日本軍の戦力状況とは? わかりやすく解説

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日本軍の戦力状況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:17 UTC 版)

沖縄戦」の記事における「日本軍の戦力状況」の解説

沖縄本島地区における最終的な日本側の陸上兵力は、116,400とされるが、日本本土から戦闘部隊として派遣されたのはその中で50,000名だった。他に海軍陸戦隊実際に武器操作ができるのが3,000名、軍の後方部隊20,000名であり、残りの約35,000名が防衛召集され沖縄県民だった。 第32軍は戦力不足を補うため、自力戦力増強として同じく地上戦が行われた南樺太北千島択捉国後色丹歯舞満洲などと同様に戦闘員としても住民根こそぎ動員した。沖縄県民17歳以上45歳未満男子召集して、第32軍の各部隊や「防衛隊」と俗称される補助兵力編入したが、沖縄からは既に30,000名が召集され沖縄県外の部隊従軍しており、合計65,000名が兵士として召集されたこととなり、青年男子無しと言っても過言ではない状況となった。 他に旧制中学校生徒から成る鉄血勤皇隊や、女子生徒衛生要員としたひめゆり学徒隊白梅学徒隊なども組織され、その数は2,000以上に達している。(現地住民戦闘協力詳細は#住民戦争参加参照本島守備隊主力は、関東軍から転用された第24師団であった前述通り、第32軍の選定により沖縄残存し部隊で、台湾転用された第9師団比較する強力な師団砲兵有していたことが、大きな選定理由となっていた。もうひとつ本島所在師団である第62師団師団砲兵欠いた本来は警備用編制であったが、大陸打通作戦参加したことにより、実戦経験豊富な精強戦闘部隊となっていた。独立混成第44旅団輸送船撃沈大損害を受けた部隊で、補充のため千葉集められ一〇〇式輸送機空輸され独立混成第15連隊主力になった機甲部隊30両に満たない戦車第27連隊があるだけだった兵站部隊や船舶部隊地上戦闘用に使うため6個の特設連隊として再編されている。また、八原は牛島軍司令部要員などの冗員第一線に回すよう進言している。このように第一線戦力強化進められたが、当時の第32軍の評価真の陸戦兵といえるのは約4万人に過ぎなかった。 第32軍の歩兵戦力戦力不足だったのに対し砲兵戦力当時日本軍としては極めて充実していた。第5砲兵司令部指揮下だけで400門以上の火砲擁すほか、砲兵師団1個と独立混成旅団砲兵隊および戦車第27連隊機動砲兵、また歩兵部隊中の歩兵砲があった。生産力補給力に劣る当時日本軍において、このような大量火砲投入されたのは第1砲兵隊投入され緒戦一連の南方作戦香港の戦いシンガポールの戦いフィリピンの戦いコレヒドール島砲撃戦)等)や、硫黄島の戦い等に限られるアメリカ陸軍公式戦史も、沖縄日本軍について従前日本軍大きく異なる点として、日本軍相手では経験したとがない多数火砲とその効果的な運用指摘している。アメリカ軍戦訓広報誌Intelligence Bulletin」において「日本軍過去10年わたって準備してきた沖縄防衛作戦は、那覇首里与那原防衛強化のために用いられ火力支援の質、量の面で卓越したものであった沖縄日本軍砲兵は、連合軍太平洋戦線遭遇したなかでもっとも有効であった。」と評価していたが、実際に沖縄防衛作戦が真剣に検討され準備始めたのは、第32軍が沖縄配置され1944年2月で、持久作戦方針転換したのは第9師団転出となった1944年以降のことであり、10年ではなくわずか半年足らず準備であった。 特に日本軍火砲効果挙げたシュガーローフの戦いにおいてはアメリカ海兵隊員は「やつら(日本軍)は牛乳瓶中にでも弾を撃ち込むことができた」とその正確性驚愕し、後に編纂された第6海兵師団戦史では「日本軍砲撃これまで出会った事が無いほど、優れた統制正確さの下で実施された」と纏められている。ある時には観測地点敵情観察中のアメリカ海兵隊将校らのど真ん中砲撃命中させ、大隊長戦車隊将校ら5名を戦死させ、中隊長3名に重傷負わせるといった正確性発揮している。

※この「日本軍の戦力状況」の解説は、「沖縄戦」の解説の一部です。
「日本軍の戦力状況」を含む「沖縄戦」の記事については、「沖縄戦」の概要を参照ください。

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