かさい‐りゅう〔クワサイリウ〕【火砕流】
火砕流
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火砕流(かさいりゅう、pyroclastic flow、火山砕屑流)とは、火山現象で生じる土砂移動現象の一つで、特に火山活動に直接由来する「火山砕屑物の流れ」[1]で、気体と固体粒子からなる空気よりもやや重い密度流である。「熱雲」[2]「軽石流」を含めて「高温のマグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」の総称。英語では「pyro(火の)clastic(破片の) flow(流れ)」。
注釈
出典
- ^ a b c 早川由紀夫, 「火山で発生する流れとその堆積物 : 火砕流・サージ・ラハール・岩なだれ」『火山』 36巻 3号 1991年 p.357-370, doi:10.18940/kazan.36.3_357
- ^ 安藤重幸, 「恵山火山の地質と岩石」『岩石鉱物鉱床学会誌』 69巻 8号 1974年 p.302-312, doi:10.2465/ganko1941.69.302。
- ^ 荒牧重雄・小野晃司(1996) 火砕流 新版地学事典 地団研編、平凡社
- ^ a b c 山元孝広, 「御嶽火山2014 年9 月27 日噴火で発生した火砕流」 産業技術総合研究所 『地質調査研究報告』 Vol.65 No.9/10 (2014) (PDF)
- ^ 山元孝広 (2006) 「伊豆大島火山,カルデラ形成期の火砕物密度流堆積物 : 差木地層S2部層の層序・岩相・年代の再検討」 日本火山学会 『火山』 51巻 4号 2006年 p.257-271, doi:10.18940/kazan.51.4_257
- ^ "pyro-"はギリシア語由来の接頭辞で"火"を表し、"clastic"は破壊されたもので、火山噴火で生成された砕屑物を意味する。そのため海外においては「火山噴火」との関連性が重視されるが、日本語の「火山砕屑物」だとpyroclasticと一旦定置したpyroclasticや溶岩が侵食などで破砕・移動したvolcaniclasticの区別がつきにくく、火山噴火のニュアンスが薄れているため、より広く定義される場合がある。
- ^ a b 防災科学技術研究所 防災基礎講座 13.火砕流・火山泥流・山体崩壊
- ^ 花岡正明, 「“火の山”メラピ火山で火砕流災害発生 (速報)」『砂防学会誌』 47巻 6号 1995年 p.57-58, doi:10.11475/sabo1973.47.6_57。
- ^ 荒牧重雄, 「浅間火山 1973 年 2〜3 月の噴火の際に発生した小型火砕流」『火山.第2集』 18巻 2号 1973年 p.79-94, doi:10.18940/kazanc.18.2_79
- ^ 荒牧重雄, 「火砕流とその災害」『地学雑誌』 95巻 7号 1987年 p.489-495, doi:10.5026/jgeography.95.7_489。
火砕流
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「2014年の御嶽山噴火」の記事における「火砕流」の解説
滝越カメラの記録映像解析により、噴火直後の11時52分に上部斜面と西斜面の2か所でほぼ同時に発生し、地獄谷方向に約2キロと兵衛谷方向に約1.5キロの流下が確認された。谷筋を流下した速度は秒速8 - 20メートル程度で、ある程度の温度はあったと考えられているが、通過箇所の樹木の損傷、火災、炭化が認められないことから樹木を焦がすほどの温度ではなく、火砕流の初期温度は二次噴煙の上昇速度と到達高度などから100℃程度と推定されている。なお、登山道のない側の山腹で噴火し流下したため、火砕流による犠牲者は発生していない。 この火砕流は、4つの経過を経て流下し消滅した。 噴火と同時に火砕流が発生し谷筋を流下。 流下しながら空気を巻き込み、火砕流から二次噴煙が約2キロ上昇。 二次噴煙の上昇が止まると二次噴煙の内部で下降流が生じる。 降下した二次噴煙が広がり消滅。
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火砕流
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「2015年の口永良部島噴火」の記事における「火砕流」の解説
噴火に伴い火砕流が発生。新岳の火口からほぼ全方角に広がり、西側と北西側の向江浜地区では海岸まで到達した。火砕流の速さは最大で時速140kmと推計された。前田地区方向に走流した火砕流は、手前の地形でせき止められ、犠牲者は出なかった。また、最も遠方に達した南西方向に走流した火砕流は海上を1km程度前進した。
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火砕流
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「富士山の火山防災対策」の記事における「火砕流」の解説
歴史的には火砕流の記録は無いが、一連の調査により過去発生していたことが判明した。一般に火砕流の速度は時速100kmに達するが、富士山では発生範囲が山頂周辺の約10kmに限られており、噴火の事前予知ができれば避難は可能。
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