ファイナルファンタジーIX
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世界
本作の世界は、宇宙を漂いながら他の世界を乗っ取ることによって繁栄してきたテラ(Terra)が、文明の規模が小さいガイア(Gaia)を取り込むのに失敗してできた世界である。本来テラはもっと文明の小さい、それこそできて間もない世界をターゲットとしてその世界を乗っ取るのだが、対象となる世界がなかったためやむなくガイアを選んだ。その影響は、いくつかのテラに関する施設がガイアに存在することや、現在のガイアが2つの月(本来のガイアの物とテラの物)を持っていることなどに顕れている。なお、テラはガイアの内部に取り込まれており本来のテラの輝きは赤だが、ガイアの影響により青い輝きになっている。
ガイアやテラはそれぞれ自らの世界の核としてクリスタルを持ち、それは死者の魂に刻まれた記憶を取り込んで成長していく(『FFV』までのクリスタルと違い、クリスタル自体は属性を持たない)。魂の循環の中でクリスタルが取り込む記憶が少なくなればその世界の成長は鈍り、いずれ世界そのものが消滅していく。テラは幾度となくこの状態に陥ったが、そのたびにできて間もない他の世界のクリスタルを乗っ取ることにより世界を維持してきた。テラの管理者であるガーランドがガイアを乗っ取るのに失敗した際、ガイアの復興を早めるためにテラに存在する魔法樹イーファの根をガイアの地上に送り、後にそれは2重となった魂の循環を分離する役目を担うようになった。これは彼の本来の目的であるクリスタルと世界の乗っ取りのために使用された。また、その過程で彼は魂そのものが生物に与える影響を知り、これをそのまま地表に送り込むことで戦乱を誘発させた。これにより魂の循環を意図的に発生させ、テラに属する魂を集めるようになった。その結果ある大陸は霧に覆われるようになる。
地理
本作の世界であるガイアは、主に4つの大陸からなる。また、テラはその一部を地表に残した状態で、ガイアの裏の世界として存在している。
霧の大陸
ガイアに存在する4つの大陸のうち、もっとも文明が発達しているのがこの大陸である。ガーランドが魂をむき出しのまま地表に送り込むことにより闘争心を誘発され、かつて存在していた統一王国は滅び現在は以下の3つの国が存在する。物語序盤の中心となる大陸で、この大陸以外は未開の地とされている。
- アレクサンドリア王国
- 霧の大陸北東部に位置する王国。ブラネが治める女王の国であり、次期の王位継承者も女性である。主力軍隊は女性のみであり将軍も女性であることから、王城内での女性の地位の高さがうかがえる。加えて男性隊である「プルート隊」のうだつの上がらなさもあり、男性の地位はことごとく低い。亡きブラネの夫がアレクサンドリア王であったとの記述と、ブラネが16歳で結婚し女王に即位したとの記述があり[16]、王位の継承形態についてははっきりしない点もある。アレクサンドリア軍式の敬礼は『FFXI』に登場するサンドリア王国の敬礼にも使われている。
- リンドブルム公国
- 霧の大陸南西部に位置する公国。大公シド9世が治める。3国の中でもっとも機械文明が発達している。大陸に立ちこめた霧を利用した動力機関を発明し、アレクサンドリアとブルメシアの戦乱に介入、これを鎮めた。国民の祖先は狩猟民族であり、街のイベント「狩猟祭」は当時の名残である。建国の祖は冒険王の異名を取った。
- ブルメシア王国
- 霧の大陸北西部に位置するネズミ族の王国。首都ブルメシアは「青の王都」の異名を持つ。ギザマルークと呼ばれる怪物を称えているが、民にとってどのような存在であるかは特に語られていない。かつて別れた国民が移り住んだ土地が、砂の竜巻で覆われた街「クレイラ」である。物語序盤に壊滅する。
この他にも幾つかの村や町が存在している。
- ダリ
- 山の中腹にある穏やかな村。かつては農地として栄えていたが、ブラネの命令により密かに村の地下施設で黒魔導師の生産を行っている。村の裏手には物見山がある。
- トレノ
- 一年中が夜の街。治安はあまり良くないが、多くの富豪が生活している。オークション会場やカードゲームスタジアムといった施設があり、街は賑わっている。街から少し離れたところにクワン洞という洞窟がある。
- ク族の沼
