テンジクアオイ属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/04 06:11 UTC 版)
テンジクアオイ属 | ||||||||||||||||||
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ニオイテンジクアオイ(Pelargonium graveolens)
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Pelargonium L'Hér. ex Aiton | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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属名の由来
ギリシャ語の「こうのとり(pelargo)」に由来し、果実に錐状の突起があり、こうのとりのくちばしに似ているためである。あまり使われないようではあるが「stork's bill(こうのとりのくちばし)」という英名がある。
性状
多年草や半低木のものが多いが、一年草もある。また、多肉植物や匍匐性、蔓性になるものがある。約230種が知られており、種の大部分は亜熱帯、熱帯に分布し、半耐寒性のものが多い。葉は普通対生または螺旋状につき、単葉で、掌状もしくは羽状の切れ込みや鋸歯のあるものが多く、無毛のものと有毛のものがあり、強いにおいのあるものが多い。花は直立した茎の先につき、5枚の花弁があり、がくも5裂する。花の色は、赤・ピンク・白・藤色・紫・オレンジ色・サーモンピンクなどがあり、絞りや覆輪・星形模様などの複色花もある。一部八重咲きの品種もある。 ほとんどの園芸種は、南アフリカ原産のいくつかの原種の交配によって作成されたもので、約20の種から数千の品種が作られている。ヨーロッパにはプラントハンターのフランシス・マッソンにより18世紀に南アフリカから持ち込まれた。
呼称について
普通、園芸植物として栽培されるものはゼラニウムと総称されるが、紛らわしいことに、ゼラニウムとは同じ科のゲンノショウコなどが含まれるフウロソウ属 (Geranium) のことでもある。この2つの属に属する植物は元は Geranium 属にまとめられていたが、1789年に多肉質の Pelargonium 属を分離した。園芸植物として栽培されていたテンジクアオイ類はこのときに Pelargonium 属に入ったのであるが、古くから Geranium (ゼラニウム、ゲラニウム)の名で親しまれてきたために、園芸名としてはゼラニウムの呼び名が残ったのである。園芸店などでも、本属植物の一部をラテン名で ペラルゴニウム (Pelargonium) で呼び、その一方で本属植物の一部を「ゼラニウム」と呼んでいることがあり、これらは同じ属に属する植物であるにもかかわらず(主に園芸面では)全然別の植物のような印象を与えるような呼称が使われている。ペラルゴニウムとゼラニウムを意識的に区別している場合は、ペラルゴニウム属のうち一季咲きのものをペラルゴニウム、四季咲きのものをゼラニウムとしているようである。
最初に栽培されたのは南アフリカ原産の Pelargonium triste である。
バラを思わせる芳香を持つPelargonium graveolens は、ゼラニウム、ローズゼラニウム、貧乏人のバラ(英語:poor-man's rose)と呼ばれ、和名は「匂い天竺葵」。香水や香料の原料として昔から栽培されていた。
系統
園芸では、次の四つの系統に頒けている。
- ゼラニウム: 一般にゼラニウムと呼ぶのは、四季咲き性のもので、日本で栽培されているのは大半はこの系統である。花色などのバリエーションが多い。
- ペラルゴニウム: 一般にゼラニウムより高性で、初夏から夏にかけて開花する。欧米では花壇用に栽培されているが、日本にはあまり出回っていない。
- アイヴィ・ゼラニウム: つた葉のゼラニウムで、半蔓性になる。
- センテッド・ゼラニウム: scented geranium りんご・みかん・ばらなどの香りがある系統で、近年ハーブとして愛好者が増えている。
- ^ a b c マリア・リス・バルチン 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子・松村康生監訳、フレグランスジャーナル社、2011年。ISBN 978-4894792005。
- 1 テンジクアオイ属とは
- 2 テンジクアオイ属の概要
- 3 利用
- 4 参考文献
固有名詞の分類
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