20世紀における影響
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「ゴス (サブカルチャー)」の記事における「20世紀における影響」の解説
ゴス・サブカルチャーにおけるゴシック小説の影響は、ホラー映画およびホラー番組によくあるイメージを通して、ゴスの詩や音楽などといった非常に多くのところで見られるが、時折この影響が古臭いものになってしまうことがある。特に、バイロニックヒーロー(英語版)というのは、ゴス男性の大きな先駆者であり、ベラ・ルゴシのドラキュラのイメージは初期のゴスを力強く激励した。 人々は、ベラ・ルゴシの、危険だが優雅で神秘的なドラキュラのオーラに魅了された。多くの人々は、美術的な建築物が、ゴシック・ファッションやゴシック・スタイルに影響を与えたと信じるが、1979年8月にバウハウスというバンドがリリースした1stシングル『ベラ・ルゴシの死(英語版)』がゴス・サブカルチャーの幕開けだと信じる人もいる。 初期のゴスを象徴するものの中で特筆すべきものとしては、音楽グループ、スージー・アンド・ザ・バンシーズのメンバーであるスージー・スー や、ダムドのデイヴ・ヴァニアンなどもいた。バウハウスのメンバーの中には美大生や活動的な芸術家もいた。 初期のゴシック・ロックやデス・ロックのミュージシャンの中には伝統的なホラー映画のイメージや、そのサウンドトラックからインスピレーションを受けて世界観を作り上げるものもいた。それによって観客も彼らの服装や持ち物を受け入れるようになった。 渦巻く煙や、キイキイと鳴きながら羽ばたくコウモリ、そしてクモの巣などといったホラー映画の小道具は、バットケイブが始まった頃からゴシック・クラブの装飾として使われるようになった。彼らの音楽やイメージというのは、もともと皮肉めいた冗談だったが、時がたつにつれ、バンドやゴス文化人たちはより真剣にそのつながりについて考えるようになった。 結果として、病的且つ超自然的で、オカルト的なテーマが、ゴス・サブカルチャーにおいてさらに際立って注目されるようになった。 恐怖とゴスの関係は、デヴィッド・ボウイ、カトリーヌ・ドヌーヴ、スーザン・サランドンが出演し1983年に公開された映画『ハンガー』によって強調された。この映画の中では、ゴシック・ロックバンドのバウハウスがナイトクラブで 『ベラ・ルゴシの死(英語版)』を演奏するシーンがある。 1993年、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」を取り込んだ結果として、イングランドのノース・ヨークシャー北海に面するにある港町ウィットビーは年2回で開催される大規模なゴスとスチームパンクのウィットビー・ゴス・ウィークエンド (en:Whitby Goth Weekend)のフェスティバルである。 独立戦争のときから語り継がれる『首なし騎士の怪談』は、ワシントン・アーヴィングの『スリーピー・ホロウの伝説(英語版)』(ファンタジー小説のリップ・ヴァン・ウィンクルと同時に1920年に出版)が、ニューヨークの闇をロマンティックに語ることで、不滅のものとなった。この話はアーヴィングがイギリスに住んでいるときにニューヨークのハドソン川流域に生むオランダ移民の間でよく語り継がれている話を基にして(一対の話の片方として)書かれた。 Ichabod Craneという白黒無声映画として、1922年にウィル・ロジャース主演で最初に映画化されたが、1949年に公開されたディズニーのオムニバス映画『イカボードとトード氏』は、20世紀のポップ・カルチャーとして強く残っている。9年後、 Wind in the Willows からこの作品は分けられ、The Legend of Sleepy Hollowは毎年恒例のハロウィン・ウィーク特集としてNBCで放送されるディズニーのディズニーランドにおいて人気作品となった。 1980年に実写化されたものの、最も扱いがよかったのは、ティム・バートンが監督し、1999年公開の『スリーピー・ホロウ』である。『シザーハンズ』や『ビートルジュース』、『バットマン』などといった神秘性と魔術的なものと恐ろしさをうまく融合させた作品を作ってきたバートンは、暗黒と影に満ちたストーリーを作るのに全力を注いだ。一般によく知られている、ディズニー版とスリーピー・ホロウとの大きな違いは、クレインと騎士が平等に扱われていることである。アーヴィングの話において、クリストファー・ウォーケン演じる首なし騎士はヘッセン人傭兵のアンデッドだが、バートンは伝統的なゴシック風で、恐怖に満ちていて、中世的な異端審問思想を自らの作品の中に全て取り入れた。ゴス・サブカルチャーの進化において、古典ロマンスとゴシックおよびホラー文学は大きな役割を果たしている。キーツやポー、ボードレールや他のロマンス悲劇作家は黒いアイライナーや黒い服装をしていくことで、ゴス・サブカルチャーの象徴になっていった。実際、ボードレールは自身の文学集『悪の華』の中でゴシック的な暗い言葉をできるだけ多く書き連ねている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}C'est l'Ennui! —l'œil chargé d'un pleur involontaire, Il rêve d'échafauds en fumant son houka. Tu le connais, lecteur, ce monstre délicat, —Hypocrite lecteur,—mon semblable,—mon frère! It is ennui! — an eye brimming with an involuntary tear, he dreams of the gallows in the fumes of his water-pipe. You apprehend, reader, this fragile monster, —hypocrite reader,—my mirror,—my brother! —starfarmerによる英訳 ゴシック・シーンに文学的影響を与えたものの中で、比較的新しいのは、アン・ライスによる吸血鬼のイメージの大幅な変更である。ライスの話に出てくる登場人物は永遠の孤独にさいなまれていて、それが故に出てくる反対感情と悲劇的な性は、多くのゴスファンたちを深くひきつけ、80年代から90年代にかけて、彼女の作品をとても人気のあるものにした。近年、彼女の作品を基にした映画がいくつか公開され、そのうちで代表的なものは、インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアであり、本編の中においてゴシック趣味がはっきりと現れたり遠まわしに現れたりした。
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