地番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/09 07:55 UTC 版)
概説
明治時代初期に地番を整備した(→地租改正)。町村制の実施を経て、旧町村界もしくは大字の範囲がほぼ地番区域に相当し、その内部で一意となる付番を行なった[1]。
現在、地番を定めるに当たっては、市、区、町、村、字、またはこれに準ずる地域をもって地番区域を定め、この地番区域ごとに土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとされている(不動産登記規則 第九十七条、第九十八条)。
土地を分筆した場合においては分筆前の地番に支号(枝番)を付して各筆の地番を定めること、また土地を合筆した場合においては合筆前の首位の地番をもってその地番とすることなどが、不動産登記事務取扱手続準則第67条に規定されている。
住居表示が実施された地域では、所(住居表示)と地番が異なるため、住所で登記事項証明書や登記簿謄本等を請求しようとしても地番が分からなければ取得することができない。地番は住居表示実施前の住所地番と一致する場合が多いため、旧住所を調べれば地番を明らかにすることができる(ただし、住居表示の実施にともなって町名の変更がされているときは不動産の所在地は新しい町名による)。住居表示地番対照住宅地図(ブルーマップ、住宅明細図地籍版等)を見てもよい。
国有地(無番地)
明治以来一貫して国有地である土地は、登記されたことがないため地番が付されない。たとえば皇居や宮内庁には住居表示はあるが地番はなく、京都大学本部も国立大学法人化されるまで地番がなかった(所在地は「京都市左京区吉田本町」)。この場合、最も近い「地番のついた」土地の番号を用いて「○○町××番地先国有無番地」とする。明治以来一貫して国有地である土地上の建物の所在(住所)は、すべて「国有無番地」である(例:国立館山海上技術学校の所在地は「館山市大賀無番地」)。番外地という表現も、国有地に地番が付されないことに起因するものである。
地番の表現
- 地番は、○○町××番という形式で表現される。
- (例) 山田市富士見町1234番
- 枝番がある場合、枝番を後ろに付ける。
- (例) 山田市富士見町1234番1
- 住居表示を実施していない地域の多くは地番を住所として扱うが、その際地番ではなく住所を表していることを示すため、××番地と表現する。
- (例) 山田市富士見町1234番地
- (例) 山田市富士見町1234番地1
※以前は番地と枝番の間を「の」で繋げていたが、現在は「の」を廃止した自治体が多い。
- (例)
- 山田市富士見町1234番地の1・・・旧来の表現方法[2]
- 山田市富士見町1234番地1・・・近年採用例の多い表現方法
- ^ 齊藤忠光「大字町丁目区域の成り立ちに関する考察」『地図』第37巻Supplement、日本地図学会、1999年、18-19頁、CRID 1390001204490414976、doi:10.11212/jjca1963.37.supplement_18、ISSN 0009-4897、2024年1月9日閲覧。
- ^ “住所の表示について”. 東京都府中市 (2017年11月17日). 2021年10月26日閲覧。
- ^ 調布市では町名地番制度を採用 調布市公式サイト、2002年4月24日、2020年1月27日閲覧。
- ^ 宮崎日日新聞「くらしの相談」(平成 30年 8月 27日)掲載 (PDF) 総務省、2022年3月15日閲覧。
- ^ 重複地番の解消作業を実施します(広島法務局からのお知らせ) 安芸高田市、2022年3月15日閲覧。
- ^ a b 山地番・耕地番に関する質疑応答集 山口地方法務局、2018年7月23日(2022年3月15日閲覧)。
- ^ 大阪府警、無関係の女性宅を捜索 地番重複で誤認 日本経済新聞社、2013年7月1日(2022年3月15日閲覧)。
地番と同じ種類の言葉
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