小惑星の発見とオルバースの仮説とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 小惑星の発見とオルバースの仮説の意味・解説 

小惑星の発見とオルバースの仮説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 05:37 UTC 版)

ヴィルヘルム・オルバース」の記事における「小惑星の発見とオルバースの仮説」の解説

1781年ウィリアム・ハーシェルによって新たな惑星である天王星発見され地球以外惑星古代から知られ5つだけではないことが明らかとなった。特に、19世紀初頭までにはティティウス=ボーデの法則論拠として、軌道開いた火星木星の間には未発見の惑星があるという推測がなされ、フォン・ツァッハ、シュレーターらによって天空警察 (独語版de:Himmelspolizey) と呼ばれた組織的な探索開始されていた。これは黄道帯24領域分割し各地天文台分担して捜索するという前例のない国際的プロジェクトだった。オルバースもこの探索プロジェクトにおいて重要な役割果たした。 はたして、1801年初頭シチリアピアッツィ新天ケレス (小惑星符号: (1) Ceres) を発見した。ただしこれは惑星探索別に発見されたもので、当初ピアッツィはそれを彗星考えた。しかし、すぐにその動きが円に近い軌道にふさわしいものだと判明した。短い期間の観測記録からガウス導いた位置予測元に1801年12月になってフォン・ツァッハとオルバース太陽反対側を巡ってきたケレスそれぞれ再発見しケレス4.6年の公転周期太陽周回し予測されていた火星木星の間の軌道を持つ天体であることが確かめられた。オルバースらがガウス軌道計算の手法正しさ証明したことは、ガウス名声高めることとなった。 それからわずか数か月後の1802年3月28日にこのケレス探索していたオルバースは、偶然に近く記録にない星を見出だし時間とともにそれがわずかに移動していることを確認した驚くべきことにガウスによって求められたこの天体軌道ケレスとよく似ていた。軌道面傾き離心率こそ大きかったが、ほぼ同じ軌道長半径持ち、よって火星木星軌道の間をほぼ同じ4.6年で公転していた。この新たな天体は、パラス ((2) Pallas) と名付けられた。 ケレスパラス発見は、単なる惑星の発見超えて太陽系の起源歴史、そして未来に関する興奮した議論天文学者たちにもたらしたオルバースは、すぐさまこれらがかつて存在した中規模サイズ単一惑星が何からの原因破壊されたものとの説を提唱したウィリアム・ハーシェル宛てた手紙の中で、 ケレスパラスは、一度火星木星の間のそれにふさわしい場所に位置していたより大きな惑星断片一対か、その一部過ぎず、〔その惑星の〕大きさ他の惑星とより近くおそらくは百万年も前に彗星の衝突によってか、内的な爆発によって、粉々になったのではないだろうか? と記している。オルバース同様の可能性触れた手紙返信して、ガウス1802年5月18日にこの仮説のもつ重要な含意について注意を向けさせている。 もし惑星粉砕されことがあるのだという可能性事実だと確認されたなら、そのとき現れることになる衝撃精神的な葛藤不信感神の摂理対す擁護反発とを想像してみてください惑星系揺るぎない安定性を持つということあまりに躊躇なく基づいて知識枠組み構築している人々何を言うでしょうか。もし、自分たちは砂上の楼閣築いてきたのであり、すべてが自然の力の盲目的な偶然の戯れ委ねられているのだと知ったならば! 仮説正しければ、さらに類似した軌道天体多数発見されるものとオルバース考え、その軌道推定した実際1804年にはハーディングにより3番目の小惑星ジュノーユノー) ((3) Juno) が発見されオルバース自身1807年3月29日ベスタ ((4) Vesta) を発見したベスタオルバースそれまでの3小惑星軌道接近する考えたところから見出だされたものだったその後オルバース1817年頃まで精力的に新天体の探索続けたが、オルバースによっても他の観測者によっても新たな発見はなかった。19世紀前半しばらくの間、これら4つ天体太陽系新たに発見され加わった惑星みなされた。 オルバース死後1840年代になって5つ以降小天体が相次いで発見されその後、これらの天体を表すのにウィリアム・ハーシェル提案したアステロイドasteroid, 小惑星)の名が一般に定着したオルバース提唱した仮想惑星には名前が無かったが、後にファエトン (Phaëthon, Phaeton) とも呼ばれSFなどを含め人々多く想像力掻き立ててきた。ただし現在、小惑星帯天体成因木星による摂動によってそもそも単一惑星の形成妨げられたためであるとの見方が有力である。

※この「小惑星の発見とオルバースの仮説」の解説は、「ヴィルヘルム・オルバース」の解説の一部です。
「小惑星の発見とオルバースの仮説」を含む「ヴィルヘルム・オルバース」の記事については、「ヴィルヘルム・オルバース」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「小惑星の発見とオルバースの仮説」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「小惑星の発見とオルバースの仮説」の関連用語

1
14% |||||

小惑星の発見とオルバースの仮説のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



小惑星の発見とオルバースの仮説のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヴィルヘルム・オルバース (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS