R-TYPE
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設定・ストーリー
当初は「異星人によるバイド帝国を破壊せよ」という設定が存在する程度だったが、1991年の会報誌(イリーガルミッション)にてR-9やフォース、バイドについての世界観が記載される。
アイレム会報誌や本作の移植版『R-TYPES』などで公式年表が作られ[5][6]、敵対する「バイド帝国」や「バイド帝星」の単なる異星人として描かれていたバイドの設定は『R-TYPE SPECIAL』や『R-TYPE III』などのブックレットでは以下のような特殊な存在として設定される。
STG作品のシナリオはそんなバイドの中枢を『R-TYPE III』では電界25次元、『R-TYPE FINAL』では26次元という物理的・相対論的に攻撃することが困難な異層次元空間で破壊するというものである。
バイド
有機物・無機物を問わずあらゆる物質を融合捕食する浸食作用を持つ極めて強い排他的攻撃衝動に支配された超束積高エネルギー生命体の総称。
破壊能力や破壊衝動を示す定数因子やバイド利用の有無を問わずフォースなどの兵器の能力指標として「バイド係数」が定められている。単位は「Bydo」であり、直接数値化する他にも、攻撃力の指標として、E〜Sまでの6つ「バイドクラス」を用いて分類されることもある。
なお、人類同様の2重螺旋構造の塩基配列を持つ自己増殖機能を備えた粒子で構成される物質でありながら、等質の波動を持ったものでないと干渉できない性質を持つため、対抗手段は波動兵器やフォースに限られる。
元々は26世紀の地球人類が“明らかに敵意を持った外宇宙生命体”に対抗すべく、生体物理学や遺伝子工学、果てには魔道力学をも応用して作り出した月と同規模のフレームに収められた星系内生態系破壊用兵器であり、敵母星にワープさせるはずが些細なトラブルで太陽系で発動。制御不能に陥ったことで異次元へと吹き飛ばされる。
それでも完全に破壊されたわけではなく、増殖と進化を続けながら彷徨い続けた末に22世紀の太陽系へと襲来し、22世紀の人類によって「バイド(Bydo)」と名付けられる。
『TACTICS』では銀河系・ペルセウス腕中心部で初めて確認される。
22世紀の人間は「バイドの切れ端」を回収・解析し、その研究成果を応用してR-9を始めとしたR戦闘機の装備、波動砲の戦闘実用化、フォースの制御に至る。同時に、研究の中でパイロットと機体を融合したり、あるいは部品化として扱った結果、敵から得られた生体素材をそのまま機体の素材として利用する運用方法が編み出された。
R戦闘機や宇宙戦艦、そしてその中に乗り込む人間の肉体および精神も例外ではなく、『R-TYPE Δ』『R-TYPE FINAL』および『R-TYPE TACTICS』シリーズにおいては自機や自軍がバイドと化して人類側と交戦するシナリオも存在する。彼らはある程度ながら人間としての自我と記憶を保っているようで、『FINAL』ではボイスレコーダーに地球に帰っても自分が人類に受け入れられない悲しみが記録され、『TACTICS』ではバイドに同化された艦のクルーたちがバイド化してもなお自分たちは人間であると錯覚したまま地球へ向かうことになる。
フォース
R-TYPE作中で人類においては唯一保有できた次元兵装である。超束積高エネルギー生命体「バイドの切れ端」にある種のエネルギーを食べさせ、三段階に成長したものから純粋なエネルギーのみを取り出し球状に収束。これに4対のコントロールロッドを打ち込むことで制御可能にした兵器。破壊不能で、外部からエネルギーを注入することで数倍の高エネルギー体(レーザー)に変換・放出できるという触媒としての性質を持っている。
フォース開発の過程で製造された人工フォースがビットである。R-9の出撃時点では敵エネルギー体に対しての近接防御機能を持たせた時点で戦場に送られた。対空レーザー使用時のみ余剰エネルギーで攻撃が可能。後に開発研究が進められ「シャドウフォース」開発の礎になったと考えられる(平行異次元の物語とされている『R-TYPE LEO』では前述のフォースが無いため、ビットが武装として強化発展をとげている)。フォースの名前は、物理的な「力」と精神的な「理力」の意味が込められている[3]。
ステージ構成
本作は全部で8ステージあり、1つステージの内容を2回繰り返す構成となっている[2]。
Stage | 内容 | 解説 | ボス |
---|---|---|---|
1 | 遭遇 | 異層次元への突入口となった崩壊したスペースコロニーへ突入。中盤に囲み砲台のゴンドランが登場する。復活ポイントが複数設定されている。ボスは長期戦になると本体で自機を圧死させようと迫ってくる[7]。 | ドブケラドプス |
2 | 生体洞 | 不用意に前に出ると上下からガウパーが体当たり攻撃をしかけてくる。オタマジャクシのような敵ウッキーの大群を抜けた後、無敵の巨大蛇インスルーをかわしながら進む。ボスは一切攻撃しないが、弱点の露出が短く、またインスルーがコアへの接近を阻む。 | ゴマンダー |
3 | 巨大戦艦 | 一画面に収まりきらない巨大戦艦とステージを通して戦闘するステージ。このステージはステージ全体の長さが短い代わりに中盤の復活ポイントが存在しないため、ミス時はステージの最初から再開となる。 | グリーンインフェルノ |
4 | 前線基地 | スカルトロンが次々と胞子を置いて線を引いて行くステージ。ボスは三体に分離して攻撃を仕掛けてくる。 | コンバイラー |
5 | 巣 | 巨大蛇のムーラが上下の茂みから出現する。ボスは多数の肉塊(タコ)を身に着けて本体を守っており、またその肉塊を飛ばして攻撃する。 | ベルメイト |
6 | 輸送システム | 弱点が片側にしかないコンテナのドップが次々に通路を通過する中、わずかな隙間をぬって進むステージ。ボスは存在せず、大量のドップが流れてくる中を一定時間凌ぎきるとクリア。 | なし |
7 | 腐敗都市 | 自機が近づくと誘爆する壁に注意しながら、通路から次々と出てくる雑魚敵の複合攻撃の中を進む。ボスであるブロンクは大した攻撃はしてこないが、画面上部から大量のゴミを、下部からはソナーといった攻撃を受ける[7]。 | ブロンク |
8 | バイド帝星 | 最終ボスとの対決が中心のステージで、中間復活ポイントが存在しない。ボスのバイドは青い渦のような弾を吐き出して攻撃してくる。この弾は画面内にとどまり続けるため放置していると画面を埋め尽くし回避不能となるため、その前に倒さなくてはならない。しかしボスの耐久力やボスの前面を肉の壁が守っていることもあり、肉の壁の内部にフォースシュートを撃ち込むことが必須となっている。このため『R-TYPE』の伝統である「最終ボスにはフォースシュートをぶつけることが必須」「最終的にフォースは最終ボスと共に爆散する」という要素は初代の時点で存在している。 | バイド |
注釈
出典
- ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、24 - 25頁、ISBN 9784881994290。
- ^ a b c d 「着脱自在の武器を駆使し、異形生物を破壊 アイレム販売『R-タイプ』基板」, 『ゲームマシン 312号』, p. 14.
- ^ a b 『CD R-TYPE Special ブックレット』ビクターエンターテイメント、1993年9月22日、12,13頁。
- ^ a b 『SHOOTING GAME SIDE VOL.9 電子版』マイクロマガジン社、2014年3月27日、6,25頁。
- ^ R's History~Legend of the Round-Canopy~
- ^ 1993年発売のアレンジサウンドトラック『R-TYPE SPECIAL(ビクターエンタテイメント株式会社)』付属のブックレットにはR's History~Legend of the Round-Canopy~の簡易版が掲載されていた。
- ^ a b 『PC Engine FAN』徳間書店インターメディア、1989年3月1日、39 - 60頁。
- ^ a b c d e f g h 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、68頁。
- ^ 田名網陽平 (2002年10月22日). “サイバード、「イース」や「雷電」、「R-TYPE」が遊べる 「ゲームの殿堂!!!」を配信” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年6月16日閲覧。
- ^ “『イース』『R-TYPE』などがiアプリに!「ゲームの殿堂!!!」が11月5日にオープン” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2002年10月22日). 2019年6月16日閲覧。
- ^ 太田亮三 (2004年3月22日). “サイバード、BREW版「R-TYPE」など4タイトル”. ケータイWatch. インプレス. 2019年3月2日閲覧。
- ^ a b “「GALAXY Note」に対応した「R-TYPE」がGoogle Playにて配信”. 4Gamer.net. Aetas (2012年4月9日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ “レトロゲーム専用機「GENERATIONS4」の発売日が5月31日から7月5日へ変更。7タイトルでゲーム途中のセーブ不可と判明したため”. 4Gamer.net. Aetas (2018年5月18日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ a b “アイレムにDECO,ジャレコのアーケードゲームが遊べるレトロゲーム専用機「GENERATIONS4」が5月31日に発売” (2018年5月2日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ a b c d 岩崎啓眞 (2010年10月4日). “PCエンジン版R-TYPEのコト”. 2019年3月2日閲覧。
- ^ “Video Game Den”. Video Game Den. 2011年8月13日閲覧。
- ^ 1987年にオンエアされていたPCエンジンのCMでは上下がカットされてスクロールしない映像も存在した。