- ク族の末裔が生活している沼。外側の大陸に通じる地下道がある。霧の大陸以外にも、ガイアには4ヶ所のク族の沼が存在する。
- チョコボの森
- モーグリの「メネ」とチョコボの「チョコ」が暮らしている森。「ここほれ!チョコボ」の拠点となる。
外側の大陸
霧の大陸の北に位置する大陸。イーファの根はこの大陸の西に出ている。その他、以下に挙げる集落などが存在する。
- コンデヤ・パタ
- ドワーフたちが住む村。少し変わった風習がある。Disc4では行けなくなっている。
- 黒魔道士の村
- ひょんなことから心を持った黒魔道士達が隠れ住む村。枯れた森の奥に存在する。後にテラから避難したミコトらジェノムを受け入れ共存することになる。
- マダイン・サリ
- かつて召喚士たちがすんでいた村。召喚獣の力を危惧したガーランドに滅ぼされたが、現在もその末裔であるエーコが仲間のモーグリたちとともに、ひっそりと暮らしている。ガーネットの故郷でもある。
- デザートエンプレス
- 本来テラに存在する施設。流砂の中に存在している。クジャがアジトとして用いていた。
- モグネット本部
- 外側の大陸の北に浮かぶ島に存在する。手紙配達の拠点。
忘れ去られた大陸
霧の大陸から見て西にある大陸。その大半が荒涼とした大地である。以下に挙げるテラの施設があるほか、南西の小島には大図書館“ダゲレオ”が存在する。
- ウイユヴェール
- 忘れ去られた大陸南部にある遺跡。内部では一切の魔法が使用できない。また自分の姿をコピーした敵を生み出すモンスターも存在するため、クジャ自身では手が出せない状況だった。グルグストーンと呼ばれるテラのアイテムが保管されている。Disc4では行けなくなっている。
- イプセンの古城
- 忘れ去られた大陸北西部にある、逆立ちしたような奇妙な古城。伝説の冒険家・イプセンが訪れたことから、こう呼ばれている。テラへ行くために必要な4枚の鏡がある。内部は特殊なモンスターで満たされており、威力の高い武器よりも弱い武器のほうがダメージを与えられる。
- ダゲレオ
- セイクロブレス島にある、隠者の書庫と呼ばれる巨大な図書館。
- チョコボの入り江
- 霧の大陸のチョコボの森と同様、「ここほれ!チョコボ」を行える場所。
閉ざされた大陸
霧の大陸から見て北西にある、雪に覆われた大陸。中央よりやや南に位置する“エスト・ガザ”の地下にはテラの施設“グルグ火山”があるほか、エスト・ガザの南にはガイアとテラを結ぶ扉である輝く島が存在する。
- エスト・ガザ
- 山の麓にある神殿。輝く島にあると言われる「魂の道」を崇めている。
- グルグ火山
- エスト・ガザの裏手から繋がっている火山。普段は入口の扉は閉ざされている。内部には召喚獣を摘出する装置があり、クジャはここでエーコから召喚獣を奪うため入り口の封印を解くグルグストーンを求めていた。
- 輝く島
- テラとガイアを結ぶゲートとなる小さな孤島。ジタンたちが封印を解いたことで機能を復活させ一行をテラへと導いた。テラから帰還後にこの場所をチョコボで掘るとジタンの最強武器が手に入る。
その他の場所
- チョコボの桃源郷
- ワールドマップの端にあるファオリバス島に存在する。
- チョコボの空中庭園
- ガイアの各地に点在する、空に浮かぶ庭園。その都度、空中を移動している。ここでも「ここほれ!チョコボ」が行える。
種族・生き物
『FFIX』の世界には人間の他に、様々な特徴を持つ多様な種族や生き物が登場する。この世界においては、どの種族も共通の言語を使い、また異種族を異種族だと区別することはまれで、多くの地でこれらの種族が見事なまでの共存を果たしており、独自の暖かい世界観をかもし出している。
- 黒魔道士(Black Mage)
- 黒魔法の使い手。ダリの地下施設にて、クジャの力添えによって造られた魔導機関を利用して、霧を取り込んで製造されている。アレクサンドリアにより人型の兵器として利用される。もともと自我は持たない存在だったが、ビビのように自我を獲得したものは外側の大陸にて独自の村落(黒魔導士の村)を形成した。ドワーフ達からは「クロマ族」と呼ばれており、交流も持っている。一定期間しか動けないようにリミッター(寿命)が設けられているが、生死についての理解がなく、死というものを受け止められていない。なお、黒のワルツたちはこの黒魔導士を改良し高い戦闘力と自我を持たせた存在である。
- 主なキャラクター:ビビ、黒のワルツ
