《真鍮》の正しい読み方
「真鍮」の正しい読み方
「真鍮」は「しんちゅう」と読む。「真鍮」の意味解説
「真鍮」は金属の一種で、銅と亜鉛の合金である。特に亜鉛を20パーセント以上含んだ物を真鍮として扱うのが普通だ。真鍮は人類が作ったもっとも古い合金の一つとされ、紀元前のローマで銅と亜鉛の鉱石を混ぜた原始的な真鍮が使われていた。現在のような質の高い真鍮が作られるようになったのは16世紀に亜鉛金属が発見されて以降である。真鍮が持つ黄金色は亜鉛の含有量が関係している。亜鉛が多くなるほど白色に近くなり、逆に少ないほど赤色に近づく。金属の中では比較的融点が低く、流動性もあることから加工が容易で古くから装飾品や武具、日用品などに使われていた。また、非常に頑丈なことから大砲の砲身に使われたこともあり、そこから「砲金」の別称がつけられた。厳密に言えば真鍮と砲金は別種の合金だが、外見や性質がよく似ていることから同じ物として扱われることが多い。真鍮は電気伝導率も高く、金属の中では銀の次に電気を通しやすい性質がある。このことからプラグのメッキなど電気製品にも多用されている。日本でも真鍮は馴染み深い金属であり、黄金色に輝くことから金の代用品として寺社仏閣の装飾品として使われていた。現在でも通貨の一種である5円玉の材料として用いられている。真鍮は長く空気に触れると酸化作用により、次第に色が深くなり光沢が少なくなる。アンティーク家具など一部の物品においては経年変化によって色合いが変わった真鍮が価値を左右すると言われている。
なぜ「真鍮」と読むのか・理由
「真鍮」と書いて「しんちゅう」と読むのは中国における金属の扱いに由来している。中国では銅と酸化亜鉛鋼の合金を鍮石と読んでいた。中でも非常に質が高い物を「真に優れた鍮石」の意味で「真鍮」と呼び、その名称がそのまま日本に伝わったのである。「真鍮」の類語・用例・例文
「真鍮」の類語として「黄銅」「砲金」「金管」などがあり、それぞれ「こうどう」「ほうきん」「きんかん」と読む。「黄銅」は銅と亜鉛の合金の総称であり、真鍮は黄銅の一種だ。「砲金」は銅が90パーセント、錫が10パーセントの合金で、大砲の砲身に使われていたことが名前の由来である。真鍮とは別種の金属だが、性質が似ていることから金属を扱う業界では真鍮とほぼ同じ物と見なされている。「金管」は本来、トランペットなど金管楽器の略称である。材料に真鍮が使われていることから「金管」の俗称が用いられるようになった。例文として「真鍮の買取を受け付けている」「加工用の黄銅を発注した」「砲金はバルブやパイプの連結部分に使われている」「金管の輝きは美しい」などがある。「真鍮」の英語用例・例文
「真鍮」の英語表記は「brass」である。用例として「真鍮の留め具」を英訳した「brass fasteners」がある。- 《真鍮》の正しい読み方のページへのリンク