那須岳(栃木県・福島県)
1915m 北緯37度07分29秒 東経139度57分46秒 (茶臼岳) (世界測地系)
概 要
那須火山は関東平野北端の関谷断層に沿って南北に配列する主として安山岩(SiO2 52~63%)からなる成層火山群。活火山としての那須岳はその1 峰で別名、茶臼岳。
那須火山群では北から南に活動中心が移動して、甲子(かっし)旭岳火山は約50 万年前、三本槍火山は約30 万年前、朝日岳火山と南月山(みなみがっさん)火山は約10~20万年前に、それぞれ活動した成層火山である(伴・高岡,1995;山元・伴,1997)。また、那須火山群では過去に数回の山体崩壊が起きて、約20 万年前以前に黒磯岩屑なだれ、約14~17万年前に那珂川岩屑なだれ、約3~4万年前に御富士山(おふじやま)岩屑なだれなどを発生させ、その堆積物は東側の山麓の広い範囲を覆っている。
那須火山群で最も新しい茶臼岳火山は、約1.6 万年前から活動を開始し、溶岩・火砕物を大部分は東山麓に、一部は西側の那珂川上流部に堆積させている(山元,1997)。
茶臼岳は東に開く大きな崩壊凹地中に生じた新しい火山で、数枚の溶岩流・火砕流と頂部の火砕丘・その中の溶岩ドームからなる(山元・伴,1997;高橋,1999)。溶岩ドームの中央火口(直径100m)の内外には噴気孔が多いが、特に西斜面の2つの爆裂火口内では活発な噴気活動が続いている。有史後の噴火はすべて爆発型。泥流を生じやすい。
最近1万年間の火山活動
最近1万年間は茶臼岳の活動が続いており、約1.1万年~6000年前までの5000年間に、それぞれに降下火砕物・火砕流・厚い溶岩流を噴出する3 回の大きな活動があり、山体の大部分が形成された(鈴木,1992;山元・伴,1997;山元,1997)。
約6000年前以降は、数100年に1回程度の水蒸気爆発が発生していたが、約2600年前に比較的規模の大きな活動があり、山頂の火砕丘が形成された。その後、水蒸気爆発が繰り返される活動に戻ったが、1408年から1410年の活動によって、降下火砕物・火砕流が噴出し、さらに茶臼岳溶岩ドームが形成された。この噴火の犠牲者は180余名。この後、小規模な水蒸気爆発が繰り返されている。
近年に那須岳付近地域では群発性の地震活動の発生があるが、火山活動との関係は認められていない。
記録に残る火山活動
火山観測
気象庁では,地震計,空振計,GPS,遠望カメラを設置し,那須岳の火山活動の監視・観測を行っています。
火山活動解説資料
那須岳
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固有名詞の分類
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