おき (列車) おき (列車)の概要

おき (列車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/13 03:02 UTC 版)

スーパーおき
山陰本線を走行するキハ187系「スーパーおき」
(2024年3月16日 直江駅 - 出雲市駅間)
概要
種類 特別急行列車
現況 運行中
地域 鳥取県島根県山口県
運行開始 1975年3月10日(「おき」として)
運営者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
旧運営者 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 鳥取駅米子駅
終点 新山口駅
営業距離 378.1 km (234.9 mi)(鳥取 - 新山口間)
285.4 km (177.3 mi)(米子 - 新山口間)
運行間隔 3往復
使用路線 山陰本線山口線
車内サービス
クラス 普通車
座席 普通車指定席:1号車
普通車自由席:2号車
技術
車両 キハ187系気動車
後藤総合車両所
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 非電化(鳥取 - 伯耆大山西出雲 - 新山口間)
直流1,500 V(伯耆大山 - 西出雲間)[* 1]
運行速度 最高120 km/h (75 mph)
備考
2001年7月7日より「スーパーおき」の名称で運転。
テンプレートを表示

山口線で運転されていた優等列車の沿革についてもここで記述する。

概要

1975年3月10日山陽新幹線岡山駅 - 博多駅間が開業した際に、山陰地方西部と新たに山陽新幹線の停車駅となった小郡駅(現在の新山口駅)を結ぶ新幹線連絡列車として、鳥取駅・米子駅 - 小郡駅間で特急「おき」として運転を開始した。それまで山口線の優等列車は、山陰地方の西部から山口線経由で九州北部を結ぶ急行列車が運行されていたが、これの系統整理により誕生した山口線初の特急列車、また山口県内並びに広島支社でも唯一の在来線特急列車でもある。

列車名の由来

列車名は島根県の北方の日本海にある隠岐諸島に由来し、山陰本線の高速化事業の完成した2001年7月7日に新型振り子式車両を投入した際に、「スーパー」を冠したものである。

運行概況

2015年7月18日現在の運行概況は次の通り[1]

鳥取駅 - 新山口駅間 (378.1km) に下り2本・上り1本(3・4・5号)、米子駅 - 新山口駅間 (285.4km) に下り1本・上り2本(1・2・6号)が運転されている。

米子駅 - 出雲市駅間と山口駅・湯田温泉駅・新山口駅で交通系ICカード「ICOCA」が利用できる。ただしこれらを跨いでの利用は不可。

列車番号は運転線区で変更がなく、下りは号数+3000の奇数、上りは号数+3000の偶数である。そのため新山口駅が起点となっている山口線内では、下りが偶数、上りが奇数である。2008年3月15日から列車番号が変更され、それまでは1001D - 1006Dであった。

なお、当列車は日本一所要時間が長い気動車特急である[* 2]。鳥取駅 - 新山口駅間の走行距離378.1kmは、日本国内の気動車特急としては第2位の長さであり[* 3]、また本州内の在来線昼行特急列車としては最長である[* 4]

停車駅

鳥取駅 - 鳥取大学前駅 - 倉吉駅 - 米子駅 - 安来駅 - 松江駅 - (玉造温泉駅) - (宍道駅) - 出雲市駅 - 大田市駅 - (温泉津駅) - 江津駅 - (波子駅) - 浜田駅 - (三保三隅駅) - 益田駅 - 日原駅 - 津和野駅 - 徳佐駅 - 三谷駅 - 山口駅 - 湯田温泉駅 - 新山口駅

