無菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 03:26 UTC 版)
「ウイルス性髄膜炎」の記事における「無菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎」の解説
無菌性髄膜炎は通常のグラム染色、培養検査で病原体が見つからない髄膜炎をいう。ウイルス性髄膜炎と無菌性髄膜炎はしばしば互換的に用いられるがそれは適切ではない。多くはウイルス性髄膜炎と考えられるが、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ライム病、回帰熱、ブルセラ症、レプトスピラ症マイコプラズマの一部も無菌性髄膜炎として発症することがあるからである。 1925年にWallgrenによって記述された無菌性髄膜炎の規定する定義は以下のとおりである。 急性発症である 髄膜刺激症状の徴候 髄液所見では単球優位の異常を呈する 髄液の塗沫標本や培養からは細菌が検出されない 髄膜以外の場所に感染病巣を認めない 自己制約的であり良性の経過をとる この定義では、感染性でもウイルス性(エンテロウイルス、ムンプス、リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス、HIV、その他)、非ウイルス性(結核、真菌、マイコプラズマ、リケッチア、梅毒、ライム病、回帰熱、ブルセラ症)、その他としては細菌性髄膜炎治療中、髄膜周辺の感染源、心内膜炎を伴う髄膜炎、急性散在性脳脊髄炎(傍感染性症候群)、非感染性ではCNSループス、サルコイドーシス、片頭痛、外傷性腰椎穿刺、慢性良性リンパ球性髄膜炎、血管炎、髄膜癌腫症、薬剤性(イブプロフェン、イソニアジド、アザチオプリンなど)があげられる。症状が10日以上持続した場合は結核性髄膜炎や真菌性髄膜炎の可能性も考えられ髄液検査を再検する必要がある。
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