ズッキーニ ズッキーニの概要

ズッキーニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 14:21 UTC 版)

ズッキーニ
ズッキーニの実
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: ウリ目 Cucurbitales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: カボチャ属 Cucurbita
: ペポカボチャ Cucurbita pepo
品種 : ズッキーニ
学名
Cucurbita pepo L. 'Melopepo' (1947)[1]
和名
ウリカボチャ
英名
Zucchini
Courgette

名称

名称は様々で、イタリア語zucchina(ズッキーナ)[2]、南米ではzapallo italiano(サパージョ イタリアーノ)、アメリカオーストラリア英語では zucchini(ズキーニ)、イギリス英語やフランス語では courgette(カージェット、クルジェット)[2]、 またアメリカ合衆国ではズッキーニや近似種をまとめて summer squash と呼んでいる。スカッシュ (squash) とはカボチャ属の実のことで、カボチャのような秋冬が旬のものは winter squash と呼ばれる。日本ではズッキーニで呼ばれることが多いが、和名ウリカボチャ[1]で、カボチャの仲間でありながらつる(蔓)が長く伸びないため「蔓なしカボチャ」(蔓無南瓜)の異名もある[3][4]

歴史

原産地は北アメリカ南部のアメリカテキサス州)からメキシコといわれる[5]。ヨーロッパには植民活動により16世紀ごろにアメリカから持ち込まれ[4]、特に南フランスからイタリアにかけて普及し、その後逆輸入の形でアメリカにも広まった[6]。細長い形状の果実は19世紀後半のイタリアで、選抜して改良されたものである[4]。本格的に普及が開始したのは20世紀に入ってからであった。イギリスでは1930年代に入っても料理の書物にあまり名前が挙げられることはなく、イギリスの料理研究家、エリザベス・デイビッドが紹介したことによって、1950年代から1960年代にかけてようやく料理の素材として人気を博するようになった。日本には、イタリア料理がブームになった1970年代後半ごろ(昭和50年代初め)にアメリカから輸入されたのが始まりで、一般的に出回るようになった[6][5]

形態・生態

つる性の一年草[6]。つるは短く、一般的なカボチャでは親づる・小づる・孫づるが数メートル (m) も伸びるが、ズッキーニではあまり分枝せず親づるだけが伸長し、親づるの上に果実がつく[6]。親づるの長さは1.5 - 2 mになり、一株あたりで収穫できる果実は10 - 30本程度である[6]は大きく、葉身は深い切れ込みと表面に斑が入り、葉柄が長い[6]。茎や葉には棘があり、株全体が横へはう性質をもち、花茎を伸ばして黄色いを咲かせる[3]。雌雄異花のため、受粉には昆虫や人の花粉媒介を必要とする[3]

未成熟の果実および花は食用となり、は夏(6 - 8月)[4]。果実は開花後3 - 5日の長さ20 cmほどの未熟果を収穫する[6]。果実の姿はキュウリ、食感はナスにも似ているが、ペポカボチャの仲間であるベジタブルマロー系の一種である[6][5][4][2]。果実の表面は滑らかで光沢があり、緑色もしくは黄色で、筋状の斑が見られる場合もある[6]


  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cucurbita pepo L. 'Melopepo' ズッキーニ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年6月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 講談社編 2013, p. 74.
  3. ^ a b c d e f g h ズッキーニ(ウリカボチャ)- 夏が旬の、糖尿病、ダイエットに果実と花を食べる野菜”. 漢方薬のきぐすり.com. 二階堂先生の「食べ物は薬」. 栃本天海堂. 2022年6月5日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 74.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 主婦の友社編 2011, p. 86.
  6. ^ a b c d e f g h i j 農文協編 2004, p. 173.
  7. ^ a b c d e f 主婦の友社編 2011, p. 87.
  8. ^ a b c d e f 農文協編 2004, p. 174.
  9. ^ a b c d e 農文協編 2004, p. 175.
  10. ^ 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 75.
  11. ^ 美味しいヨーロッパ アウトバウンド促進協議会、2021年12月13日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h 主婦の友社編 2011, p. 89.
  13. ^ a b c d e f g 農文協編 2004, p. 176.
  14. ^ a b c 農文協編 2004, p. 177.
  15. ^ 【家庭菜園のプロ監修】失敗しない!ズッキーニの育て方|人工授粉の方法も | AGRI PICK”. 農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK]. 2021年3月14日閲覧。
  16. ^ 吉岡直樹, 野村素行「ズッキーニによる有症苦情事例の原因物質の解明」(PDF)『兵庫県立健康生活科学研究所健康科学研究センター研究報告』第9号、兵庫県立健康生活科学研究所健康科学研究センター、2018年、2022年12月21日閲覧 


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