  • ( )内の駅は一部列車のみ停車(5駅のうち2-4駅に停車)。
    • 玉造温泉駅と三保三隅駅は1・3・4・5・6号(2号以外)が停車。(玉造温泉駅は、期間によっては、2号が停車する事がある。)
    • 宍道駅は1・2・4・6号が停車。
    • 温泉津駅は4・5・6号が停車。
    • 波子駅は2・3・4・5号が停車。
  • 各駅とも「スーパーまつかぜ」と合わせて3-4往復の停車が確保されている。停車パターンは一定ではないため、時刻表等を参考のこと。
  • 停車駅の詳細は以下の表を参照(2024年3月現在)。
2024年3月16日現在の停車駅
号数 運行本数\駅 鳥取駅 鳥取大学前駅 倉吉駅 伯耆大山駅 米子駅 安来駅 松江駅 玉造温泉駅 宍道駅 出雲市駅 西出雲駅 大田市駅 仁万駅 温泉津駅 江津駅 波子駅 浜田駅 三保三隅駅 益田駅 日原駅 津和野駅 徳佐駅 三谷駅 山口駅 湯田温泉駅 新山口駅 備考
3-5号 下り1本 スーパーおき3号
下り1本 スーパーおき5号
上り1本 スーパーおき4号
1・2・6号 下り1本 スーパーおき1号
上り1本 スーパーおき2号
上り1本 スーパーおき6号
停車本数 下り 2 2 2 0 3 3 3 3 1 3 0 3 0 1 3 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
上り 1 1 1 0 3 3 3 2 3 3 0 3 0 2 3 2 3 2 3 3 3 3 3 3 3 3
合計停車本数
(スーパーまつかぜ含む)
下り 9 9 9 2 9 6 7 5 4 7 1 7 1 3 7 3 7 4 7 3 3 3 3 3 3 3
上り 8 8 8 4 8 6 7 4 4 7 1 7 1 3 7 2 7 3 7 3 3 3 3 3 3 3

凡例

  • ●:停車
  • ─・←・→:通過(矢印は運転方向)

使用車両・編成

2022年3月17日現在の編成図
スーパーおき
← 新山口
米子・鳥取 →
1 2
  • 全車禁煙
  • 3-4両編成に増結される日がある
凡例
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

後藤総合車両所に所属するキハ187系(0・10番台)2両編成が使用されている。なお、500番台が使用されることもある。多客期は3 - 4両編成で運転される場合がある。普通車のみ連結されており、グリーン車は連結されていない。山口線内では振り子は非作動となる。

運転開始した1975年3月10日から今日まで定期列車としては一日3往復の運転であり、当初は関西 - 九州間で運転されていた特急列車の余剰となったキハ80系の6両編成が使用され、「はまかぜ」「まつかぜ」と共通運用であったが、翌1976年10月にはキハ181系に変更され、6両編成で運転されていた。しかし、その内の1往復に関しては当時の国鉄昼行特急列車として異例ともいえるグリーン車非連結の編成となり[* 5]、さらには運賃・料金の値上げもあり空席が目立ち、1982年7月1日には残る2往復のグリーン車の連結も廃止され、1986年11月1日には3両編成にまで減車された。


注釈

  1. ^ 但し、気動車を使用。
  2. ^ 2023年3月のダイヤ改正においてオホーツクの所要時間が短縮されるまでは第2位だった。なお、電車特急を含めると、昼行列車としてはにちりんシーガイアに次ぐ第2位である。
  3. ^ 第1位は札幌駅 - 稚内駅間の「宗谷」で、走行距離は396.2kmである。
  4. ^ 全国ではにちりんシーガイア、宗谷に次ぐ第3位である。
  5. ^ 当時の国鉄昼行特急列車でグリーン車非連結であったのは「おき」の3往復中1往復と函館本線の「いしかり(1980年10月1日の室蘭本線千歳線電化によるダイヤ改正により運転区間を延長の上、列車名を「ライラック」に改称)、それに名古屋鉄道から乗り入れていた高山本線の「北アルプス」のみでこの体制が1982年11月15日の上越新幹線開業による白紙ダイヤ改正まで続くこととなった。なお、この「おき」1往復のグリーン車非連結に関してはキハ181系の中間車であるキハ180の一部車両に専務車掌室が設置された。

出典

  1. ^ 『JR時刻表』2015年8月号、交通新聞社
  2. ^ “山陰新時代の幕開け 高速化が完成”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (2001年7月9日) 
  3. ^ 平成15年秋 ダイヤ改正インターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年7月30日
  4. ^ 平成15年度【 冬 】の臨時列車の運転(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年10月16日
  5. ^ 在来線特急列車などの全席禁煙化ならびに在来線ホームの禁煙化の拡大について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年3月26日
  6. ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) [リンク切れ] - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月18日
  7. ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) (インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道米子支社プレスリリース 2009年12月18日
  8. ^ 山口線 一部区間での運転状況について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2013年10月16日


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