16日閲覧。
- ^ ③ 高規格幹線道路の暫定2車線道路の整備及び管理状況について(再掲) - 会計検査院、2017年6月30日閲覧。
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- ^ “国交省、「暫定2車線」を「4車線化」する優先整備区間。道東道、秋田道、常磐道、東海北陸道、東九州道など約880km”. トラベル Watch (2019年9月6日). 2021年3月18日閲覧。
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- ^ “金沢能登連絡道路(のと里山海道)柳田IC〜上棚矢駄IC間4車線化”. 石川県. 2021年10月11日閲覧。
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- ^ “新東名の6車線化について” (PDF). 国土交通省道路局. 2022年4月25日閲覧。
- ^ 開通のお知らせ、p.2の横断面図(東九州自動車道)
- ^ 「道路構造令の解説と運用」の改訂について-平成15年度地区講習会資料 p.18の左上の図
- ^ 道路構造令の一部を改正する政令について
- ^ 東名高速道路 音羽蒲郡IC - 豊田JCT間の3車線(暫定)運用を開始しました。 NEXCO中日本 2011年10月21日プレスリリース 2012年5月7日閲覧
- ^ 東名阪道 一部区間の暫定3車線化工事のお知らせ〜四日市IC付近の渋滞対策として〜 NEXCO中日本 2012年3月26日プレスリリース 2012年5月6日閲覧
- ^ 東名阪 四日市IC付近の3車線(暫定)運用を開始しました NEXCO中日本 2012年12月19日プレスリリース 2012年12月30日閲覧
- ^ 第5回有料道路部会 高速道路ストックの機能強化の課題(2007年4月7日)
- ^ (韓国道路公社20年史)
- ^ びっしり詰まった高速道路、上辺だけの高速道路?、2006年、韓国SBS
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