- 召喚士(Summoner)
- 召喚獣を呼ぶことのできる種族。生まれつき角があることを特徴とする。かつてはマダイン・サリに集落を形成していたが、召喚士の力を恐れたガーランドによって破壊されてしまう。角は切り落とされると再生しない。
- 主なキャラクター:ガーネット、エーコ
- ネズミ族
- ブルメシアとクレイラを中心に住む身軽な種族。ブルメシアの民とも呼ばれる。適応能力は高いらしく、ブルメシアとクレイラ壊滅後は様々な場所に点在する。
- 主なキャラクター:フライヤ、フラットレイ、パック
- ク族(Qu)
- 食の道を求める謎多き種族。ク族の沼を拠点に生活している。寿命が長く、性別の区別はない。舌が非常に長く、コック帽のようなものを被っているなど、不思議な容姿をしている。好き嫌いはないようだが、特にカエルが大好物。どんなものでも食べることが出来るが、味覚は持ち合わせており、美味しくなかったら「まずいアルね」と言っている。
- 主なキャラクター:クイナ、クエール、クワン
- ドワーフ(Dwarf)
- コンデヤ・パタに住む種族。神道風の文化を持ち、個人名も和風。挨拶は「ラリホッ」(FFシリーズのドワーフに共通する挨拶)。いわゆる田舎口調で話す。黒魔道士達を普通の生き物として認識しており、クロマ族と呼んでいる。聖地に行くには夫婦が婚姻を結ぶ必要があり、ここでジタンとガーネットは(疑似的に)夫婦となった。追加イベントではビビとクイナも夫婦になっている。
- ジェノム(Genome)
- ガーランドがテラで作り出した、本来は魂を持たない人造人間。中にはクジャのように意思を獲得するものもいる。黒魔道士とは対をなす存在。黒魔道士とは違い、特に寿命(稼働可能年数)が設定されている訳ではないらしいが、クジャやガーランドのように寿命を意図的に設定されていた個体もいる。寿命が決められていない者は恐らくはガイアの人々と同じ位の寿命を持つ模様。ジェノムは生まれた時から肉体が成長しないが、例外としてジタンとミコトは成長の余地を残すため幼子から育ち意志も持っている。尻尾が生えているが元々黒豹の尻尾だったものを、見づらいので黄色に変更したらしい。大元となった種族は猫。
- 主なキャラクター:ジタン、クジャ、ミコト、ガーランド
- モーグリ(Moogle)
- 全世界の広範囲に住む妖精。ジタン達を様々にサポートする。人間と同じ言葉を話す。モグネットとよばれる独自の文通ネットワークを展開しており、世界各地でセーブポイントとしての役割も果たしている。また、旅をしながら格安でアイテムを譲ってくれる者もいたり、召喚士が住んでいる村でエーコと共に暮らしている者などが確認されている。クポの実が好物。例外としてエーコと共にいる「モグ」はかつての召喚士たちが具現化させた召喚獣であるためモーグリではない。
- 主なキャラクター:スティルツキン、アルテミシオン、メネ
- チョコボ(Chocobo)
- 大型の鳥。チョコというチョコボがジタン達とともに旅をする。チョコボの楽園を目指すという使命を持つ旅チョコボでもある。モーグリと違い、言葉は話せないが、チョコボ同士では会話が出来る。成長により、色や能力が変わっていく。ギサールの野菜が好物。最後まで育ち切ると最強の隠しボスと戦うことが可能になる。
- 主なキャラクター:チョコ、デブチョコボ
- ブリ虫
- 頭がドクロになっている虫。見た目や野菜を食い荒らすなどほとんどの人から嫌悪されている害虫。
注釈
- ^ そのため、作中において罵られる時に「猿」と呼ばれることがある。
出典
- ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、195頁。ISBN 978-4-902346-47-3。
- ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、187頁。ISBN 978-4-902346-47-3。
- ^ スクエニ、「ファイナルファンタジーIX」、「ゲームアーカイブス」で配信決定! 和田社長がTwitterでつぶやく,GAME Watch,2010年4月2日
- ^ a b “古きよき『FF』の集大成!スマホ版『ファイナルファンタジーIX』を遊んでみた”. ファミ通app (2016年2月17日). 2018年6月26日閲覧。
