万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集とは? わかりやすく解説

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万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集

名称: 万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集
ふりがな まのせがわかこういきのはまぼうぐんらくおよびひがたせいぶつぐんしゅう
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 鹿児島県
市区町村 南さつま市加世田益山
管理団体 南さつま市
指定年月日 2007.02.06(平成19.02.06)
指定基準 動3,植4
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 指定予定地は万之瀬川河口から約1.5km上流左岸準用河川荒田川万之瀬川に注ぐ合流地点から万之瀬川左岸沿いに約1km上流まで、幅約100m範囲である。万之瀬川南さつま市北部位置する薩摩半島最大河川で、鹿児島市山地に源を発し東シナ海吹上浜海岸に至る二級河川である。延長は36kmと短いものの流域薩摩半島南部広がり流域面積は381k平方メートルとなっている。河口域では川幅400mほどにもなり、南九州最大規模河口干潟発達している。
指定予定周辺から上流にかけては泥質砂泥質の干潟がよく発達している。万之瀬川左岸沿いにある石積護岸付近泥質干潟中心にハマボウ1km以上にわたり1000以上が生育し日本最大規模群落形成している。中州近く砂泥質の干潟付近では疎らになり、アイアシやナガミノオニシバなどからなる塩沼植生広がり砂質部分ではハマゴウコウボウムギなどの砂丘植生発達している。
ハマボウアオイ科属す落葉低木で、樹高2~5m達し地際から屈曲した幹を多く出して大きなをつくる。7月前後直径5cmほどの黄色美し花を咲かせるが、一日花で朝に咲いて夜にしぼんでしまう。分布関東南部三浦半島以西本州西部四国九州で、本州では太平洋側中心となり、日本海側では山口県北限となる。九州には広く分布しており、南限は奄美大島となっている。奄美大島以南から沖縄にかけては近縁種常緑オオハマボウ分布している。かつては北限に近い静岡県三重県和歌山県などの本州にも大きな群落発達していたものの、護岸工事埋立などにより生育地失われ近年では絶滅危惧される群落一つ挙げられている。
さらにハマボウ群落周辺干潟には、日本最大規模生息地として知られるハクセンシオマネキはじめとして、コメツキガ二、チゴガニなどのカニ類が群生し河口付近では自然分布ハマグリの南限個体群イソシジミソトオリガイハザクラガイヤマトシジミなどの二枚貝多く地元人々漁獲対象となっているものも多い。これらの二枚貝の殻中にはフタハピンノという小型カニ共生しており、フタハピンノの数少ない健在産地となっている。それ以外にも、多毛類貧毛類などの環形動物紐形動物腹足類甲殻類など多く干潟生物生息している。これらの干潟動物を餌として、渡り鳥をはじめとした鳥類重要な生息地にもなっている。クロツラヘラサギなどの希少種含めこれまで130種以上の野鳥確認されている。
対象地ハマボウ群落群生する地域ほぼ全域含んでいる。万之瀬川河口干潟地域の中では、底質泥質から砂質までにわたり、塩沼植生砂丘植生含み多く干潟動物生息している、動植物多様性が高い地域である。
このように最大規模ハマボウ群落ハクセンシオマネキ群集発達し多様な干潟生物成育する地域として学術的価値が高いことから、天然記念物として指定し保護図ろうとするものである
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