絹本著色八字文殊曼荼羅図とは? わかりやすく解説

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絹本著色八字文殊曼荼羅図

主名称: 絹本著色八字文殊曼荼羅図
指定番号 1037
枝番 00
指定年月日 1920.04.15(大正9.04.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文: 鎌倉時代作品

絹本著色八字文殊曼荼羅図

主名称: 絹本著色八字文殊曼荼羅図
指定番号 1933
枝番 00
指定年月日 1995.06.15(平成7.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  八字文殊曼荼羅本尊とする密教修法八字文殊法は、『覚禅鈔』に「息災そくさい】。殊【こと】ニ天変【てんペん】ニ之【これ】ヲ行【おこな】フ」と記されているように、平安時代以降とくに日月蝕や地震などの天変地異観測された際にしばしば行われた。この曼荼羅菩提仙【ぼだいせん】訳『大聖吉祥菩薩秘密八字陀羅尼修行曼荼羅次第儀軌法【だいしようみようきつしようぼさつひみつはちじだらにしゆぎようまんだらしだいぎきほう】』に依拠し文殊菩薩八大童子四大明王・四摂【ししよう】および四供養菩薩八方天および后という、計三十七尊から構成される三院からなる本図基本的にそれに則るが、第二院のうち八大童子外側十六個の円相巡らせていることは珍しい。ただし、この円相内に何か書き記されていた形跡はない。
 八字文殊曼荼羅図の遺品として、和歌山正智院本(重要文化財)やメトロポリタン美術館本などが知られているが、いずれも鎌倉時代中期以降の作であり、また中尊および八大童子獅子乗る図像である。これに対して本図獅子を描かず文殊八大童子蓮華座にのみ坐す曼荼羅であり、十六円相を表すこととあわせて他に実作例をみない特異な図像として注目される
 菩薩以下の尊像頭部体部比べて大きめで、丸顔に細い眉目面相をもち、腕や膝が細めという華奢なプロポーションであること、さらに菩薩服飾や紺・緑紫の組み合わせを主とした蓮台彩色法など、法隆寺蔵星曼荼羅図重要文化財)に共通し、主尊の截金による宝冠装飾あわせて平安時代末期仏画表現通じる。しかし、各尊の面貌をみるとやや生硬であり、むしろ鎌倉時代前期仏画作品様式的に近い。したがって本図平安時代雰囲気をよく残した鎌倉時代比較早い頃の制作になるものといえ、八字文殊曼荼羅としては現在知られる最古遺品といえる
 他に例をみない独特の図像に基づく鎌倉時代前期曼荼羅遺例として貴重であるのみでなく、細緻丁寧な制作をよく保存していることも価値が高い。
 なお、表具裏に宝暦五年の修理記があり、同年夏より石清水八幡宮新勝院の有と帰したが、おそらく明治廃仏毀釈動きのなかで井上馨入手するところとなった思われる



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