岩屑雪崩
別名:岩屑なだれ、岩屑流
山が崩壊して、雪崩のように麓まで流れ落ちる現象。主に、火山の噴火などに伴う山体崩壊の結果として発生する。
岩屑雪崩は、膨大な量の土砂・岩屑が、表層雪崩の要領で高速に滑り落ちてくるという特徴がある。高速である分だけ、遠方へ到達しやすい性質もある。
寛政年間に発生した「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる眉山の山体崩壊では、3億立方メートルを優に超える体積の土砂・岩屑が岩屑雪崩となって崩れ落ちたとされる。
文部科学省は2012年5月、富士山の真下に巨大地震の震源となりうる活断層が存在する可能性があることを発表した。この活断層を震源としてマグニチュード7級の地震が発生した場合、富士山が崩壊し岩屑雪崩を起こす可能性もあるという。
がんせつ‐なだれ【岩×屑雪‐崩】
読み方:がんせつなだれ
⇒岩屑流
山体崩壊
岩屑なだれ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 14:18 UTC 版)
戸室山は爆発によって西側(金沢市街側)山腹が崩壊しており、その山麓に岩屑なだれ堆積物が分布する。流れ山と呼ばれる多数の小丘をつくるとともに、大量の岩塊が含まれる。戸室山の基盤高度は東側で約400m、西側で約300mであり、西側へ約6度傾く斜面上にあり、崩壊した部分は溶岩円頂丘底面の最大傾斜方向に当たる。戸室山は底面積1.25km2、基盤からの高さ200mで、体積は0.111km3と推定される。戸室山の三日月型の山体について、南北の尾根の同じ高さの地点を直線で結んだ形が本来のものと仮定して崩壊によって失われた凹部の体積を計測すると0.016km3となる。北陸周辺の火山体崩壊の例には、1984年の御岳南斜面の伝上崩壊(0.036km3)、4400年前の白山東斜面の大白川岩屑流(0.13km3)などがある。戸室山の崩壊はこれらより小規模だが、緩傾斜の丘陵上の比較的なだらかな溶岩円頂丘なのに、全体積の10%以上が崩壊した点で特異である。 1999年、この岩屑なだれによる流れ山中にトチノキが巻き込まれた露頭が発見され、岩屑なだれ発生時の14Cによる年代測定が可能となった。半減期5568年を用いた経過年は18200±200年であった(最新値5730年を用いると18700±200年)。この年代は最終氷期・後期更新世を示す。 この岩屑なだれの理由は、火山の基盤となった地形面が金沢市方向(西)に傾斜していることと、溶岩円頂丘が形成された際、この傾斜の影響で溶岩円頂丘の下流側の斜面が急傾斜に作られていたためと考えられる。 有史以降、記録に残る噴火はない。
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