エレベーター
『死刑台のエレベーター』(マル) ジュリアンは、勤務する会社の社長夫人と、愛人関係になっていた。土曜日の午後、彼は会社に居残り、ビルの高層階の社長室へ乗り込んで、社長を射殺する。彼はエレベーターで1階へ降り、社長夫人に逢いに行こうと車に乗るが、殺人現場に忘れ物をしてきたことに気づく。彼は急いで再びエレベーターに乗り、高層階へ昇って行く。しかしその時、管理人がビルの諸電源を切り、施錠して帰ってしまった。エレベーターは停止し、ジュリアンは一晩中閉じ込められることになった→〔アリバイ〕4。
『ブラック・ジャック』(手塚治虫)「閉ざされた三人」 地下水のくみ上げによってデパートが傾き、倒壊する。大怪我をした男、その息子、ブラック・ジャックの3人が、エレベーター内に閉じ込められる。換気孔がふさがれ、エレベーター内は酸欠状態になる。このままでは3人とも窒息死するので、ブラック・ジャックは、大怪我の男にインシュリンを大量注射して仮死状態にする。男の呼吸量は激減し、救助されるまでの間の酸素を、なんとか確保することができた。
★2.落下するエレベーター。
『物理学はいかに創られたか』(アインシュタイン/インフェルト) 実在するものより遥かに高い摩天楼の頂上に、大きな昇降機(エレベーター)があって、これが地面へ落下すると仮定する。中の人がポケットからハンカチと時計を取り出して、下へ落とす。人もハンカチも時計も昇降機も、同じ加速度で落下するから、中の人にとっては、2つの物は手放した時と同じ所にとどまっている。それらの物を、どんな方向にでも押してみると、天井や壁や床にぶつからない限りは、いつまでもその方向に動いて行くだろう。
『もう一人分の空き』(イギリスの民話) 若い女性が、荘園領主の邸宅に宿泊した。夜中に、霊柩馬車が寝室の窓辺に止まり、馭者が「もう1人乗れるぜ」と言う。女性はカーテンを閉め、ベッドに駆け戻った。翌日、彼女はロンドンの大型店で買い物をし、最上階からエレベーターで降りようとする。エレベーターは混んでいたが、係りの男は「もう1人乗れますよ」と言う。それは昨夜の馭者の顔だった。彼女は乗らなかった。エレベーターは落下し、中の全員が死んだ。
★3.エレベーターの中の男女。
『サザエさん』(長谷川町子)朝日文庫版・第42巻100ページ 夜のエレベーター。ノリスケと若い女が乗っている。ノリスケは「こっちを怪しんでるんじゃねえかな」と気にする。女は「あたしが怪しんでると思ってんじゃないかしら」と考える。ノリスケも女も無言のまま、相手の心理を掘り下げて分析し続ける。やがてエレベーターは高層階に着き、2人は「アー、気疲れした」と言って降りて行く。
*展望エレベーター内の男女を狙撃する→〔銃〕3の『狼の挽歌』(ソリーマ)。
『地獄へ下るエレベーター』(ラーゲルクヴィスト) 女が不倫相手の男と一緒に、ホテルのエレベーターで階下へ降りる。エレベーターはどこまでも降りて行き、着いた所は地獄だった。女はそこで夫の姿を見て、夫が自殺したことを知る。女は「恐ろしいことだわ!」と叫んで、男とともにエレベーターに戻る。エレベーターは上へあがって行く。「もう、過ぎ去ったことよ」「もう、過ぎ去ったことだ」と2人は話し合う。
*地球の中心へ墜落する列車→〔トンネル〕1dの『トンネル』(デュレンマット)。
『現代民話考』(松谷みよ子)5「死の知らせほか」第1章の1 昭和38年(1963)、担任していた生徒が加古川で溺れ、仮死状態になった時の話。蘇生した本人から聞いた。本人は、あの世へ行く自動エスカレーターのようなものに乗り(大勢の人が乗っていた由)、針の穴のような灯火めがけて進んでいた。乳白色の花が咲き乱れ、色のない世界を通っていた時、後ろから「オーイ」と自分を呼ぶ声がする。振り向いたら、「オッ、気がついた」と言われた(兵庫県)。
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