バシ バシの概要

バシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/11 16:51 UTC 版)

概要

バシは、ルソン島北部でイロカノ族英語版によって作られ、特にラウニオン州ナギリアン英語版などが産地として有名である[2][1]17世紀初頭には既に存在し、イロカノ族の結婚式にはなくてはならないと現代でも言われている[2][1]

製法

サトウキビをローラーで搾汁し、軽く濃縮させてから容量80Lほどの土器の壺に入れる[2]樹皮を加える場合は、ここでサマック英語版ドゥハット英語版タンガル英語版などの樹皮を入れる[1]。これに餅麹のブボットと板状の米飯(約4.5kg)を加え、1週間ほど発酵させる[2]。発泡が止まったら蓋をし、粘土で封をして1ヶ月ほどかけて熟成させ、最終的にアルコール度数は8 - 10%になる[2]。1年間かけて熟成させるケースもある[1]

樹皮の添加の有無は地域などによって異なるが、樹皮を加えると熱帯フィリピンでも醸造中に変敗せず発酵がスムーズに進行する事が経験的に知られている[1]。タンガルなどの樹皮には多量のポリフェノール成分が含まれており、これが変敗の原因となる乳酸菌や酢酸菌の生育を阻害するためと見られる[3]。1年以上の長期熟成が可能なのも、この効果による[3]。これに加えて、樹皮によって酵母の生育を促進するものもある[3]。また、樹皮を加えると赤褐色を呈するほか、清澄度が高まるといった効果もある[4]

バシに樹皮を加えると、ポリフェノールが1.2g/Lほど溶出して渋味が加わる[1]。バシは甘味が非常に強いため、この渋味の存在によって飲みやすくなる[4]。なお、樹皮を加えない場合は飲む際に胆汁レバーを加え、苦味を付ける事もある[2]

参考文献




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