辛口白ワイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:49 UTC 版)
辛口白ワインは、糖分を含まないワイン (糖含量は4 g/L以下)である。辛口白ワインでは、ワインのバランスがたった2つの要因 (酸とアルコール度数)で決まってしまうため、作るのが非常に難しい。一方で、詳細な情報がなくとも、消費者はこのワインについて語ることができるともいえる。 1950年代まで、伝統的なヨーロッパのワインは、温度が高くなりすぎて発酵が妨げられることがないよう小さな容器で作られていた。このような醸造方法ではワインに骨格や丸みが生まれるが、香りは弱いものであった。カリフォルニア州とオーストラリアでは、発酵中にブドウやワインを冷やす必要があり、醸造家はセラーに、冷蔵設備、液体冷媒を循環させる配管、および温度調節可能なタンク(容器の壁面にコイルを設置させたり、熱交換能力の高い平板状の薄い溶接板を用いたりする)を備え付けるようになった。 ヨーロッパでも同時にこのような生産様式が考え出されたが、これはムストの処理に関する新技術(セトリングの加速、選抜された酵母の使用、糊や酵母由来の酵素の添加、マセレーションの実行)の一環であった。 ワインの世界では、このようにして作られたワインは暗に"技術的なワイン"であると見なされている。非常に香りが豊かで、さわやかな味わいであり、熟成を必要としない。"古い"タイプのヨーロッパの白ワインのなかにもこの生産様式が適しているものもある。その例として、初めてこの手法が用いられた品種であるソーヴィニヨン・ブランが挙げられ、セミヨンとブレンドに用いられた。また、過去30年間にブドウ栽培面積は減少している。ブルゴーニュでこの手法を用いると、早期酸化(英語版)という現象が起こる可能性がある。シャルドネは昔ながらの方法でこそ素晴らしいワインを作ることができる品種の典型と言える。 下の写真は、2つのシュナン・ブランの色調を比較し、南アフリカの "技術的"ワインとロワール渓谷の "古典的な"フランスワインとの視覚的な違いを示す。 透明で光沢のあるシャブリ・ワイン 南アフリカのシュナン・ブラン (左のステレンボッシュ)とフランスの同種ワイン (右のサヴニエール(英語版))の色調比較 米国ワシントン州で栽培されているリースリングの樹 ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン
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