ケインズ【John Maynard Keynes】
ケインズ
ジョン・メイナード・ケインズ
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初代ケインズ男爵ジョン・メイナード・ケインズ(英: John Maynard Keynes, 1st Baron Keynes[2] CB, FBA 、1883年6月5日 - 1946年4月21日)は、イギリスの経済学者、ジャーナリスト、貴族、投資家[3]。イングランド、ケンブリッジ出身。20世紀における最重要人物の一人であり、経済学者の代表的存在である。その功績が現代の経済学に与えた影響は計り知れない。ケインズは、失業の原因に関する経済理論を確立し、代表作である『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936) では、完全雇用政策に基づく経済不況の救済策を提唱した[3]。マクロ経済学の理論と実践、および各国政府の経済政策を根本的に変え、最も影響力のある経済学者の1人である[4][5][6]。ケインズは、数学を研究後、景気循環理論を改良し[7]、有効需要[注釈 1]に基いてケインズサーカスを率いてマクロ経済学を確立させた。ケインズ経済学として知られる学派の基礎となる理論を作成した[8]。また、第二次世界大戦後の外為体制(ブレトン・ウッズ体制)をめぐりハリー・ホワイトと案を出し合った。
注釈
- ^ ミハウ・カレツキが先であるとされる。
- ^ ジョン・ネヴィル・ケインズの著作の日本語訳として、キインズ著、経済学の領域及び方法 浜田恒一訳 春秋社・世界大思想全集第74巻, 1933、『経済学の領域と方法』上宮正一郎訳 日本経済評論社,2000.4 http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/1208 がある。
- ^ ケインズの妻のリディア・ロポコワはロシア人で、リディアの家族はペトログラードに住んでいた。
- ^ 浅野栄一の説明[73]。なお、ドスタレールによれば、ケインズは、保守主義へと変形した古典的自由主義(ファシズムとナチズムはその極端)と戦う一方で、社会主義の急進的な形態であるボルシェヴィズムと共産主義を否定し、ニュー・リベラリズム、ソーシャル・リベラリズム、あるいはリベラル・ソーシャリズムの道を支持した[74]。
出典
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「ケインズ」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は大学でケインズ経済学を勉強した。
- あの経済学者は忠実なケインズ学徒だ。
- ジョン・メイナード・ケインズまたは彼の経済学理論の、あるいはそれらに関するさま
- 企業を活性化させ雇用率を上げるために、政府による金融、財政プログラムを提唱したジョン・メイナード・ケインズの経済理論
- ジョン・メイナード・ケインズの経済理論の追従者
- ケインズ経済学が経済学理論に及ぼした影響
- しかし,4人のうちの1人,エドマンド(スキャンダー・ケインズ)が魔女に捕らわれてしまう。
- ペベンシー家の4人の子どもたち,ピーター(ウィリアム・モーズリー),スーザン(アナ・ポップルウェル),エドマンド(スキャンダー・ケインズ),ルーシー(ジョージー・ヘンリー)が魔法の国ナルニアに偶然入り込み,そこに平和をもたらすために戦ってから1年経った。
- ペベンシー家の4人の子どものうちの2人,エドマンド(スキャンダー・ケインズ)とルーシー(ジョージー・ヘンリー)は,他の家族がいない間,いとこのユースチス・スクラブ(ウィル・ポールター)の家に滞在している。
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