- ^ a b “Wii用バーチャルコンソール一覧(1ページ目)”. 2019年3月2日閲覧。
- ^ “Wii用バーチャルコンソール一覧(2ページ目)”. 2019年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月2日閲覧。
- ^ “R-Type”. Hardcore Gaming 101. 2011年8月13日閲覧。
- ^ ハドソンの著作物は現在KDEが全て管理している。以降のハドソン販売物移植版も同様。
- ^ “セガ JOYJOY情報 NO.23”. JOYJOY. セガ (1988年9月). 2019年3月2日閲覧。
- ^ Ishaan (2011年9月28日). “Last Chance To Grab R-Type Off The Wii Virtual Console”. Silliconera. 2019年3月2日閲覧。
- ^ 『MSX・FAN』(徳間書店)1988年7月号 p.8。
- ^ 『MSXマガジン』(アスキー)1988年7月号 p.26および『MSX・FAN』(徳間書店)1988年9月号 p.9。
- ^ 『MSXテクニカルガイドブック』(ASCAT)p.29(本作を名指しこそしていないが、詳細が記載されている)。
- ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、58ページ
- ^ 『パチパラ3D 大海物語2 ~パチプロ風雲録・花 希望と裏切りの学園生活~』ストーリーモード序盤を紹介
- ^ 『説明書』アイレム、7頁。
- ^ “アイレム、PS Storeでの一部ソフト販売を8月11日で終了”. 電撃オンライン. アスキーメディアワークス. 2019年3月2日閲覧。
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- ^ a b c d e “レトロゲーマーはバイドせん滅の夢を見るか。Tozai Gamesの「R-Type Dimensions」は,プレイフィールまで忠実に再現”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ “PS4版「R-Type Dimensions EX」が12月20日に配信開始。新旧のグラフィックスを収録した公式トレイラーが公開” (2018年12月13日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ “【レビュー&攻略】『R-TYPE』往年の名作シューティングをスマートフォンでプレイ!(電撃おすすめアプリ 第86回)” (2013年8月30日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ a b c “【PR】「Androidアプリレビュー」第4回:横スクロールSTGの名作「R-TYPE」。あの当時の迫力がそのままAndroidで楽しめる!” (2012年7月28日). 2019年3月2日閲覧。
- ^ a b c d e 「名作ゲームインタビュー再録」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、244 - 245頁、ISBN 9784881994290。
- ^ 該当Tweet 本文は要約。
- ^ 『月刊ゲーメスト』(株式会社新声社)1989年3月号 p.29。
- ^ 石井ぜんじ (2021年4月28日). “「R-TYPE FINAL 2」プレイレポート。名作STG「R-TYPE」シリーズがクラウドファンディングを経て復活”. www.4gamer.net. Aetas. 2021年4月28日閲覧。
- ^ a b “あの頃のゲーム、僕らのGOTY――ロックマンとリュウがデビューした1987年の個人ベストゲームは?”. IGN (2018年2月5日). 2020年4月28日閲覧。
- ^ a b 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、77頁、ISBN 9784881994290。
- ^ “西谷 亮インタビュー Part3”. ゲーム文化保存研究所 (2020年1月25日). 2021年4月28日閲覧。
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- ^ “グランゼーラが『R-TYPE FINAL2』(PS4)を発表! 『R-TYPE』16年ぶりの新作が発売か!?”. ファミ通.com. 2019年4月2日閲覧。
- ^ “The Arcade Flyer Archive - Video Game Flyers: Gallop - Armed Police Unit, Irem”. flyers.arcade-museum.com. 2021年1月5日閲覧。
- ^ https://www.ign.com/articles/1998/02/24/factor-5-interview-part-i
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