晩年に関する研究史とは? わかりやすく解説

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晩年に関する研究史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:58 UTC 版)

足利頼氏」の記事における「晩年に関する研究史」の解説

弘長元年七月廿九日己丑武藏前司筑前入道行善常陸入道行日等。放生會之時可參候廻廊之由。可相觸之旨。被仰下云々随兵之中。在國四人辞退請文昨日小侍所。付武藤少卿景頼之間。今日披露。此外條々有其沙汰云々。 (中略) 在鎌倉人々中申障 尾張前司 越前々司 治部大輔 周防上総前司 佐渡五郎左衛門周防三郎左衛門尉 宇都宮五郎左衛門出羽三郎左衛門尉 以上勞之由申 (以下省略) (『吾妻鏡』より) 頼氏は弓矢優れ鶴岡八幡宮での流鏑馬などで活躍していたが、生来から病弱だったために、弘長元年1261年7月29日、頼氏を指すと思われる治部大輔」が翌月15日鶴岡八幡宮での行事放生会)を病気辞退したという上の記述最後に史料から姿を消したその後の頼氏は、没年にも異説多く弘長2年1262年)説、弘安3年1280年)説、永仁5年1297年)説がある。詳しく以下の通りである。 弘長2年1262年死亡説 足利吉祥寺位牌4月24日死去。 『瀧山寺縁起』「温室番帳」:4月24日死去。 『蠧簡集残編 六』所収足利系図」:4月24日死去 弘安3年1280年死亡説 『尊卑分脈』・『系図纂要』:4月2日出家4月7日23歳死去。 『続群書類従所収足利系図」:4月7日33歳死去永仁5年1297年死亡説 鑁阿寺位牌6月9日40歳死去。 「新田足利両家系図」:6月9日40歳死去臼井信義によれば文永6年1269年4月に子の家時が鑁阿寺与えた定文条々(寺規七ヶ条)があることから家時がこの段階で足利氏当主であったとみられること、1280年説または1297年説で享年23または33または40とした場合に、頼氏の生母宝治元年1247年)に死去していることと矛盾すること、建長4年1252年)の段階で頼氏(利氏)が幕府に出仕していることが窺える『吾妻鏡』記述前述参照)に矛盾することや、子である家時の没年との関係から、1262年説が有力であり、鶴岡八幡宮放生会への供奉辞退したという上の記事がこの説を裏付けるのであるとしている。またこの臼井説が出された後に次の史料発見された。 四月…(中略)…同廿四日治部大輔源頼氏弘長二年壬戌御逝去、此時為一切経会料所寄進阿知波郷了、 (『瀧山寺縁起』「温室番帳」より) この『瀧山寺縁起』は他の記載含めて信憑性の高いものとされ、この記述根拠臼井弘長2年1262年死亡説支持する見解出された。そのうち前田治幸は更に『蠧簡集残編 六』所収の「足利系図」にも頼氏の項に「弘長二年四月廿四日卒」とあることを根拠に、臼井の説を補強された。 尚、異説として『関東往還記』弘長2年6月19日条に「足利左馬入道」が西大寺叡尊のもとに参っている記事見られ、「足利左馬入道」を左馬頭(『尊卑分脉』や『系図纂要』では左馬助)の官途名持った頼氏として同年4月24日死亡説否定する説も出された。これについては、前述通り弘長2年死亡説支持する前田が、東京大学史料編纂所所蔵写真帳で同箇所確認してみると「畠山入道足利左馬入道 参、」とあり、畠山泰国とみられる畠山入道」の割注であることが分かり、また頼氏が「左馬頭もしくは左馬助であった形跡確認できないことから、「足利左馬入道」は泰国叔父である足利義氏左馬頭、頼氏の祖父)を指し、本来は「足利左馬入道甥」とあったものが伝写される際に誤って消えてしまったものとする見解示している。また、前田は『尊卑分脉』以下の系図類に注記される「三河守」についても、世良田頼氏混同している可能性があるとして否定的な見解示している。 以上のことにより、1262年死亡説が有力とされる命日について弘長2年1262年)に死亡とする上記3つの史料掲げ4月24日享年については生母との関係から判断して『尊卑分脈』掲載23正しいとされ逆算する仁治元年1240年生まれということになる。前述したが、建長3年1251年)に元服したとみられることも生誕年を推定する根拠となる。誕生時点では、両親祖父にあたる北条泰時存命している。

※この「晩年に関する研究史」の解説は、「足利頼氏」の解説の一部です。
「晩年に関する研究史」を含む「足利頼氏」の記事については、「足利頼氏」の概要を参照ください。

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