発展・改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 15:59 UTC 版)
「サーチャー (航空機)」の記事における「発展・改良」の解説
ロシアとしては導入はしたものの、不満があったため独自に改良を行うことを決定した。まず2015年にウラル民間航空機工場はアルミヤ-2015においてフォルポストの更なる近代化の方向についての情報を提示した。GLONASS航法装置、保護された通信回線を受信する複合体、IFFが装備され重量は増加し500kgとなるフォルポスト-M。他のフォルポストおよびオルラン、アザートのような携帯無線機からの信号中継装置あるいは1-18GHzの電子偵察装置を搭載でき、さらにNITA製のATC装置(ADS-B)との相互作用も計画されている特殊型のフォルポスト-Rを発表した。2016年にはウラル民間航空機工場がフォルポストの近代化版を作成する20億ルーブルの国家契約を受けた。同報道によるとウラル民間航空機工場はMAKS-2015において配布した資料で、フォルポストの段階的アップグレードの計画について発表しており、それによるとロシアの通信機材とIFFの搭載から始まり、側方レーダーの統合で完了するという。uav.ruの編集者デニス・フェデチノフによれば近代化とローカライズは数年前より計画されていたという。 フォルポスト-M 2017年1月20日にタス通信により報じられた、フォルポストをベースにロシア製のコンポーネントのみを使用して近代化した発展型。同年3月17日付のイズベスチヤの報道によるとこれはフォルポスト-Mと呼称され、2019年には完成する予定だという。 フォルポスト-Mは統一計器製造会社製の情報記録装置、通信システム、ストラップ・ダウン慣性航法装置が装備され、音声メッセージ、ナビゲーションデータ、画像、チャット形式のテキストダイアログを送信したり、同時に複数の通信チャネルを介してHD品質のビデオ画像を送信することが可能となるという。また、地上の制御ステーションだけでなく、ヘリコプターを含む他の航空機や衛星などと直接通信することができ、センサーを使って集められた情報を評価し、リアルタイムにデータを地上または空中に中継することも可能である。ストラップ・ダウン慣性慣性航法システムにより、GLONASSまたはGPSシステムを使用せずとも飛行が可能である。 シリアでの戦訓をもとに霧や砂嵐の際に光学センサーが十分効果的ではないという理由から高精度の小型レーダー搭載を計画しており、運用を容易にするため、レーダーはポッド形式で翼または胴体下に装備される予定。このレーダーは既存のフォルポストの装備にも加えられるという。 光学センサー自体も新しいモジュラー光学システムになる。これより夜間を含む全天候下で動作することが可能となった。 地上管制システムとの通信距離は半径250km、到達可能高度は5,000m、速度は200km/h、飛行時間は17時間、重量は450kg以上となっている。 武装型もあり、2018年7月9日付けのロシア新聞はフォルポスト-M2と呼ばれる型式が誘導爆弾で武装していると報じている。爆弾は独自のもので敵のレーダーで映らない特別な容器に隠されており、2つを装着可能。ペイロードは100kgは超えることが想定されている。これら新しい航法装置とレーダーなどの識別手段との組み合わせにより、フォルポスト-Mは完全に自律的な攻撃プロットフォームとなるという。武装型については2018年7月24日に試験を完了し、ロシア軍で運用される最初の攻撃型UAVとなったと報道されている。 フォルポスト-R 2019年8月22日に初飛行、2020年に運用に入る予定。 フォルポストM同様に最新の電子機器、地上管制施設、通信回線、ロシアのソフトウェアを装備し、構造材料も国産品で代替、エンジンは近代的な国産エンジンAPD-85を搭載している。電子機器面では光学以外に、無線およびレーダーでの偵察が可能になった点はフォルポスト-Mと同様。新しい無線回線により、通信距離は100km拡大し、ジャミングにも強くなっている。MOSP-3000はUOMZ製のGOES-540あるいはNPP Aviation and Marine Electronicsが開発したGOES-4で置き換えられる(メインシステムはGOES-540でオプションでGOES-4を選択できる)。2021年には2つの誘導ミサイルを装備しているタイプも確認されている。飛行高度は5.9km、飛行時間は少なくとも10時間、巡航速度は最大180km/h、ペイロードは重量100kgまでとなっている。
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