才覚

デジタル大辞泉

さい‐かく【才覚】

読み方：さいかく

［名］(スル)

１ すばやく頭を働かせて物事に対応する能力。知恵の働き。機転。「—のある人」

２ 工夫(くふう)すること。また、すばやく頭を働かせて物事を処理すること。「客の好みに合わせて料理を—する」

３ あれこれ苦心して金や物を手に入れること。工面(くめん)。「—がつかない」「五〇万円ほど—する」

４ 学問の力。学識。才学。

「和漢の—の足らぬにぞありけん」〈神皇正統記・後醍醐〉

［形動ナリ］機転や才知のあるさま。

「—な貧乏神」〈咄・御前男・三〉

歴史民俗用語辞典

才覚

読み方：サイカク（ｓａｉｋａｋｕ）

学問に関する才能や知識。

別名 才学

Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

才覚

出典:『Wiktionary』 (2021/10/18 12:53 UTC 版)

発音

• (東京) さいかく [sàíkákú] (平板型 – [0])
• IPA^(?): [sa̠ika̠kɯ̟ᵝ]
• (京阪) さいかく (平板型)

名詞

才覚 (さいかく)

1. 才の働き。機転^[1]。
   • こういうときの彼等も列になって頭を垂れて叱られている。此等の若い者たちは、自分たちの歪められた青春の列を消す力も才覚も場所も知っていないのだ。（宮本百合子、『列のこころ』、1940年）
2. 工夫すること。計画。算段^[1]。
   • 父が死んでから、兄は兄だけの才覚をして店の体裁を変えて見たりした。（有島武郎『お末の死』）
3. 苦労して金品を調達すること。工面^[1]。
   • しかし跡五十両の才覚が出来ない。（森鴎外『じいさんばあさん』）
4. 学問上の知識。才学。
   • 寺院の号、さらぬ万（よろづ）の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比は、深く案じ、才覚をあらはさむとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。（吉田兼好『徒然草』第116段）

     寺院の名称や、その他の様々な物に名前を付ける際、昔の人は、少しも難しく考えず、ただありのままに、判り易く付けたものだ。この頃は、思考を凝らし、知識をひけらかすかのように思われる名前ばかりで、非常に不快である。

翻訳

（語義1）

• 英語: knack ^(en), resource ^(en), sense ^(en), wit ^(en)
• 朝鮮語: 재치 ^(ko)

動詞

1. 工夫する。
   • こうなったからには、覚悟をきめ、みなで力を合せて生きていく道を才覚しようではないか。（久生十蘭『藤九郎の島』）
2. 工面する。
   • 「そちが、その金を才覚してやったのか」（菊池寛『奉行と人相学』）

翻訳

（語義1）

• 英語: manage ^(en), contrive ^(en)

（語義2）

• 英語: come up with ^(en), make shift ^(en)

名詞

才覚 (さいかく)

1. 学識。
2. 機転。工夫。

動詞

才覚 (さいかく)

1. 工夫する。工面する。

才覚-す 動詞活用表（日本語の活用）

サ行変格活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
才覚	せ	し	す	する	すれ	せよ

形容動詞

才覚 (さいかく)

1. 機転のきくさま。才知に長けているさま。
   • 総じて親のゆづりをうけず其（その）身才覚にしてかせぎ出（いだ）し、銀五百貫目よりして、是を分限（ぶげん）といへり。千貫目の上を長者とは云（いふ）なり。（井原西鶴『日本永代蔵』巻1の1・初午は乗て来る仕合）

     総じて、親の遺産を相続せず、己の機転をきかせて稼ぎ出し、銀を五百貫目以上得ること、これを分限といった。千貫目以上を得ることを、長者というのである。

基本形	語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形	活用の種類
才覚なり	才覚	-なら	-なり	-なり	-なる	-なれ	-なれ	ナリ活用
			-に

Weblio日本語例文用例辞書

「才覚」の例文・使い方・用例・文例

• 機転のきく[才覚のある]人.
• その後はずっと自分の才覚一つで生活した.
• 無理な才覚をしてやっとその絵を買うことができた.
• 金を調達する（算段する、才覚する）
• 金の才覚ができない
• 彼はどこかへ行って五十円ばかり才覚して来た
• どうか才覚してみよう
• あの男は才覚が上手だ
• 人を扱う上で才覚と繊細さを示す
• 素晴らしい才覚を持つ人の、才能のきらめき
• 素晴らしい才覚の提示