イタリア盛期ルネサンス美術とは? わかりやすく解説

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イタリア盛期ルネサンス美術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:17 UTC 版)

西洋美術史」の記事における「イタリア盛期ルネサンス美術」の解説

詳細は「盛期ルネサンス」を参照 イタリアルネサンスのうち、15世紀末から16世紀初頭にかけての約30年間は特に盛期ルネサンス呼称し、区別される。これは19世紀定まった芸術観背景として、この時代古代ギリシア・ローマと並ぶ西洋美術完成期見做しそれ以前完成に至る準備段階として軽視していた考え方根付いたためである。しかし、今日では「初期ルネサンス」「盛期ルネサンス」を比較し、どちらが優れているかといった考え方改められそれぞれに特質魅力備わっている別個の美術として理解されてきており、その違い区別するための名称として使用されるようになっている主たる舞台ユリウス2世庇護のもとで活気取り戻したローマと、東方ヨーロッパ諸国を結ぶ貿易巨万の富を築いたヴェネツィアである。 1470年代から活動はじめたレオナルド・ダ・ヴィンチは、新し芸術様式創始者として活動当時から認識されており、巨匠と呼ぶにふさわしい功績数多く獲得したヴェロッキオを師としてフィレンツェ修行積んだ後、軍事技師画家彫刻家建築家としてミラノ公宮廷仕えたレオナルドは、その多才ぶりを遺憾なく発揮し多数作品後世伝え現代に至るまでの芸術家大きなインパクト残している。 絵画では『最後の晩餐』や『モナ・リザ』などを制作しており、特に『モナ・リザ』に使用され新し技法であるスフマート(ぼかし)は、画面新たな統一感をもたらし人物精気神秘的雰囲気与え技法として西洋絵画様相一変させるほどの影響与えたまた、自然科学の分野では、鋭い観察力的確な描画力で解剖学水力学などの研究先駆的な業績残したことも特筆すべき事項である。 一方ギルランダイオ師事したミケランジェロ・ブオナローティ人体における新し表現様式確立させ、彫刻絵画分野において突出した作品生み出したミケランジェロ制作したダヴィデ』はルネサンス全体通して代表的な作品として知られている。ローマ赴いた後、ミケランジェロシスティーナ礼拝堂天井画を手がけ、『創世記』の諸場面キリスト祖先たちの姿を描き出している。特に『アダムの創造』では超越者人間アダム邂逅印象的なタッチ描かれアダムの姿は盛期ルネサンスにおける理想的人間像として高い評価獲得した従来ミケランジェロ色彩乏し画家との評価なされてきたが、『アダムの創造』が洗浄され、その色使い露になったことで、その評価覆した作品としても名高いまた、同じシスティーナ礼拝堂描かれ『最後の審判』では、悲劇的な装い中にもヘレニズム彫刻的な逞しさを身に纏ったキリストらの肉体描き出している。1546年ドナト・ブラマンテの後を継いでサン・ピエトロ大聖堂建築総監督任じられるブラマンテ構想継承しつつ、新たに円蓋および建物後方部の設計行っており、古代建築本質体現させた。 ペルジーノ師事したラファエロ・サンティは、レオナルドミケランジェロ業績巧みに取り入れ20代半ば若さで独自の人物表現と画面構成形式美確立させ、『アテナイの学堂』に代表されるバチカン宮殿壁画制作している。ラファエロ確立した形式美盛期ルネサンス以降代表的規範として17世紀から19世紀にかけての多く画家影響与え続けた。 この時代教会公共施設による注文以外にも富裕層からの注文による美術品制作盛んに行われジョルジョーネの『嵐』に代表されるような周知の物語主題から逸脱した絵画感覚的魅力優先する作品数多く登場したのも、盛期ルネサンス特色のひとつと言えるこうした市場ニーズ呼応してヴェネツィアでは色彩絵具塗り方重要な地位占めるようになり、デッサン彩色するフィレンツェ技法に対して色彩造形するという新し技法誕生したレオナルドスフマート取り入れつつ、この技法確立させたのがジョルジョーネであり、早世したジョルジョーネの後を受け継いで油彩技法あらゆる可能性探究したティツィアーノ・ヴェチェッリオであった宗教画家・肖像画家としても絶大な人気誇っていたティツィアーノであるが、『芸術家列伝』を著したジョルジョ・ヴァザーリは、ティツィアーノ描いたエウロペの掠奪』について「近くから見るとわけがわからないが、離れて見ると完璧な絵が浮かび上がってくる」と評しており、近代油彩画創始者としてしばしば名が挙げられるようになっている同時に静的伝統を持つヴェネツィア絵画ダイナミズム導入したこともティツィアーノ功績として知られている。

※この「イタリア盛期ルネサンス美術」の解説は、「西洋美術史」の解説の一部です。
「イタリア盛期ルネサンス美術」を含む「西洋美術史」の記事については、「西洋美術史」の概要を参照ください。

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