ニオブ合金とは? わかりやすく解説

ニオブ合金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:09 UTC 版)

ニオブ」の記事における「ニオブ合金」の解説

C-103合金1960年代初頭にワー・チャン(英語版)とボーイング共同開発したデュポンユニオンカーバイドゼネラル・エレクトリック他数社が、冷戦と宇宙開発競争背景としてニオブ合金(英語版)を同時期に開発していた。89パーセントニオブ10パーセントハフニウム1パーセントチタン構成されており、アポロ月着陸船のメインエンジンなど、液体燃料ロケットのスラスターノズルに使われている。 スペースXファルコン9の上段用に開発したマーリン・バキュームシリーズのロケットエンジンノズルはニオブ合金で作られている。 ニオブは、酸素との反応性のため、真空中または不活性気体中で加工する必要があり、生産費用難度大きく上げ原因となっている。当時新規開発されていた真空アーク溶解英語版)または電子ビーム溶解英語版)により、ニオブそのほか反応性の高い金属に関する開発が可能となった。C-103合金開発したプロジェクト1959年始まりボタン状の金属を溶かして板金圧延できる、256ものCシリーズ(おそらくコロンビウム頭文字由来する)の試作ニオブ合金を開発した。ワー・チャンは、原子力ジルカロイ精製する過程得られハフニウム在庫しており、これを商業用利用したい考えていた。Cシリーズ合金103番目に試したニオブ89パーセントハフニウム10パーセントチタン1パーセント組み合わせが、成形性高温特性の点で最適であった。ワー・チャンは1961年に、真空アーク溶解および電子ビーム溶解用いて最初のC-103合金500ポンド(約225キログラム)を製造しインゴットから板金にした。意図されていた用途ガスタービンエンジン液体金属熱交換器であった当時C-103に競合していたニオブ合金としては、ファンスティール冶金製のFS85(ニオブ61パーセントタングステン10パーセントタンタル28パーセントジルコニウム1パーセント)、ワー・チャンおよびボーイング製Cb129Y(ニオブ79.8パーセントタングステン10パーセントハフニウム10パーセントイットリウム0.2パーセント)、ユニオンカーバイド製Cb752(ニオブ87.5パーセントタングステン10パーセントジルコニウム2.5パーセント)、およびスペリアー・チューブ製のニオブ99パーセントジルコニウム1パーセント合金であった

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ニオブ合金

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耐火金属」の記事における「ニオブ合金」の解説

詳細は「ニオブ」を参照 ニオブは、ほぼ常にタンタル同時に採掘されタンタル名前の由来であるギリシア神話における王のタンタロスの娘であるニオベーにちなん名づけられている。ニオブには多く用途があり、その中には他の耐火金属と共通のものがある。焼なまし使って広い範囲強度弾性実現でき、耐火金属の中ではもっとも低い密度を持つという点が特徴である。電解コンデンサやもっとも実用的な超伝導合金でも用いられるニオブ航空機ガスタービン真空管原子炉などでも用いられるアポロ月着陸船のメインエンジンなど、液体ロケットスラスターノズルに用いられる合金はC103と呼ばれるもので、89パーセントニオブ10パーセントハフニウム1パーセントチタンからなるまた、アポロ司令・機械船ロケットノズルには異なるニオブ合金が用いられている。ニオブ摂氏400度を超える酸化されるため、合金がもろくなってしまうのを避けるために、こうした用途では保護コーティングが必要となる。

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