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文散図小柄

もんちらしずこずか

江戸後期
赤銅石目地金七宝象嵌
長さ;97.5ミリ幅14.5ミリ

緑色で透明な宝石ではエメラルド軟玉が、また我が国産するものでは翡翠などが知られている。この美しさ再現古来錬金術如く試みられてきたが実現成らず、その代わりとしてガラス素材利用とそれへの添加物が、ガラス宝石変容させるに至った。もちろんその過程様々な色あいのガラス素材が生み出され、天然宝石代えられて器物装飾大いに用いられたのである我が国では、奈良期にみられるような古伝七宝技術美術工芸として桃山世に再現させたのが平田道仁であり、この技術改良加えて七宝素材透明感を強くし、洗練味を高めていったのが平田家各代の工。ことに八代目の春就は文様意匠とその配置など画面構成巧みにし、後の文様文化大きな道標をもたらしたとも言えよう。掲載小柄は、江戸時代中期発展した平田七宝典型的作品で、地板石目仕上げの手法や七宝文様形成する金線に囲まれたガラス質のありよう、文様意匠などから春就を時代的に遡る工の作品とみられ、殊に古来求められ続けていた緑色で透明な七宝様子と、白・黒・黄・、そして金線との色彩調和美にみどころがある。戸ロと戸尻部分は金の色絵で装われ、拵に装着した際の美観考慮されている。平田七宝の示す上品で繊細平面構成からなる空間は、まさに江戸科学と美への探求心作り出したものであると言えよう。
文散図小柄







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