正と反の経済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 04:15 UTC 版)
●経済活動2つの行動原理: マクロ経済学は、経営マターの集積上に成立する。木下理論は従来の2つの経済学(新古典派・ケインズ派)の論争を、OR(オペレーションズリサーチ)概念の導入により、「正と反の経済」で解明し1つの体系に合アウフヘーベン止揚。 アダム・スミス経済の行動原理・正の主問題マクロ経済学 ・目的合理的性:「マックス・ウェーバー資本主義の精神。」企業は利潤を最大化する、消費者は効用を最大化する。見えざる手(アダム・スミス)。「レッセフェール」自由放任の倫理。市場機構に任せる。最大多数の最大幸福「パレート最適」。 ・経済活動は宗教的エトスである。「セイの法則」モノを作れば全て売れる。供給が需要を作る。労働=供給は美徳である。 ・金儲けは善である。利子を認める。時は金なり。 Y=C+I,Y⊂C+I,C=aY, dY/dl=dC/dl+I,dY/dl=ΔY/Δl,dC/dl=ΔC/Δl Y≡C+I∴Y→C+I, Y-C≡S≡I 正の経済はインフレ・ギャップがある通常経済。モノは作れば売れる。正の経済は、企業は利潤の最大化を目指す。個人は効用の最大化を目指す。供給<需要。財・サービス<貨幣。非介入主義アダム・スミス古典派経済学 ケインズ経済の行動原理・反の双対問題マクロ経済学 ・ケインズ経済下の目的合理的性:企業は債務を最小化する。個人消費を控え、貯蓄する。倹約のパラドックス「合成の誤謬」。個の倹約は経済全体を貧困化する。 ・需要側の経済活動は宗教的エトスである。「有効需要の原理」モノを作っても売れるとは限らない。需要が供給を作る。遊び=消費は美徳である。 ・政府の財政出動が必要である。恐慌経済。政府の介入。公共事業。 Y=C+I,Y>C+I,D=aY+I,S=Y, 1/1-a,∇I/1-a,a>1,a<1, Y≧C+I∴Y←C+I, Y-C=S≧I,Y=C+I+G 反の経済はデフレギャップがある恐慌経済。モノを作っても売れるとは限らず。企業は債務の最小化を目指す。個人は消費を控え、貯蓄する。供給>需要。財・サービス>貨幣。介入主義ケインジアン経済学 ●双対関係 主問題経済学 双対問題経済学 法則 見えざる手 合成の誤謬 行動原理 利潤の最大化 債務の最小化 セイの法則 供給が需要を作る × 有効需要 × 需要が供給を作る 金融政策 ○ × 財政政策 × ○ 新古典派とケインジアン派の、2つの経済政策が論争してきたが、結局、正しく現状分析し、状況に応じて、使い分けるべきだった。 ● 2つの経済法則 以下の2つの経済法則は木下栄蔵が2004年より提唱している。 2つの経済法則「正の経済法則」「反の経済法則」」1. 法則「神の見えざる手」 「合成の誤謬」 2. 企業の行動原理利潤の最大化 (企業) 債務の最小化 (反企業) 3. 政府の行動原理財政再建 (政府) 財政出動 (反政府) 4. 「セイの法則」供給が需要をつくる 作動せず、需要不足を招く 5. 「有効需要の原理」作動せず、供給不足によりクラウディングアウトが起こりうる 需要は供給がつくる 6. 金融政策金利を下げると企業は金を借りて投資が増え、マネーサプライを増やすと需要が増えるため有効 金利を下げても企業は金を借りず、マネーサプライを増やしても需要が増えないため無効 7. 財政政策無効 政府が最大の消費者になるため有効 8. トリクルダウン成立する 成立しない 9. 金利通常の金利 超低金利 10. 失業増えない 増える 11. 貯蓄貯蓄は投資にまわる 貯蓄は投資にまわらない 12. リカードの比較優位説成立する。貿易がWin-Win構造になり、グローバリゼーションが成り立つ 成立しない。貿易がLose-Lose構造になり、グローバリゼーションは成り立たず、各国は鎖国(保護貿易)になる 13. 官と民の関係官から民が正しい政策 民から官が正しい政策 14. 公共事業経済効率(供給サイド)のいい、効率的な公共事業がいい 経済効果(需要サイド)のある、効果的な公共事業がいい 15. 思想左翼思想(マルクス思想)が受け入れられない 左翼思想(マルクス思想)が受け入れられる 16. 戦争と平和平和を維持できる 戦争が起こりやすい。戦争がもっとも効果的な財政出動になる 17. 構造改革と規制緩和供給不足になるため、構造改革と規制緩和が必要 構造改革と規制緩和の必要はない 18. 政府の大きさ小さな政府 大きな政府 19. 赤字国債赤字国債は発行できない 赤字国債を発行すべきである。長期金利は低い 20. 政治民主主義の思想(ルソーの社会契約論) 独裁型政治(帝国主義論) 21. インフレギャップかデフレギャップかインフレギャップ デフレギャップ 22. グローバリゼーションか帝国主義かグローバリゼーション(外向き) 帝国主義(内向き)
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