六道絵 六道絵の概要

六道絵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 02:50 UTC 版)

最も著名な聖衆来迎寺本『六道絵』より、「阿鼻地獄」

概説

「六道輪廻図」、中華人民共和国西蔵自治区ラサ市セラ寺

六道絵の原形はインドにあり、アジャンター石窟群第17窟の「五趣生死輪」がその例とされる。この種の六道絵は西域を経て中国に達したと考えられている。西域ではトルファン近郊のベゼクリク千仏洞中華人民共和国新疆ウイグル自治区)の壁画中に「六道輪廻図」がある[1]

日本では浄土教が広まった平安時代以降、大衆教化の役割を兼ねて多数制作された[2]

源信の『往生要集』(985年)は、仏教信仰の面のみならず、日本の文学や造形芸術にも多大な影響を与え、同書の「厭離穢土」(おんりえど)の記述に基づく六道絵が制作されるようになった。平安時代の作例は記録のうえでは多数みられるが、現存するものは少ない。鎌倉時代になると滋賀・聖衆来迎寺の『六道絵』(15幅)は『往生要集』「厭離穢土」に基づく絵画作品として著名である。承久本『北野天神縁起絵巻』(北野天満宮蔵)には僧・日蔵の六道巡りの説話が絵画化されている。鎌倉時代の六道絵には、六道の描写に加えて、目蓮救母説話のような地獄救済説話や、地蔵十王図を組み合わせたものがみられる。京都・禅林寺の『十界図』(2幅)、兵庫・極楽寺の『六道図』(3幅)などはその例である。室町時代には十界(六道に声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界を加えたもの)と当麻曼荼羅信仰が融合した當麻寺奥院の『十界図』(六曲屏風一双)のような作品もつくられた[3][4]

作例

「餓鬼草紙」の一場面

脚注




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