無菌動物とは? わかりやすく解説

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むきん‐どうぶつ【無菌動物】

読み方:むきんどうぶつ

微生物寄生虫のまったくいない状態の実験用動物母胎内から手術取り出すなどし、無菌環境飼育して作る特定の病原体について無菌である場合SPF動物とよぶ。


無菌動物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 10:04 UTC 版)

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無菌動物(: Germ-free animals)とは体内および体表に微生物ウイルス寄生虫を含む)が存在しない動物(現実的には検出可能な全ての微生物が存在しない動物)。無菌動物はウイルス、細菌、寄生虫などの要因を制御するために無菌のアイソレータ内で飼育される[1] 。無菌動物に既知の細菌や微生物群を定着させた動物はノトバイオートと呼ばれる。無菌動物は哺乳類では妊娠末期の母獣の帝王切開あるいは子宮切断により、魚類昆虫鳥類ではの外側を薬液で滅菌後にアイソレータ内で孵化させることによって作出される。子宮内や卵は一般に無菌状態であるが、微生物で汚染されている場合もあるので、厳密な無菌操作を行っても無菌動物を作出できない場合もある。

無菌動物はプロバイオティクスの研究やコンタミネーションが実験に影響を及ぼすために注意深い制御が必要な研究で用いられる[2]

無菌動物は、盲腸の容積が大きく、寿命が長いなどの特徴を有する[3]。自由摂食環境下で無菌マウスと通常マウスを比較したところ、無菌マウスの寿命が長かった結果が得られた[4][5]

微生物がいる腸壁では指状突起が長く伸びて表面積が大きく、微生物がいない腸壁では表面積が小さい。このため無菌マウスでは通常のマウスに比べて同じエネルギーを得るために30%多く食物を摂取しなければならない[6]

関連項目

参考文献

  • 光岡知足ほか編集 『獣医実験動物学』 川島書店 1990年 ISBN 4761004282

脚注

  1. ^ University of Michigan Germ Free Animal Facility - example facility for raising germ-free animals
  2. ^ Of Probiotics and Possibilities - J. Armbrecht. Dept of Bacteriology, University of Wisconsin-Madison. August 2, 2000.
  3. ^ http://wwwcrl.shiga-med.ac.jp/home/seminar/toku_sem/sp96/sep10am/home.html
  4. ^ 田爪正気, 梅原恵子, 松沢秀之, 相川浩幸, 橋本一男, 佐々木正五、「マウスの寿命および成長に及ぼす無菌状態と制限食の影響」『Experimental Animals』1991年 40巻 4号 p.517-522、doi:10.1538/expanim1978.40.4_517
  5. ^ 篠田 元扶、前島 一淑、「無菌動物の生理学的特性」『Experimental Animals』1978年 27 巻 3 号 315-327、doi:10.1538/expanim1978.27.3_315
  6. ^ アランナ・コリン著、矢野真千子訳『あなたの体は9割が細菌』 2016年8月30日、河出書房新社、ISBN 978-4-309-25352-7

無菌動物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 07:55 UTC 版)

腸内細菌」の記事における「無菌動物」の解説

無菌動物とは、体内および体表微生物ウイルス寄生虫を含む)が存在しない動物現実的に検出可能な全ての微生物存在しない動物)のことである。無菌動物はウイルス細菌寄生虫などの要因制御するために無菌のアイソレータ内で飼育される。無菌動物は、盲腸容積大きく寿命長いなどの特徴有する。自由摂食環境下で無菌マウス通常マウス比較したところ、無菌マウス寿命長かった結果得られた。 腸内細菌には大型動物利益もたらす面も害をなす面もあるが、どちらが大きいのかについては不明である。無菌動物の場合寿命が普通個体よりも長いので、総計すれば害の方が大きい、との可能性もある。しかし、現実社会ではヒト無菌状態生活することはできない

※この「無菌動物」の解説は、「腸内細菌」の解説の一部です。
「無菌動物」を含む「腸内細菌」の記事については、「腸内細菌」の概要を参照ください。

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