八神峰周辺
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八神峰周辺には霊場と考えられている箇所が多数存在する。富士山本宮浅間大社#山頂信仰遺跡も参照。 大内院(だいないいん) 山頂の中心にある大きい火口のこと。標高3,535m・八合目に相当。別名幽宮(かくりのみや)、お鉢、御内陣とも。浅間大社により禁足地となっている。 内院という名称は弥勒菩薩がいる兜率天内院から、幽宮は伊弉諾尊の終焉の地から取られている。 関係のある神仏は大日如来で、江戸時代には賽銭が入れられていた。詳細は富士山#山役銭と内院散銭を参照。 鮗池(このしろいけ) 三島岳など周囲の雪解け水が地下を流れており、その一部が窪地に現れたもの。鮗ヶ池(このしろがいけ)とも。江戸時代には橋が架かっていた時期もあった。 村山大宮拝所(むらやまおおみやはいしょ) 奥宮から鮗池を超えて、三島岳の北、虎岩の南に位置する、大宮・村山口からの登山者が内院散銭を行っていた場所。 虎岩(とらいわ) 三島岳の下、大内院につきだしている、うずくまる虎の形に見える岩。獅子岩(ししいわ)、虎石(とらいし)とも。 なお、吉田口下山道七合目(御中道)にも獅子岩と呼ばれる岩がある。 馬の背(うまのせ) 奥宮から剣ヶ峰へ向かう標高差60mの砂礫の急坂。江戸時代の資料では親不知ず(おやしらず)とも呼ばれている。 親知らず子知らず(おやしらずこしらず) 剣ケ峰の鉄塔の先から北の大沢崩れの突端へと続く切り立った岩稜。 1900年(明治33年)の『大日本地名辞書』では馬背ヶ獄(うまのせがたけ)として八神峰に数えられている。五岳とも。関係のある神仏は弥勒大菩薩(五岳)、日吉山王大権現(五岳)。 本来、この親知らず子知らずを通るのがお鉢巡りの「外浜道」だが、大沢崩れの崩落が続いたことから通行禁止となっている。そのため、現在のお鉢巡りは親知らず子知らずの内側を通る「内浜道」のみが通行可能となっている。 西安河原(にしやすのかわら) 内浜道にある広場。旧称は西賽ノ河原(にしさいのかわら)。名称は賽の河原および天安河原から取られている。以前は国立公園事務所が建っていた。 大沢崩れ源頭部(おおさわくずれげんとうぶ) 大沢頭(おおさわがしら)、一岳とも呼ばれる小さい峰(ピーク)。標高3,740m。白杭が建てられている。 関係のある神仏は延命地蔵菩薩(一岳)、伊勢天照皇大神宮(一岳)。一般的に八神峰には含まない。 万年雪(まんねんゆき) 大沢崩れ源頭部の下、大内院にある常に雪のたまる場所。五月から六月ごろには富士サミットフォール(富士頂上瀑)という氷柱、氷瀑となる。 (名称なし) 大沢崩れ源頭部と雷岩の間にある小さい峰(ピーク)。標高3,732m。白杭が建てられている。 雷岩(いかづちがいわ・かみなりがいわ) 大沢崩れ源頭部と白山岳の間にある岩。標高3,731m。一般的に峰(ピーク)ではなく岩とされ、八神峰には含まない。 旧称は雷ヶ岳(いかづちがたけ・かみなりがたけ)、雷之岳(いかづちのたけ・かみなりのたけ)、三岳。関係のある神仏は天鼓雷音如来(三岳)、普賢大菩薩(三岳)。 小内院(しょうないいん) 雷岩の下にある小さい火口(標高3,680m)。別名は阿弥陀ヶ窪(あみだがくぼ)で、阿弥陀如来から取られている。 シャカの割れ石(しゃかのわれいし、釈迦割石) 一般的には峰(ピーク)ではなく白山岳の一部である岩とされ、八神峰には含まない。浅間大社では単に「割れ石」と呼ぶのが正式。 金明水(きんめいすい) 白山岳の麓にある出水口で、雪解け水が溶岩からでている。信仰の対象として見られ、祠が祀られている。久須志神社が管理。 (名称なし) 久須志岳と久須志神社の間にある小さい峰(ピーク)。 吉田須走拝所(よしだすばしりはいしょ) 久須志神社と成就岳の間にある、吉田口・須走口からの登山者が内院散銭を行っていた場所。初穂打場(はつほうちば)とも。 (名称なし) 伊豆岳と朝日岳の間にある小さい峰(ピーク)。 荒巻(あらまき) 伊豆岳と朝日岳の間にある岩場(窪地)。旧称は勢至ヶ窪(せいしがくぼ)で、勢至菩薩から取られている。 江戸時代晩期から昭和中期にかけては噴気活動が存在し、明治時代および大正時代にはその地熱で茹でた卵が売られていた。 東安河原(ひがしやすのかわら) 朝日岳と須山口頂上の間、長田尾根の頂上にある広場。旧称は東賽ノ河原(ひがしさいのかわら)。NTT富士山頂分室があり、そばには富士無線中継記念碑と、富士山で殉職した栗山國男の殉難碑がある。長田尾根は御殿場口に繋がる、気象庁職員のために作られた冬季登山道で、世界遺産登録前は鉄柵があった。 須山拝所(すやまはいしょ) 東安河原と駒ヶ岳の間にある須山口頂上、銀名水のすぐ東に位置する、須山口からの登山者が内院散銭を行っていた場所。須山口頂上のあたりは銚子窪(ちょうしくぼ)とも呼ばれる。 銀明水(ぎんめいすい) 須山口頂上にある出水口で、雪解け水が溶岩からでている。信仰の対象として見られ、祠が祀られている。浅間大社奥宮が管理。
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