- ^ “『FF』シリーズの作品がセットになった『ファイナルファンタジー 25th アニバーサリー アルティメットボックス』発表”. ファミ通.com (2012年8月31日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ 【速報】ジタンやビビにまた会える! 『FFIX』がスマホ&PC版向けで近日配信決定
- ^ 【速報】スクエニ、スマホ版『ファイナルファンタジーIX』を配信開始!! 2月21日まで20%オフの2,000円で販売 名作RPGの第9作目を体験しよう,Social Game Info,2016年2月10日
- ^ “PS4版/クラウド版『ファイナルファンタジーIX』公式リリースが到着 20%OFFキャンペーンも開始”. ファミ通.com (2017年9月19日). 2018年9月21日閲覧。
- ^ “『ワールド オブ FF』のパワーアップ版や『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ新作が発売決定”. 電撃オンライン (2018年9月14日). 2018年9月21日閲覧。
- ^ Nintendo Switch版「FFIX」が本日配信&「FFVII」は3月26日に発売。さらに「チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!」のあらかじめDLもスタート,4Gamer.net,2019年2月14日
- ^ a b 『電撃PlayStation Vol.151』メディアワークス、2000年8月11・25日 合併号、9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,頁。
- ^ “『FF9』が発売20周年。原点回帰を掲げた重いテーマで生きる意味を教えてくれた【今日は何の日?】”. ファミ通.com (2020年7月7日). 2022年12月26日閲覧。
- ^ 電撃PlayStation Vol.156より
- ^ 電撃PlayStation Vol.143. メディアワークス. (2000年5月12・26日 合併号). pp. 13,14,
- ^ 『ファイナルファンタジー 20th アニバーサリー アルティマニア』より
- ^ 『FINAL FANTASY IX ULTIMANIA』より
- ^ スクウェア、2001年にeコマースに参入 FINAL FANTASY IX、X、XI一挙公開、XIはオンラインゲームに!(PC Watch, 2000年1月31日)
- ^ スクウェアがネットに本腰 「FF11」はオンラインゲームに(SOFTBANK GAMES NEWS, 2000年1月29日)
- ^ スクウェアミレニアム〈アーカイブ〉(めっつぉ:スクエニ&ガジェットニュース)
- ^ FINAL FANTASY IX Original Soundtrack | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
- ^ FINAL FANTASY IX Original Soundtrack PLUS | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
- ^ Piano Collections FINAL FANTASY IX | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
- ^ FINAL FANTASY IX CHIPS | LINE UP | SQUARE ENIX MUSIC | SQUARE ENIX
- ^ FINAL FANTASY IX ORIGINAL SOUNDTRACK REVIVAL DISC 【映像付サントラ/Blu-ray Disc Music】|スクウェア・エニックス e-STORE | スクウェア・エニックス e-STORE
- ^ “ファイナルファンタジーIX:人気ゲームがアニメ化 子供、家族向けに制作”. MANTANWEB (MANTAN). (2021年6月22日) 2021年6月22日閲覧。
固有名詞の分類
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