しんくう‐ブレーキ【真空ブレーキ】
読み方:しんくうぶれーき
真空ブレーキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/30 08:58 UTC 版)
真空ブレーキ(しんくうブレーキ)は、鉄道のブレーキの一種で、ブレーキピストンを真空と大気圧の差で駆動するものである。1874年に最初に導入された。自動真空ブレーキシステムはイギリスの列車の設備として普遍的なものとなり、またイギリスの技術的影響を受けた国でも普及した。アメリカ合衆国の、主に狭軌の鉄道でも、しばらくの間採用された。
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真空ブレーキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 05:34 UTC 版)
詳細は「真空ブレーキ」を参照 編成全体にわたってブレーキ配管を引き通し、その中の空気をインゼクタや真空ポンプで抜いて真空に近い気圧にしておき、大気圧とブレーキ管内の気圧差によりピストンを駆動して制輪子を動かす力を得るのが真空ブレーキである。 最初の真空ブレーキは、イギリスのノース・イースタン鉄道の技術者J・R・スミスが1874年に考案した。これは直通真空ブレーキであり、ブレーキ管からポンプで空気を抜いた時にブレーキが作動する仕組みであったが、この方法ではブレーキ管が破損すると全くブレーキが掛けられなくなるという致命的な欠点があった。これに対してハーディが改良したものでは、各車両にブレーキシリンダーと一体になった真空タンクが設けられており、あらかじめブレーキ管から空気を抜くことでこれらの真空タンクからも空気が抜いておき、運転士がブレーキハンドルを操作してブレーキ管内に空気を入れると、大気圧近くに戻ったブレーキ管内の圧力と真空タンクの真空の間でブレーキピストンが動くという仕組みになっていた。この仕組みでは、ブレーキ管が破損して管内が大気圧に戻ると自動的にブレーキが作動するフェイルセーフな構成となっている。真空タンク自体が破損した場合でも、編成中に複数の車両がつながっている場合は全ての車両のタンクが同時に破損することはまずないため、他の車両のブレーキで停車することができる。 真空ブレーキの欠点としては、大気圧と真空の気圧差は最大でも1気圧しか得られないことで、後述する空気ブレーキでは空気圧を上げることによってより大きな制動力が得られるのに対して、真空ブレーキでは限度がある。このため必要な制動力を得るために、真空タンクやブレーキシリンダーが大きくなるという問題があった。また、気圧が低い高地にある鉄道ではさらにこの問題は深刻である。 空気ブレーキが発明されたアメリカ合衆国では、空気ブレーキが速やかに普及していったのに対して、イギリスの鉄道では真空ブレーキが長く用いられ続けていた。また現代においてもインド、スリランカ、南アフリカなどでは真空ブレーキが主力として用いられ続けている。しかしこうした国でも真空ブレーキの空気ブレーキへの変更が進められている。
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「真空ブレーキ」の例文・使い方・用例・文例
- 真空ブレーキという制動機
真空ブレーキと同じ種類の言葉
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