マラヤーラム文字 マラヤーラム文字の概要

マラヤーラム文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/12 06:39 UTC 版)

マラヤーラム文字
類型: アブギダ
言語: マラヤーラム語
時期: 11~12世紀頃から
親の文字体系:
姉妹の文字体系: トゥル文字英語版
シンハラ文字
タミル文字
Unicode範囲: U+0D00-U+0D7F
ISO 15924 コード: Mlym
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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現在のアルファベットは、マラヤーラム語本来の音素とサンスクリットの音素の両方について、グランタ文字を基礎としているが、そこにないഴ, റなどはヴァッテルットゥから取られた可能性がある。ヴァッテルットゥの影響か歴史的な筆記媒体の制約のためか、角張った部分の少ない曲線的な字形が多い。マラヤーラム語はサンスクリットから強い影響を受けた言語で、結果的にデーヴァナーガリーの基本文字に対応する全文字を持っている(ただしr̥̄に対応する文字などは現代では事実上消滅)。そのため文字数は、言語的に姉妹のはずのタミル語の文字数と比べ、かなり多くなっている。ただしタミル文字が特に文字数が少ないだけで、マラヤーラム文字が異様に多い訳ではない。また文字の約半分は主にサンスクリット系の雅語を書くときにだけ必要になるもので、それらの語彙の中には日常語化しているものも若干あるとはいえ、概して日常一般に常用される文字は文字表を眺めて感じるほど多くない。もっとも他方において、基本字母表にはない合字が数十種程度(伝統的正書法ではさらに多数)常用される。

マラヤーラム文字はアブギダで、左から右へ書かれる。子音文字はデフォルトで短い a の母音(正確な発音は [ɐ] だが、以下簡略化のため /a/ で示す)を伴い、そのままの状態で「子音 + a」の音節を表す。この場合、母音記号は必要ない。母音が短い a 以外の「子音 + 母音」の音節を表す場合は、母音記号が併用される。36種の子音文字と13種(現在使われない物も含めれば16種)の母音文字、そのほか若干の記号が文字体系に含まれる。

マラヤーラム文字は半体符号や子音結合字などが複雑に絡み合って形成されるために「わかりにくい文字体系」と評される[3]。たとえば、 /ka/、 //、 /r/ という文字を使って /kka/ 、/ṅka/、/kra/ という組み合わせを作る場合、字形はそれぞれ ക്ക, ങ്ക, ക്ര というようになる。


  1. ^ Thunchathu Ezhuthachan”. Information & Public Relations Department, Government of Kerala. 2009年10月29日閲覧。
  2. ^ Malayalam Script Details” (PDF). विश्वभारत @ tdil. Department of Information Technology, Government of India (2002年4月). 2009年9月24日閲覧。
  3. ^ 世界の文字研究会 編 『世界の文字の図典』(普及版)吉川弘文館、2009年、271頁。ISBN 978-4-642-01451-9 


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