メイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 09:58 UTC 版)
日本の文化におけるメイド
およそ1990年代後半以降、メイドは「メイド萌え」の対象として語られるようにもなった。この場合、メイドとして通常想定されるのは、妙齢の女性または少女であり、その服装は多くの場合典型的なエプロンドレス、いわゆるメイド服である。メイド[8]やメイド服[9]は萌え要素(萌え属性)のひとつとなっている。
漫画やアニメ、ゲームソフト(とりわけアダルトゲーム(エロゲー))、コスプレの題材として取り上げられることも多い。また、作品内において、「血縁関係のない女性」を側に置く手法としても用いられる。雇い主を呼ぶときは、大抵男性なら「御主人様」か「旦那様」、女性なら「お嬢様」、性別が関係無い物では「(雇い主の名前)様」である。
「主人に対して絶対の忠誠を誓う」等、本来のメイドとはかけ離れた特徴を持っている事が多い。
2000年代中頃からはメイド萌えの客層向けに特化した、いわゆる「メイド喫茶」が各地にオープンしている。
メイドによる犯罪
メイドは住み込みで働くという性質上、雇用主の財産に対する窃盗や横領が起きることが珍しくなく、雇用主を殺害した事件も多い。
雇用主による性的搾取が問題になることも多くサラ・バラバガンの事件ではメイドが雇用主を殺害したことについて殺人か強姦に対する正当防衛であるか裁判で争われた。リザナ・ナシカ事件のように過失致死か殺人事件か争われて殺人罪で死刑になった事例もある。
アラブ首長国連邦やサウジアラビアなどのアラブ諸国では、メイドによる犯罪を予防するためにパスポートを取り上げることが法的に認められているが、それでも雇用主の下から逃亡するメイドは珍しくない。
イギリスでは、メイドによる窃盗や殺人は古くから横行しており、タイバーンの木に吊されたメイドも多い。イギリスで3例しか実施例がない毒殺犯に科される釜ゆで刑の死刑囚のうち、2人は主人を毒殺したメイドだった。
関連作品
メイドを主なテーマとする比較的最近の漫画作品には、以下の例がある。
- 『まほろまてぃっく』(中山文十郎・ぢたま(某)、1998年-2004年)
- 『花右京メイド隊』(もりしげ、1999年-2006年)
- 『スーパーメイドちるみさん』(師走冬子、2000年-)
- 『ぷぎゅる』(コンノトヒロ、2001年-2008年)
- 『エマ』(森薫、2002年-2008年)
- 『これが私の御主人様』(まっつー・椿あす、2002年-)
- 『HAND MAID メイ』
- 『天使のしっぽ』
- 『鋼鉄天使くるみ』(介錯、1997年-2004年)
- 『仮面のメイドガイ』
- 『小公女セーラ』
- 『メイドをねらえ! 〜中林校長の野望〜』(まっつー・椿あす、2006年-2007年)
- 『マジカノ』(百瀬武昭、2003年-2008年)
- 『Under the Rose』(船戸明里)
- 『ろりぽ∞』(仏さんじょ)
- 『会長はメイド様!』(藤原ヒロ)
- 『こはるびより』(みづきたけひと)
- 『わたしのお嬢様』(樹るう)
- 『家政婦のミツコさん』(艶々)
- 『メイドですから!』(ヒイラギシンジ、2011年-)
また永野護『ファイブスター物語』の番外編「プロムナード」第2話にて、本来の英国式メイドの服装・習慣に関する詳細な描写がある。
小説では
コンピュータゲーム単体では
- 『THE メイド服と機関銃』(SIMPLEシリーズ)
- 『ドリル少女スパイラル・なみ』
- 『フロレアール~すきすきだいすき~』
など。
脚注
- ^ 新井 潤美『執事とメイドの裏表 ─ イギリス文化における使用人』白水社、2011年11月22日、27頁。ISBN 9784560081792。
- ^ 『フィリピン人メイドの個人雇用を全面禁止!それでも雇いたい理由は?』2007年10月31日付配信 Record China
- ^ “シンガポール人の女、メイド虐待し殺害 死亡時の体重24キロ”. AFP (2021年2月24日). 2023年5月24日閲覧。
- ^ “【摘発】 違法滞在労働者の取り締まり サウジアラビアが再開”. フィリピン・インサイドニュース (フィリピン・インサイドニュース). (2013年11月5日) 2013年11月10日閲覧。
- ^ “クウェート:救済の道閉ざされた家事労働者たち 虐待のはてに 虐待や人権侵害からの保護 不十分” (2010年10月6日). 2017年9月29日閲覧。
- ^ “フィリピン人家政婦、サウジで漂白剤飲まされ「深刻な状態」”. AFP (2018年4月17日). 2018年4月18日閲覧。
- ^ この漫画は『サザエさん』が、筆者の健康上の理由で休載されていた間、連載されていた。
- ^ 本田透『萌える男』筑摩書房〈ちくま新書〉、2005年11月7日、140頁。ISBN 978-4480062710。
- ^ 東浩紀『動物化するポストモダン』講談社、2001年11月20日、66頁。ISBN 978-4061495753
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