火砕流とは? わかりやすく解説

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かさい‐りゅう〔クワサイリウ〕【火砕流】

読み方:かさいりゅう

火山灰軽石スコリア岩滓(がんさい))などが火山ガス混合し一団となって火口から一気流れ下る現象マグマ粘性大き場合生じ、しばしば大きな被害をもたらす

[補説] 「火砕流」は「火山砕屑流」(→火山砕屑物)を略した語。火砕流の概念1950年代後半日本火山学者荒牧重雄らによって定義が整理された。


火砕流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 08:32 UTC 版)

火砕流(かさいりゅう、pyroclastic flow、火山砕屑流)とは、火山現象で生じる土砂移動現象の一つで、特に火山活動に直接由来する「屑物れ」[1]で、気体と固体粒子からなる空気よりもやや重い密度流である。「熱雲」[2]「軽石流」を含めて「高温のマグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」の総称。英語では「pyro(火の)clastic(破片の) flow(流れ)」。


注釈

  1. ^ 温度や速度、含まれる噴出物について、明確な定義はなされていない。
  2. ^ ここでの“低温”は人間の感覚による低温でなく、100℃以上のものも含む。
  3. ^ 1990年代の雲仙岳の噴火による火砕流では、水無川に沿って流下し、河口付近の島原市市街地まで至った。

出典

  1. ^ a b c 早川由紀夫, 「火山で発生する流れとその堆積物 : 火砕流・サージ・ラハール・岩なだれ」『火山』 36巻 3号 1991年 p.357-370, doi:10.18940/kazan.36.3_357
  2. ^ 安藤重幸, 「恵山火山の地質と岩石」『岩石鉱物鉱床学会誌』 69巻 8号 1974年 p.302-312, doi:10.2465/ganko1941.69.302
  3. ^ 荒牧重雄・小野晃司(1996) 火砕流 新版地学事典 地団研編、平凡社
  4. ^ a b c 山元孝広, 「御嶽火山2014 年9 月27 日噴火で発生した火砕流」 産業技術総合研究所 『地質調査研究報告』 Vol.65 No.9/10 (2014) (PDF)
  5. ^ 山元孝広 (2006) 「伊豆大島火山,カルデラ形成期の火砕物密度流堆積物 : 差木地層S2部層の層序・岩相・年代の再検討」 日本火山学会 『火山』 51巻 4号 2006年 p.257-271, doi:10.18940/kazan.51.4_257
  6. ^ "pyro-"はギリシア語由来の接頭辞で"火"を表し、"clastic"は破壊されたもので、火山噴火で生成された砕屑物を意味する。そのため海外においては「火山噴火」との関連性が重視されるが、日本語の「火山砕屑物」だとpyroclasticと一旦定置したpyroclasticや溶岩が侵食などで破砕・移動したvolcaniclasticの区別がつきにくく、火山噴火のニュアンスが薄れているため、より広く定義される場合がある。
  7. ^ a b 防災科学技術研究所 防災基礎講座 13.火砕流・火山泥流・山体崩壊
  8. ^ 花岡正明, 「“火の山”メラピ火山で火砕流災害発生 (速報)」『砂防学会誌』 47巻 6号 1995年 p.57-58, doi:10.11475/sabo1973.47.6_57
  9. ^ 荒牧重雄, 「浅間火山 1973 年 2〜3 月の噴火の際に発生した小型火砕流」『火山.第2集』 18巻 2号 1973年 p.79-94, doi:10.18940/kazanc.18.2_79
  10. ^ 荒牧重雄, 「火砕流とその災害」『地学雑誌』 95巻 7号 1987年 p.489-495, doi:10.5026/jgeography.95.7_489



火砕流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:05 UTC 版)

2014年の御嶽山噴火」の記事における「火砕流」の解説

滝越カメラ記録映像解析により、噴火直後1152分に上部斜面と西斜面の2か所でほぼ同時に発生し地獄谷方向に約2キロ兵衛方向に約1.5キロ流下確認された。谷筋流下した速度秒速8 - 20メートル程度で、ある程度温度はあったと考えられているが、通過箇所樹木損傷火災炭化認められないことから樹木を焦がすほどの温度ではなく、火砕流の初期温度二次噴煙の上速度到達高度などから100程度推定されている。なお、登山道のない側の山腹噴火し流下したため、火砕流による犠牲者発生していない。 この火砕流は、4つ経過経て流下消滅した噴火同時に火砕流が発生し谷筋流下流下しながら空気巻き込み、火砕流から二次噴煙が約2キロ上昇二次噴煙の上昇が止まる二次噴煙内部下降流が生じる。 降下した二次噴煙広がり消滅

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火砕流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 06:14 UTC 版)

2015年の口永良部島噴火」の記事における「火砕流」の解説

噴火に伴い火砕流が発生新岳火口からほぼ全方角に広がり西側北西側向江浜地区では海岸まで到達した。火砕流の速さ最大時速140kmと推計された。前田地区方向に走流した火砕流は、手前地形せき止められ、犠牲者は出なかった。また、最も遠方達した南西方向に走流した火砕流は海上1km程度前進した

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火砕流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 17:37 UTC 版)

富士山の火山防災対策」の記事における「火砕流」の解説

歴史的には火砕流の記録は無いが、一連の調査により過去発生していたことが判明した一般に火砕流の速度時速100kmに達するが、富士山では発生範囲山頂周辺の約10km限られており、噴火事前予知できれば避難は可能。

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火砕流

出典:『Wiktionary』 (2016/03/30 14:58 UTC 版)

名詞

かさいりゅう

  1. 火山から噴出した火山灰岩石破片が、高温ガス混合して、高速流れ下るもの。熱雲大きな災害もたらすことがある

関連語

類義語

翻訳


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