日本幽囚記とは? わかりやすく解説

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にほんゆうしゅうき〔ニホンイウシウキ〕【日本幽囚記】

読み方:にほんゆうしゅうき

文化8年1811千島列島来航したロシア帝国軍ゴロブニン2年3か月余にわたる日本幽閉の手記。1巻1816年刊。文政年間18181830)に「遭厄日本紀事」、明治27年(1894)に「日本幽囚実記」と題して邦訳された。


日本幽囚記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:53 UTC 版)

ゴローニン事件」の記事における「日本幽囚記」の解説

ゴローニン帰国後、日本での捕囚生活に関する手記執筆し1816年官費出版された。三部構成で、第1部・第2部日本における捕囚生活の記録第3部日本および日本人に関する論評である。ケンペル『日本誌』出版されたのははるか以前のことで、日本について書かれ西洋人報告記は待望久しかった。『日本幽囚記』は、ロシア人書いた初の日本人論でもあった。 極東での任務遂行にあたりゴロヴニン既刊書から日本研究行ってたらしい。『日本幽囚記』には、ケンペルシャルルヴォアモンテスキューヴォルテール等の日本人論影響認められる日本人忠孝観を示すエピソードとして、ゴロヴニンは「景清物」と呼ばれる平家残党伝承紹介しているが、これはケンペル『日本誌』からの引用である。国生み神話や除福伝説への言及にも、ケンペルの書の影響認められるキリスト教という宗教倫理を礎として発展した西洋法と比して戦国法の踏襲中国法制参照して独自の発展遂げた日本の法律西洋人にとって理解し難いものであったモンテスキューの『法の精神』は日本の刑法に対して辛辣な批判加えているが、ゴロヴニンその手記の中で、自らが囚われの身であったにも拘わらず加害者ある日本人露骨な憎悪中においてさえ、その行動理解し赦すという公平さ示した幕末ロシア正教会司祭として来日したニコライ・カサートキン同書読んで日本への関心高めた伝えられている。そして同書ドイツ語フランス語英語他各国語翻訳され日本に関する最も信頼のおける史料として評価された。尚、ドイツ語版以降翻訳には、訳者シュルツ(Carl Johann Schultz)がその作業にあたってゴロヴニン自筆原稿参照したため、ロシア国内では検閲のために削除され文章そのままの形で含まれている。日本ではドイツ語版重訳したオランダ語版第1部・第2部のみ)が1821年オランダ商館長により江戸もたらされ翌年から馬場貞由翻訳中死去)、杉田立卿青地林宗翻訳高橋景保校訂し1825年文政8年)に本編12巻付録2巻から成る『遭厄日記事』として出版された。同書淡路島帰っていた高田屋嘉兵衛入手し読んでいたことが判明している。明治27年(1894)には『日本幽囚実記』として邦訳された。 ゴローニンとともに監禁され海軍士官ムール少尉は、獄中で『烏児(モウル)獄中上表』(ゴローニンらの職務内容今まで活動ロシアヨーロッパ国情などについて)を書きロシア通詞村上貞助らが日本語翻訳したが、この上表とゴローニンの『日本幽囚記』には多く相違があったため、書物奉行天文方高橋景保らはムールの『獄中上表』をオランダ語訳してヨーロッパで出版する計画推し進めたシーボルト事件高橋失脚したため頓挫しムールロシア帰国自殺したため『日本幽囚記』の記述のみが史実として広まった)。

※この「日本幽囚記」の解説は、「ゴローニン事件」の解説の一部です。
「日本幽囚記」を含む「ゴローニン事件」の記事については、「ゴローニン事件」の概要を参照ください。

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