カルコゲン化二水素化合物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 07:12 UTC 版)
「カルコゲン化水素」の記事における「カルコゲン化二水素化合物」の解説
酸素族元素カルコゲンの主な水素化物(水を含む)はXをカルコゲンとして化学式H2Xで表される。 これらの化合物は三原子化合物であり、それらの構造は折れ線形分子構造で、極性を有す。 水は、地球生物に必須な物質であり 、地球の表面は70.9%が水である。 他のカルコゲン化二水素化合物の殆どは毒性が高く、腐卵臭や野菜の腐敗臭を持つ。 硫化水素は、低酸素環境下の分解でしばしば生じ、 屁のようなにおいがある。硫化水素はまた火山ガスでもある。 硫化水素は有毒ではあるが、人体では少量の硫化水素が産生され、 細胞シグナル伝達に使用される。 水は他のカルコゲン化二水素を(少なくとも分子量がテルル化水素以下なら)溶かし、酸性の溶液となる。この溶液の酸性はハロゲン化水素よりも弱いが似た傾向があり、 カルコゲンの原子量の増加に伴って酸性度を増し、水中でも同様の形になる(水をヒドロニウムH3O+に、溶質をXH−イオンに変える)。ポロニウム化水素が水と酸性の溶液を作るのかどうか、或いは金属水素化物のような物質なのかはまだ分かっていない(アスタチン化水素参照)。 化合物水溶液化学式構造p K aモデル水 水 H2O 13.995 硫化水素 硫化水素水 H2S 7.0 セレン化水素 セレン化水素水 H2Se 3.89 テルル化水素 テルル化水素水 H2Te 2.6 ポロニウム化水素 ポロニウム化水素水 H2Po ? 以下にこれらの化合物の特徴の一部を示す 。 自然H2OH2SH2SeH2TeH2Po融点(°C)0.0 −85.6 −65.7 −51 −35.3 沸点(°C)100.0 −60.3 −41.3 −4 36.1 Δ H f ∘ ( k J ⋅ m o l − 1 ) {\displaystyle \Delta H_{f}^{\circ }\left(\mathrm {kJ\cdot mol} ^{-1}\right)} −285.9 +20.1 +73.0 +99.6 ? 気体における分子の結合角(H–X–H)104.45° 92.1° 91° 90° 90.9°(予測) 解離定数(HX−, K1)1.8 × 10−16 1.3 × 10−7 1.3 × 10−4 2.3 × 10−3 ? 解離定数(X2−, K2)0 7.1 × 10−15 1 × 10−11 1.6 × 10−11 ?
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