地番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/04 12:39 UTC 版)
地番整理
市街地や区画整理済みの住宅地域などでまとまった区域ごとに地番を付け直し、これに枝番を併用して土地の所有者区分を明確化させるという手段が執られることがある。これを地番整理という。
日本における地番整理は、道路や鉄道・河川などで囲まれた広範な土地区画(街区)ごとに地番を与え、さらに所有者区分ごとに枝番を付ける方法のものが主流である。その点で住居表示との類似性があるが、住居表示実施済みの地域とは異なり「登記上の地番区域表記と、一般的な住所表記との不統一が起こらない」という利点がある。
しかしその半面、地番整理導入地区には町名・地番の表示物(「住居表示に関する法律」における街区案内図・街区表示板・住居番号板の類)の設置義務がないため、地域によっては「市販地図などを参照しない限り、地域外の者がすぐに目的地へたどり着けない」といった問題を抱える。これを解消するため、住居番号板と同じ様式の地番・枝番表示板を自治体が独自に設置した例(愛媛県今治市)がある。
たとえば東京都調布市の場合は、市内のほぼ全域に地番整理を導入している(住居表示は未実施)[5]。一方で、前述の今治市や東京都新宿区・香川県高松市などのように、1つの自治体の中に、住居表示整備済みでありなおかつ地番整理を導入した地域と、住居表示整備済みであるが地番整理を行っていない地域が混在している所も多い。
地番の重複
上述のように、1つの地番区域では同じ地番が存在しないのが原則であるが、手続きの誤りで同一の地番が与えられている例がある[6]ほか、地域によっては同一の大字で耕地と山地のそれぞれに1から地番を振った例も存在する[7]。
耕地と山地に重複地番を振った場合、それぞれ耕地番、山地番と呼び分けられてきたが、登記事項のシステム化にあたっては「山/耕」の識別情報を付与せねばならず[8]、オンライン申請の障害となるばかりでなく、家宅捜索の際に重複した地番の無関係な住民に対して捜索を行ってしまう[9]など、各種のトラブルの原因ともなったことから、山地番に一定の値を足して重複しない番号とする形での解消が進められている[8]。
里道・水路
公図が作成された当時に、道・水路だった土地に対して、現在は「道」・「水」と表示される。
- ^ 齊藤忠光「大字町丁目区域の成り立ちに関する考察」『地図』第37巻Supplement、日本地図学会、1999年、18-19頁、CRID 1390001204490414976、doi:10.11212/jjca1963.37.supplement_18、ISSN 0009-4897、2024年1月9日閲覧。
- ^ 広報あおがしま 2024年3月号 p.2
- ^ 青ヶ島村「無番地」と土地登記
- ^ “住所の表示について”. 東京都府中市 (2017年11月17日). 2021年10月26日閲覧。
- ^ 調布市では町名地番制度を採用 調布市公式サイト、2002年4月24日、2020年1月27日閲覧。
- ^ 宮崎日日新聞「くらしの相談」(平成 30年 8月 27日)掲載 (PDF) 総務省、2022年3月15日閲覧。
- ^ 重複地番の解消作業を実施します(広島法務局からのお知らせ) 安芸高田市、2022年3月15日閲覧。
- ^ a b 山地番・耕地番に関する質疑応答集 山口地方法務局、2018年7月23日(2022年3月15日閲覧)。
- ^ 大阪府警、無関係の女性宅を捜索 地番重複で誤認 日本経済新聞社、2013年7月1日(2022年3月15日閲覧)。
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