はるか
名称:第16号科学衛星「はるか」/Mu Space Enginearing Satellite-B(MUSES-B)
小分類:科学衛星
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
打ち上げ年月日:1997年2月12日
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:M-V
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
国際標識番号:1997005A
はるかは、ひてんに続く宇宙工学実験衛星の第2号機で、直径8mの電波望遠鏡衛星です。
このミューゼス-B衛星を用いて、スペースVLBI計画VSOP(VLBISpace Observatory Programme)が行なわれます。スペースVLBI計画VSOPとは、地上の大型パラボラアンテナと協力して行なうスペースVLBI(超長基線電波干渉法)によって、事実上、直径数万kmの電波望遠鏡をつくり上げ、はるか彼方の宇宙を、精度よく観測しようとする世界最初の試みです。
天体が出している電波をミューゼス-B衛星と、地上の電波望遠鏡で同時に受信観測することによって、口径が3万km(地球の直径の約3倍です)の巨大な電波望遠鏡を形作ります。この電波望遠鏡の能力は、東京にある米粒をシドニーから観測する能力に匹敵します。
この計画では米国の国立電波天文台(NRAO)、ヨーロッパVLBIネットワーク、オーストラリア国立電波望遠鏡などが地上の観測局として参加します。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
傘をひろげたような、直径8mの大きな反射鏡をもった特徴のある形をしています。重量は830kgです。最高600マイクロ秒角の角度分解能で、天体を観測できる能力をもっています。これは、東京にある米粒をシドニーから観測する能力をもっているということです。
2.どんな目的に使用されるの?
大型の展開型パラボラ・アンテナを用いて、地球局との間でスペースVLBI(人工衛星による超長基線干渉計方式)の実験を行ないます。これにより、地球上では得られない超遠距離を基線として、同時刻に天文電波を受信して、両者の時間差から角度電解能の高い詳しい天文観測ができます。このために必要な大型パラボラ・アンテナの展開、姿勢安定技術、精密時刻計測などの問題の究明を目的としています。また、従来の地球規模のVLBIよりさらに高精度の観測が期待され、大陸変動の実測など、地球科学にも大きく寄与します。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
軌道上に打ち上げられた後、近地点高度を上げるために3回軌道制御を行ない、直径8mのパラボラアンテナを展開しました。
4.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
ひてんがあります。
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