アンリ4世 (フランス王) 家系

アンリ4世 (フランス王)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 23:00 UTC 版)

家系

アントワーヌ・ド・ブルボン
ジャンヌ・ダルブレ
アンリ4世の先祖3世代
フランス王およびナバラ王
アンリ4世

父:
ナバラ王およびヴァンドーム公
アントワーヌ・ド・ブルボン
父方祖父:
ヴァンドーム公
シャルル・ド・ブルボン
父方曽祖父:
ヴァンドーム伯
フランソワ・ド・ブルボン
父方曽祖母:
マリー・ド・リュクサンブール
父方祖母:
フランソワーズ・ダランソン
父方曽祖父:
アランソン公
ルネ・ダランソン
父方曽祖母:
マルグリット・ド・ロレーヌ
母:
ナバラ女王
フアナ3世
(ジャンヌ・ダルブレ)
母方祖父:
ナバラ王
エンリケ2世
(アンリ・ダルブレ)
母方曽祖父:
ナバラ王
フアン3世
(ジャン・ダルブレ)
母方曽祖母:
ナバラ女王
カタリナ
(カトリーヌ・ド・フォワ)
母方祖母:
マルグリット・ド・ナヴァール
母方曽祖父:
アングレーム伯
シャルル・ドルレアン
母方曽祖母:
ルイーズ・ド・サヴォワ

母方の祖母マルグリット・ド・ナヴァールフランソワ1世の姉であり、アンリ4世はヴァロワ朝末期の3人の王(フランソワ2世シャルル9世アンリ3世)および最初の妃マルグリット・ド・ヴァロワの又従兄弟に当たる(そのため妃マルグリットとは婚姻の無効が成立しえた)。ただし、王位継承権自体は直接にはこの血縁および婚姻関係でなくサリカ法に基づき、カペー家の男系支流であるブルボン家の家長であったことによるものである。ブルボン家の祖であるクレルモン伯ロベールは、ルイ9世の六男、フィリップ3世の末弟で、アンリ4世から9世代さかのぼる、約300年前の人物である。

一方、ナバラ王位は女系継承が認められており、母ジャンヌ・ダルブレの死によりアンリ4世が継承することになった。以後、ブルボン朝の歴代フランス王はナバラ王を兼位し、「フランスとナバラの王」を称した。ナバラ王の血筋を遡ると、同様にフランスとナバラの王を兼ねたカペー朝末期のルイ10世に至る。ただし、曽祖母カタリナの時代にナバラ王国は大部分がスペインに併合されており(スペイン側でも歴代スペイン王がナバラ王の称号を用いている)、ルイ10世の時代より領土は大幅に縮小している。

なお、祖母マルグリットはナバラ王アンリ・ダルブレとは再婚であり、最初の夫アランソン公シャルル4世はアンリ4世の父方の祖母フランソワーズ・ダランソンの兄であった。シャルル4世とフランソワーズの家系アランソン家は王位継承権を持つヴァロワ家の有力な支流であったが、シャルル4世の死により断絶していた。

ヴァンドーム公アントワーヌの家系はブルボン=ヴァンドーム家といい、元来ブルボン家でも傍系であったが、祖父シャルルの時代に本流が断絶したためブルボン家家長となり、ヴァロワ家断絶後のフランス王位継承権を得ることになった。また、カトリーヌ・ド・メディシスの母方の祖母ジャンヌ・ド・ブルボン=ヴァンドームはシャルルの父ヴァンドーム伯フランソワの姉であった。さらに、シャルルの妹アントワネットギーズ公クロードに嫁いでギーズ公フランソワスコットランド王妃メアリー・オブ・ギーズをもうけており、アンリ4世はフランソワ2世の王妃でもあったスコットランド女王メアリーや、敵対関係にあったギーズ公アンリの又従弟でもあった。加えて、アントワーヌの母方の祖母マルグリット・ド・ロレーヌロレーヌ公ルネ2世の妹でギーズ公クロードの叔母に当たり、アンリ4世とギーズ家とはロレーヌ家の血を通じてもつながりがあった。なお、マルグリット・ド・ナヴァールの父シャルル・ドルレアンと母ルイーズ・ド・サヴォワが共にブルボン家本流の血を引いている。また、ロレーヌ家との関係ではさらに、アンリ4世の妹カトリーヌがロレーヌ公アンリ2世(マルグリット・ド・ヴァロワらの甥にあたる)と結婚している。

シャルルの母マリー・ド・リュクサンブールルクセンブルク家の最後の末裔であるが、神聖ローマ皇帝ボヘミア王の家系となった本流でなく、分家リニー家の子孫である。ジャンヌ・ダルブレの父方の祖母カトリーヌ・ド・フォワと母方の祖父シャルル・ドルレアンは共にボヘミア王ヨハンの娘ボンヌの血を引いているので、アンリ4世はルクセンブルク家本流とも血のつながりはあることになる。


  1. ^ 「聖なる王権ブルボン家」P15
  2. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p15
  3. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p17
  4. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p20
  5. ^ a b c 「聖なる王権ブルボン家」p23
  6. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p31
  7. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p31-32
  8. ^ a b 「聖なる王権ブルボン家」p33
  9. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p40
  10. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p36
  11. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p44-46
  12. ^ 「世界の歴史7 文芸復興の時代」p271
  13. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p38
  14. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p47
  15. ^ 「世界の歴史15 近代ヨーロッパへの道」p167
  16. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p53-54
  17. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p42
  18. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p55-56
  19. ^ 「世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花」p256
  20. ^ 「世界の歴史22 近代ヨーロッパの情熱と苦悩」p256
  21. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p40-41
  22. ^ 「世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花」p257
  23. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p59
  24. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p60
  25. ^ 流転200年・・・仏国王アンリ4世の頭部、本物と断定AFPBB News2010年12月31日閲覧
  26. ^ ジャンニ・デイヴィス 『消えた屍体:死と消失と発見の物語』 堀口容子著・訳 グラフィック社 2019年 ISBN 978-4-7661-3202-1 pp.86-91.
  27. ^ 仏国王の頭部は「偽物」、先行研究覆すDNA分析結果 - AFPBB News、2013年10月11日、2019年3月29日閲覧





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