10 Pieces from Romeo and Juliet Op.75とは? わかりやすく解説

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プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品

英語表記/番号出版情報
プロコフィエフバレエロメオとジュリエット」からの10の小品10 Pieces from 'Romeo and JulietOp.75作曲年1937年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 民衆踊り "Folk Dance"4分30秒 No Image
2 街の目覚め  "The Street Awakens"1分30秒 No Image
3 客人たちの到着  "Arrival of the Guests"3分00 No Image
4 少女ジュリエット  "The Young Juliet"3分30秒 No Image
5 仮面  "Masks"2分30秒 No Image
6 モンタギュー家とキャピュレット家  "Montagues and Capulets"3分30秒 No Image
7 ロレンツォ  "Friar Laurence"3分30秒 No Image
8 マーキュシオ  "Mercutio"2分30秒 No Image
9 百合の花持った娘たち踊り  "Dance of the Girls with the Lillies"2分00 No Image
10 別れの前のロメオとジュリエット  "Romeo bids farewell to Juliet"8分30秒 No Image

作品解説

2008年2月 執筆者: 野原 泰子

 バレエロメオとジュリエット》(1936年)は、シェイクスピア悲劇ロメオとジュリエット』に基づく、プロコフィエフの最も広く愛されている傑作一つである。このバレエをもとに、プロコフィエフ管弦楽用の3つの組曲と、ピアノ独奏用の《10の小品》を作った。《10の小品》(1937年)は、作曲年プロコフィエフ初演している。これらの小品は、バレエ原曲から編曲適した箇所抜き出して再構成したもので、管弦楽用の組曲と同様、バレエの筋に沿った順序配列されてはいない。

第1曲〈フォークダンスAllegro giocoso
バレエ第2幕冒頭No.22)、街の広場での賑やかなカーニバル場面音楽。8分の6拍子躍動的なリズムで、活気満ちた舞曲タランテラ)の主題歌われる

第2曲〈情景Allegretto
バレエ第1幕、街が目覚める場面音楽No.3)。太陽昇り、街が活気帯びてゆく情景が、4分の2拍子軽快明る旋律変奏描かれてゆく。

第3曲〈メヌエットAssai moderato
バレエ第1幕第3場(No.11)、キャピュレット家舞踏会招かれた客たちが、続々広間登場する場面音楽変ロ長調華やかなメヌエット主題繰り返されてゆき、その合間様々な顔ぶれ思わせるトリオ挟まれてゆく形で進行する

第4曲〈少女ジュリエットVivace
バレエ第1幕第2場No.10)で、ジュリエット登場する場面音楽冒頭茶目っ気たっぷり旋律中心となり、それと交互に変イ長調美し旋律バレエ冒頭前奏曲聴かれジュリエット主題)や、静かな憧れに満ちた旋律(Piu tranquillo)が現れ少女多面的な魅力伝わってくる。

第5曲仮面Andante marciale
バレエ第1幕第3場No.12)、マーキュシオが友人ロメオとベンヴォーリオを誘い仮面をつけて宿敵キャピュレット家舞踏会乗り込む場面音楽。陽気でシニカルなマーキュシオ、大胆不敵な若者たち様子が、行進曲風の旋律ウィット富んだ変奏生き生き描かれる

第6曲モンタギュー家とキャピュレット家Allegro pesante
バレエ第1幕第4場舞踏会音楽(No.13)。この場面で支配的な重厚威圧的な旋律は、騎士貴婦人たちの舞踏音楽中間部Moderato tranquillo)では、ジュリエットが、両親結婚勧める青年パリスと踊る、極めて美しく感傷的な旋律聴かれる。

第7曲ローレンス修道士Andante espressivo
バレエ第2幕第2場No.28)、ロメオローレンス修道士尋ねジュリエットへの愛を打ち明ける場面音楽ローレンス二人挙式約束しモンタギュー家とキャピュレット家反目終止符打たれることを密かに願う。バレエではチェロオーボエ奏でる温かな旋律は、ローレンス慈愛満ちた人柄映し出す

第8曲〈マーキュシオ〉Allegro giocoso
バレエ第1幕第4場(No.15)。マーキュシオが舞踏会飛び入り愉快な躍り重々しい雰囲気吹き飛ばす場面での、陽気でウィット富んだ音楽

第9曲百合を手にした少女たちの踊りAndante con eleganza
バレエ第3幕第3場(No.49)、ジュリエットパリス婚礼予定されている日の朝、寝室ジュリエット仮死しているのを知らずに、アンティーユの娘たち百合を手にして踊る場面の、繊細メランコリック音楽

第10曲別れの前のロメオとジュリエットLento
バレエ第3幕第1場ジュリエット寝室で、夜の静寂のなかでロメオとジュリエットが愛を確かめ合いロメオ旅立つ場面(No.38とNo.39)の音楽で始まる。アダージョ50小節目から)では、パレスとの結婚両親迫られ絶望陥ったジュリエットが、ローレンス助け請い赴く場面(No.43)の、ドラマティック旋律歌われる全曲締めくくる静かなアンダンテ71小節目から)は、ジュリエットローレンス助言従いロメオへの愛を貫こうと、周囲欺くために仮死状態陥るを飲む場面音楽ジュリエット迷いや不安、そして死の香り幻想的描かれる




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